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April 01, 2008

日経MJで菓子パンを特集、薄皮ミニパンNo.1!

   日経MJ、3/31の記事で菓子パンが特集された。ちょうど、前回のブログでも紹介したが、Chain Store Ageの4月最新号で菓子パンのPOS分析を取り上げているので、合わせてお読みいただければと思う。日経MJの記事のタイトルであるが、「菓子パン、ガリバー山崎、売場席巻、薄皮ミニパン、納得の量」というものであり、166社のバイヤーへのアンケート調査をもとに、菓子パンのブランド採点とメーカー採点、そして、仕入基準を分析し、まとめたものである。バイヤーの採点方法は、総合評価は5点満点での評価であり、それ以外の各項目は評価できると回答したバイヤーの割合である。回収回答数が101社ということであるので、総合の最高得点は505点となる。

   まず、ブランド採点表を見てみると、今回対象となったブランドは15品であり、総合得点順にあげると、薄皮ミニパン(山崎製パン、372)、ランチパック(山崎製パン、371)、ナイススティック(山崎製パン、303)、まるごとソーセージ(山崎製パン、192)、ミニスナックゴールド(山崎製パン、270)、十勝バタースティック(敷島製パン、268)、ぶどうぱん(フジパン、241)、ピザパン(フジパン、239)、スナックパン(敷島製パン、235)、黒コッペ(フジパン、233)、カスタードクリームパン(敷島製パン、175)、一口包みパン(第一屋製パン、164)、もちもち工房(神戸屋、161)、ミニクロワッサン(第一屋製パン、149)、とろけるクリームパン(神戸屋、138)である。タイトルどおり、山崎がべスト5を独占している状況である。

   この中でも薄皮ミニパンとランチパックはわずか1票差と接戦であり、評価項目が全部で13項目あるが、トップ評価は、4項目対8項目でむしろ、ランチパックの方がトップ項目が多いという状況である。残り1項目のトップは黒コッペであり、その内容は利益率であった。薄皮ミニパンがトップをとった項目は味・食感、容量・ボリューム、商品価値と価格のバランス、リピート購入率の4項目である。この商品はChain Store Ageでも菓子パンのA商品を3品掲載したが、この3品のひとつであり、客数PI値が78.1%と極めて高く、金額PI扱店も635.51円(1人当り0.63551円)、数量PI扱店5.70(0.57%)、平均単価111.42円という数字である。菓子パンでPI値が0.5%、金額PI値が0.5円を超える商品はトップクラスであり、今回、No.1と、各社のバイヤーの評価を裏付けるPOS分析結果となっている。

   ランチパックについては、テレビCMなどの広告・宣伝、パッケージ、ブランド力、商品の種類・コンセプト、消費者キャンペーン・イベント、ネーミング、ターゲット設定、POPなど店頭販促でトップ項目となっている。両者を比べると、商品の中身では薄皮ミニパン、商品の訴求力ではランチパックという違いが鮮明であるといえよう。

   一方、メーカー採点については、ブランド採点トップの山崎製パンが371点でトップであり、2位の敷島製パン271点、3位のフジパン240点、4位の神戸屋171点、5位の第一屋製パン155点を大きく引き離している。評価項目で見ると、取引条件以外の新商品の開発力、市場の話題作り・活性化への貢献、商品供給体制、ブランド育成力、商品構成(ラインアップ)、商品情報(改廃、売れ筋)の早さ・量、営業担当者、企業イメージ、売り場での販促策の提案・店舗の応援すべてでトップである。取引条件トップはフジパンであり、営業担当では敷島製パンが山崎製パンとならびトップを獲得している。菓子パンはChain Store AgeでもPOS分析で示したように品揃えが、金額PI値アップの大きな決め手となるので、この項目の中でも新商品の開発力、商品情報(改廃、売れ筋)の早さ・量がポイントとなるが、どちらも総合評価をとった山崎製パンがトップであり、特に、新商品の開発力は89点と最高得点を獲得している。

   最後に仕入基準であるが、味・食感(80%以上)、容量・ボリューム(60%以上)とこの2項目が突出しており、ついで、取引条件(仕入価格など)、商品価値と価格のバランス、利益率、リピート購入率、テレビCMなどの広告・宣伝と続き、意外に低いのがパッケージ、ブランド力、新商品の開発力であった。特に、意外なのは菓子パンの金額PI値の決め手となる新商品の開発力が最も評価が低く、自らの感覚である味・食感を最も重視している点である。ただ、菓子パンはChain Store Ageでも示したように、現在約3,000種類あり、この中から絞り込んでも1000種類ぐらいはあるので、この味と食感を見極めることは不可能なことであり、味と食感に頼らないPOSデータ分析による顧客の声をもっと重視することも、今後の課題であろう。

   このようにたまたまChain Store Ageの記事とタイミングが重なったので、今回、少し詳しく、日経MJの菓子パンの記事を見てみたが、菓子パンのマーチャンダイジングはまだまだ確立されているとはいえず、やり方次第では110%、120%ではなく、150%、200%と数字改善ができる数少ない食品スーパーマーケットの重点カテゴリーであり、大いに研究の余地があるといえる。ポイントは逆説的な表現になるが、自らの食感、味を信じないことであり、第3者、特に、顧客の声に委ねることである。

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