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March 11, 2008

ウォルマート、2008年2月度、売上速報108.9%!

   ウォルマートが3/6、2008年2月度の売上速報を公表した。ウォルマートの2月度は2/2から2/29までの4週間の売上速報であり、土曜はじまり、金曜終わりとなる集計である。ウォルマートの本決算は1月であるので、この2月度が新年度の初め、スタートの月であり、どのような数字でスタートするかが注目されていたが、全体では108.9%、既存店も103.0%と好調なスタートを切ったといえよう。特に、既存店は昨年が100.8%という厳しいスタートであったので、今期は順調なスタートである。

   なお、既存店については、ウォルマートは、石油等の燃料の数字を入れた場合と入れなかった場合の双方を公表しているが、この数字は入れた場合の数字である。石油等の燃料の数字を入れない場合は102.6%であるので、石油等の燃料の貢献度が若干あるが、中身を見ると、ウォルマート部門は数字の影響度はほぼ0%であるが、サムズクラブの方は2.4%ほど底上げされ、石油等の燃料の売上への貢献度が大きいので、全体としても差がでる傾向となる。昨年のサムズクラブは石油等の燃料を入れても-0.6%とマイナスとなっていたので、この2月度は、サムズクラブに関しては、石油等の燃料の売上へのインパクトが大きかったといえる。

   既存店が103.0%となった要因はサムズクラブの石油等の燃料の貢献もあるが、最も大きな貢献はウォルマートの数字が昨年の100.4%から102.5%へと回復したことが大きかったといえる。ウォルマートとサムズクラブの売上構成比は6倍近い差があるので、ウォルマートの数字が回復すると当然全体への影響も大きく、今回はまさにウォルマートの既存店の回復が大きかったといえよう。

   その中身であるが、ウォルマートでは、特に、グロサリー関係と健康関連、それにエンターテイメント関連がよく売れたという。その中でもキーカテゴリーは、食品、薄型TV、デジタルオーディオ、ビデオゲーム、ファーマーシー等であったという。また、2月はバレンタインデーも重なり、数字が良かったという。

   このように、この2月度のウォルマートの既存店が好調に推移したことに加え、ウォルマートを力強く牽引している海外部門も絶好調であったため、ウォルマート全体もこの2月は好調な数字となり、108.9%となった。その好調な海外部門であるが、何と119.8%の伸びであり、まさに絶好調であるといえよう。売上構成比を見てみると、24.88%(昨年22.62%)と、昨年と比べ、さらに構成比をあげており、ほぼ1/4となった。金額では72.62億ドルであるので、約7,500億円というボリュームとなり、ウォルマートの成長を力強く牽引している。特に、イギリスのアズダ、ウォルマートブラジル、カナダの数字が良かったという。残念ながら、日本の西友への言及はなかったが、今後、完全子会社化した西友へウォルマートがどのような思い切った改革をはかるかが注目である。

   ちなみに、この絶好調のウォルマートの海外部門は、Mexico 1,023店舗 (November 1991)、Puerto Rico 54店舗(August 1992)、Canada 305店舗(November 1994)、Argentina 21 店舗(November 1995)、Brazil 313店舗(May 1995)、China 202 店舗(August 1996)、United Kingdom 352店舗(July 1999)、Japan 394店舗(March 2002)、Costa Rica 149店舗(September 2005)、El Salvador 70店舗(September 2005)、Guatemala145店舗(September 2005)、Honduras47店舗(September 2005)、Nicaragua 46店舗(September 2005)の13ケ国3,121店舗である。日本の西友もメキシコにつぎ、2番目の規模であるので、有力な海外部門の一角を占めているといえよう。

   全体のウォルマート部門であるが、この部門には中核のスーパーセンターを含め、ディスカウントストア、ネバーフッドマーケット(食品スーパーマーケット)を含む部門であるが、105.6%と堅調な伸びを示した。売上金額は185.63億ドルであるので、約2兆円弱となり、ウォルマート全体の売上構成比は63.5%と依然として中核を占めているが、昨年は65.58%であったので、海外部門に押され、若干構成比が下がってはいるが、依然としてウォルマートの中核部門である。また、サムズ部門もこの2月度は106.5%と好調であり、既存店で見たように石油等の燃料の貢献も大きく、売上の伸び率は高かったといえよう。金額ベースでは33.63億ドルであり、約3,500億円であった。
 
   これを受けて、といっても、まだ、この2月度の売上速報が公表されたばかりであるが、ウォルマートのここ最近の株価の動向を見てみると、今回の数字と同様好調な株価となっており、この数ケ月間、ほぼ右上がりの株価となっている。3/7現在49.99ドルであるが、この数日は50ドル前後で推移している。ウォルマートの株価は昨年の9/10に42.27ドルの底値をつけて以来、ほぼ、最近まで、日々では上がり下がりはあるにせよ、全体としては、右上がりで推移しており、約6ケ月間で10ドル近く、120%近く株価を上げており、好調な株価であるといえる。投資家はウォルマートを買いと見ているといえよう。

   このように、この2月、ウォルマートの今期のスタートの初めての月となる売上は昨年と比べ極めて順調な伸びとなった。これまでの好調な海外部門だけでなく、ウォルマートの中核のスーパーセンター等の数字も堅調な伸びを示し、サムズクラブも石油等の燃料の貢献もあった。アメリカでは大統領候補者選びがヒットアップする中、経済はサブプライムローン、原油高、原料高が異常な状況であるが、そのような中でこのウォルマートの数字は好調といえ、改めて、ウォルマートの強さが示された2月度の売上速報といえよう。3月以降もこの好調さが続くかどうかに注目したい。

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