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April 15, 2008

ウォルマート売上速報、2008年3月度、107.9%!

   ウォルマートが4/10、2008年3月度の売上速報を公表した。海外を含めたウォルマート全体の売上は、369.73億ドル(3兆7,000億円)、107.9%となる堅調な売上の伸びであった。ウォルマートの3月度は3/1(土)から4/4(金)の5週間の売上である。累計では9週間となる。ウォルマートは年間を13週づつ、4半期に分け、月度は13週を4週、4週、5週の3つに分けて管理している。前月の2月度は4週間、今月の3月度は5週間であるので、累計が9週間となる。その9週間の売上は108.4%であるので、2月度は若干下がってはいるが、ほぼ横ばいといえよう。
  
   さて、その中身であるが、ウォルマートは売上を3つに分けて管理しており、ウォルマートの中核業態であるスーパーセンター、ディスカウントストア、ネバーフッドマーケット(食品スーパーマーケット)等をウォルマートストアーズ部門でくくり、サムズホールセールクラブ(会員性業務スーパー)をサムズクラブ部門でくくり、そして、西友を含む海外を海外部門でくくっている。まず、ウォルマートストアーズ部門であるが、売上は232.13億ドル(約2.3兆円)となり、105.0%の伸びであった。9週間累計では105.3%であるので、ほぼ2月度と同じ伸び率である。サムズクラブ部門は42.87億ドル(約4,300億円)で103.2%、9週間累計が104.6%であるので、やや3月度は伸び悩んだといえよう。そして、ここ数年、絶好調の海外部門であるが、94.73億ドル(約9,500億円)となり、118.7%と依然として高成長が続いている。ただ、9週間累計が119.2%であるので、若干伸び率が下がっているのが気になるところだ。全体の構成比も25.62%といよいよ、1/4を超え、ウォルマートにとって、海外部門は経営の根幹を担う重要な部門となったといえよう。イオンが海外に活路を求めるのも、この数字を見るとよくうなずける。

   では、海外を抜いた国内の既存店はどうかというと、全体では101.1%となり、昨対はクリアーしたものの、やや厳しい結果であった。アメリカではサブプライムローンによる影響により、消費環境が厳しさを増しており、その影響が徐々にウォルマートに表れつつあるといえよう。ウォルマートは既存店をウォルマートストアーズ部門とサムズクラブ部門の2つに分け、さらに、それを全体とガソリン等の燃料が加わった場合と加わらなかった場合とに分けて管理している。以前と比べ、燃料の貢献は少なくなっているが、サムズクラブ部門は貢献が大きく2.8%ほど、売上に貢献した。ただ、この燃料を抜くと、99.7%と昨対割れとなり、燃料の貢献度を入れて102.1%という結果であった。ウォルマートストアーズ部門であるが、全体では100.9%と昨対ぎりぎりとなる厳しい伸び率であった。燃料の貢献は0.0%と全くない状況であり、消費の落ち込みがじわじわと表れつつあるといえよう。9週間累計は101.9%であるので、やや、既存店の伸び率も下がりつつあり、来月以降の数字が気になるところである。

   ウォルマートはこの売上速報について、ウォルマートストアーズ部門は、グロサリー、健康関連、そして、娯楽関係は力強い伸びがあったということであり、特にイースター祭での食品は好調であったという。逆に、この時期、不調だったのは衣料品であり、天候不順によりアパレル関係が、Tシャツ、ブランドものを除き、厳しいものがあったという。サムズクラブ部門は、イースター祭での生鮮、グロサリーの好調さに加え、ガソリンが昨年に比べ、約28%上がり、これが、売上に2.8%貢献し、売上を伸ばした要因であるという。そして、ウォルマートの成長を支えている海外部門であるが、現在、ウォルマートが重視している海外はイギリス、カナダ、ブラジル、中国であるという。残念ながら、日本が出てこないが、この4つの地区が、海外最重点地区であるという。イギリスではアズダが好調であったといい、カナダも好調が続いており、特に、家電関係がよく伸びているという。ただ、アパレル、靴は厳しかったという。また、ブラジルではハイパーマーケットが好調であるといい、中国も好調に推移しているという。

   これを受けて、ウォルマートの最近の株価の動きであるが、ここ最近絶好調であり、右上がりの株価が続いている。今年に入り、一時は43.11ドルまで下がった株価が、2月に入ると50ドル台を回復し、3月に入り、52ドル、53ドルと1ドルつづ株価が上昇し、この売上速報のあった4/10は54.66ドルとなり、翌日の4/11は54.80ドルとさらに上昇した。当然、年初来最高値となり、この1年間でも最高の株価で推移している。過去3年間で見ても株価は最高水準であり、投資家はウォルマートを買いと判断したようである。

   このように、ウォルマートの3月度の売上速報が4/10に公表され、107.9%と堅調な売上となり、特に、海外が絶好調でウォルマート全体の伸びを支えている状況が鮮明である。ただ、ウォルマートの既存店は101.1%とやや厳しい状況といえ、今後、燃料、原料の値上げ、サブプライムローンの影響等を考えると、消費は不透明な状況が増すことになるが、投資家は、このような中で、ウォルマートを買いと判断したようであり、厳しい消費動向の中で、ますますウォルマートの強さが際立つのではないかという期待の表れともいえよう。今後、ウォルマートの動向に注目である。次回は、第1四半期決算も公表される月でもあり、ウォルマートの売上だけでなく、利益にも注目したい。

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