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March 12, 2008

地方自治とPI値について

   PI値は顧客1人当たりの売上金額、売上数量のことであるが、この考え方は応用範囲が広く、最近では水道事業に活用されるなど、行政への活用も始まっている。また、地方自治への活用もはじまっており、この3/7の日経新聞にもデータで見る都市と地方というコーナーで、「1人当り一般財源互角、交付税で格差逆転」という記事が掲載された。まさに、PI値の話であり、興味深い内容である。そこで、本ブログでは、この記事を参考に地方自治でのPI値の活用方法を考えてみたい。

   まず、日経新聞、3/7の記事であるが、この記事では、各都道府県47、市782の税収と一般財源の金額PI値を算出し、その順位づけを行い、ランキングを算出している。まさに、食品スーパーマーケットで取り組んでいるMD評価表そのものであり、金額PI値の順位表もまさに、現在活用しているMD評価表の実践帳票そのものである。びっくりである。ちなみに、47都道府県No.1の金額PI値は税収も一般財源も東京都であり、税収は39.9万円、一般財源は47.4万円である。単位が食品スーパーマーケットの金額PI値の円と違い、万円となる違いはあるが、全く同じ金額PI値の概念で説明可能である。当然、その差、一般財源金額PI値-税収金額PI値が交付税であり、No.1の東京都でも7.5万円のマイナスであり、日本全国プラスの都道府県はないのが実態であり、いかに国の交付税が重要な地方自治にとって重要な財源であるかがわかる。

   これは食品スーパーマーケットでは金額PI値-経費PI値=営業利益PI値のことであり、この営業利益PI値がプラスの都道府県が日本では0ということであり、自立できる都道府県が存在しないということである。
また、一般財源No.2の都道府県を見ると島根県であり、一般財源金額PI値は44.2万円である。驚くことに、税収金額PI値はわずか9.3万円であり、順位は39位、その差は34.9万円であり、いかに交付税が大きいかがわかり、国の強力な財政支援により、県政が辛うじてなりたっていることがわかる。同様な状況を市で見ると、一般財源金額PI値が最大の市は圧倒的な数字で夕張市であり、136.9万円である。税収金額PI値が7.4万円と745番となり、その差は何と129.5万円と全く税収で自治運営ができない状況であり、破綻したのもうなずける厳しい数字である。

   もう少し、日経新聞から特徴的な都道府県、市を見てみると、都道府県No.3は鳥取県であり、一般財源金額PI値は41.5万円であり、税収金額PI値は9.4万円である。その差は32.1万円であり、島根県同様、国の強力な交付税に支えられている状況である。市のNo.2は歌志内市(北海道)であり、一般財源金額PI値72.4万円、税収金額PI値8.8万円であり、その差は63.6万円とかなり大きな額である。No.3も北海道の三笠市であり、市では北海道が3位まで独占という状況であり、北海道の地方自治の難しさを表しているといえよう。

   逆に、都道府県で一般財源金額PI値が最も少ないのは神奈川県であり、16.4万円である。税収金額PI値は12.2万円であるので、その差は4.2万円であり、交付税はわずかであるが、一般財源金額PI値も極端に少ないといえよう。次に少ないのが埼玉県であり、一般財源金額PI値が17.2万円である。税収金額PI値もわずか、10.2万円であり、島根、鳥取に近い税収金額PI値であり、埼玉県は税収金額PI値の改善が急務であろう。

   ちなみに、税収金額PI値を改善するには、金額PI値を分解する必要があり、PI値理論の公式を活用すると、税収金額PI値=税収÷住民=(税収件数×税収単価)÷住民=税収PI値×税収単価となる。したがって、まず、税収PI値を上げるか、税収単価を上げるかがポイントであるが、そのためには、さらに、税収項目ごとに税収金額PI値を細分化して、どの項目がPI値に貢献し、どの項目が単価に貢献しているかを見極める必要がある。いわゆる、食品スーパーマーケットの商品ごとのMD評価表であり、これを税収項目ごとに作りあげると、税収金額PI値がなぜ低いのか、どこに原因があるのかが明確になり、そこから、仮説をたて、税収の改善計画を策定すれば、改善の方向性が明確になろう。

   さらに、これをNo.1の東京都等、税収金額PI値の高い都道府県と比較すると、ちょうど、チェーンストア管理のMD評価表と同様に問題点を一目で把握することができ、さらに、精度の高い仮説づくりが可能となろう。本来、チェーンストアの本部にあたるのが、総務省であるので、総務省でチェーンストア本部のようなMD評価表にもとづく、仮説を提示することが良いように思うが、その辺が今後の課題といえよう。

   このように、PI値は現在、食品スーパーマーケットのチェーンストアへの活用が主体であり、徐々に他の小売業、そして、メーカーへも広がりつつあるが、本来、顧客一人当たりの売上金額、売上数量を算出し、この指標をもとに顧客満足度を高め、競争に打ち勝つための強い企業体を構築するのが目的である。したがって、これを住民1人当たりに応用すれば、これまでのPI値理論はすべて応用ができ、顧客満足=住民満足の自治体をつくるために活用可能なはずである。これを機会に、自治体のPI値理論づくりにも挑戦してみたいと思う。

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