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April 06, 2008

CFS、2008年2月期決算を公表、増収増益、既存店好調に推移!

   イオンとの間で3/17、資本・業務提携の基本合意がなされ、プロキシーファイト(委任状争奪戦)にまで発展したCFSとイオンとの対立関係も修復され、4/4、2008年2月期のCFSの決算が公表された。売上高1,456.31億円(102.4%)、営業利益11.13億円(昨年は赤字:売上対比0.76%)、経常利益10.67億円(847.7%:売上対比0.73%)、当期純利益 4.25億円(昨年は赤字:売上対比0.29%)と売上対比では厳しい数字であるが、昨年の厳しい決算に対し、増収増益を達成した。特に、この10月以降、既存店の売上が上回ったといい、当初計画を上回る利益を計上することができたという。

   実際、直近の3月度の数字を見ると、既存店は107.1%という大幅な伸びで推移しており、ドラクスアトア105.9%、コンビネーションストア117.5%、スーパーマーケット107.4%という好調な数字である。全体も106.5%と好調であり、特に客数が伸びているのが特徴である。昨年1年間の既存店の月別の売上推移を見てみると、3月(100.0%)、4月(95.7%)、5月(99.5%)、6月(96.8%)、7月(95.1%)、8月(96.8%)、9月(97.5%)、そして、10月(101.5%)、11月(102.3%)、12月(102.4%)、1月(102.3%)、2月(101.6%)という状況であり、10月が既存店の転機であったことがわかる。

   また、このような既存店の好調な推移に加え、今期、CFSは新店に関してもドラックストアを主体に出店を行い、神奈川県6店、静岡県6店、東京都6店計18店舗を出店し、12店舗を閉鎖した結果、店舗数は、ドラッグストアが258店舗(内調剤62店舗)、スーパーマーケットおよびコンボ(コンビネーションストア)が23店舗、ドーナツ製造販売が13店舗で、合計294店舗となった。この結果、CFSの業態売上構成比はドラックストア1,013.83億円(69.6%)、フード事業414.77億円(28.4%)、その他数%となった。

   CFSの今期の売上、粗利、経費のバランスであるが、売上総利益が28.7%(昨年28.3%)と0.4ポイント粗利が改善している。また販売費及び一般管理費も27.9%(昨年28.3%)と0.4ポイント改善しており、結果0.8%(昨年0.0%)と0.8ポイントの改善となり、営業利益が赤字から一転黒字に転換した。粗利、経費双方が改善しての営業利益の改善であり、既存店の好調さが、そのまま、営業利益にも反映した数字となったといえよう。

   一方、CFSの自己資本比率であるが、35.7%と昨年の33.7%に比べるとやや改善しているが、まだまだ厳しい状況であるといえ、今後、積極的な新規出店を果たしてゆくには一層の改善が必要な状況といえよう。その要因を資産面と負債面の両面から見てみると、まず、資産面の主要項目である出店にかかわる資産項目の土地、建物、差入保証金の合計は224.45億円(昨年229.66億円)とほぼ昨年と同じ数字であり、総資産に占める割合は45.7%である。また、これに加え、ドラクストア特有の資産である棚卸資産が122.63億円(昨年120.16億円)と新規出店の分増加しており、総資産に占める割合は25.0%と通常の食品スーパーマーケットと比べると極めて大きい数字となり、在庫負担が大きい。これを合わせると45.7%+25.0%で70.7%となり、自己資本比率35.7%とはバランスがとれず、その分、約半分の資産を負債で補った出店構造となっており、積極的な出店戦略を取りにくい財務構造といえる。

   実際、負債面を見てみると、長短借入金が93.45億円(昨年125.00億円)と大きく削減されてはいるが、総資産に占める割合は19.05%である。これを自己資本比率に足しても35.7%+19.05%で54.75%であり、在庫負担分以外の出店関連の資産とは相殺できているが、在庫の122.63億円はこれではまかなえず、この金額がそっくり、買掛金となっており、金額では122.76億円、総資産の25.0%となる。この在庫と買掛金の大きさは、ドラックストアの売上構成比が約70%となることによるといえ、今後、この辺の経営バランスもどのようにとってゆくかが経営課題といえよう。

   CFSはイオンと資本・業務提携の合意にもとづき、この5月までに中期経営計画を策定し、公表する予定であるというが、売上、粗利、経費バランスの一層の改善に加え、この財務バランスの改善も今後の安定的な成長戦略を目指す上には重要な課題といえよう。そのイオンとの今後のかかわりであるが、この決算の中では、3つの重要なポイントが挙げられている。ひとつは、出資比率が33.3%となり、重要な議案に対する拒否権をイオンがもつことであり、これにより、これまでのイオンとのゆるやかな連携がより強固な連携となる点である。2つ目は、イオンより新たに常勤の取締役(副社長に就任予定)を1名受け入れ、社外取締役を増やすことである。これにより、イオンが取締役会の主導権を握ることになる。実質、イオン主導型の経営体制に移管するといえよう。そして、今回、イオンが33.3%へ出資比率を引き上げる方法が280万株まではTOB(公開買付)であり、残りの600万株は第三者割当増資となり、4/4現在の株価569円を掛けると34.14億円が資本の増加となり、総資産の約7%となることである。

   このように、CFSの2008年2月度の決算は増収増益となったが、営業利益、自己資本比率ともに経営的には厳しい状況といえ、この5月までにイオンとの間で策定される中期経営計画がどのような内容になるかが注目される。現状の経営数値を大胆に改善する具体的なマーケティング、マーチャンダイジング、そして財務戦略が策定されることが予想され、その内容がどのようなものとなるかに注目したい。

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