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May 29, 2008

スーパーバリュー、2008年2月期決算、増収増益!

   スーパーバリューが上場後初の決算、2008年2月期を4/14公表した。スーパーバリューは食品スーパーマーケットとホームセンターを併設した複合型小売店舗「Super Value」を首都圏に8店舗展開する企業である。その内訳は、埼玉県(5店舗)、東京都(2店舗)、千葉県(1店舗)の計8店舗であり、すべて首都圏である。今期の決算状況であるが、売上高358.55億円(102.9%)、営業利益11.17億円(125.4%:売上対比3.11%)、経常利益9.25億円(127.1%:売上対比2.57%)、当期純利益5.38億円(148.4%:売上対比1.5%)となり、売上は新店がなかったため、伸び悩んだが、利益は2桁増となり、増収増益の堅調な決算であった。

   スーパーバリューの強さは何といっても、ローコストオペレーションにあるといえる。今期の経費比率は18.4%であり、食品スーパーマーケットとホームセンターの複合業態というオペレーションが相反する難しい業態運営であるが、コストを低く抑えたローコストオペレーションを確立したといえよう。昨年も18.4%であり、安定した経費コントロールができており、スバーバリューの最大の強みといえよう。これに売上総利益20.5%(昨年20.2%)と昨年より、0.3ポイント改善し、営業収入も1.0%(昨年0.8%)と0.2ポイント改善し、結果、営業利益が21.5%(昨年21.0%)と0.5ポイント改善したことにより、今期は売上が伸び悩んだにもかかわらず、経費比率を18.4%に抑え、営業利益が3.1%(昨年2.6%)となり、2桁の増益となった。

   このローコストオペレーションの背景には、店舗運営面において、現状の店舗主導主義にチェーンストアオペレーション機能を加えたローコスト経営を徹底し、価格競争力の維持と業務効率化の追及に取り組んでいることが大きいという。スーパーバリューの売上高、約350億円の内訳は食品スーパーマーケットが67.1%(約240億円)に対し、ホームセンターが32.9%(約110億円)であり、食品スーパーマーケット主導の業態といえる。さらに、細かく見ると、生鮮食品が32.9%、グロサリーが34.2%、ホームセンターが32.9%であり、これをワンフローアーで展開しており、いわば都市型スーパーセンターといえる新業態といえよう。食品スーパーマーケットの雑貨部分を大きく拡大し、商品構成をホームセンター関連まで拡大した新業態である。

   ただ、現在の最大の経営課題は自己資本比率であり、今期12.4%(昨年6.7%)と昨年よりは大きく改善したが、それでも10%台は今後の安定成長をはかるためにはかなり、きつい数字といえる。その最大の要因は長短借入金にあり、今期115.55億円(昨年123.27億円)と多額な額に上り、総資産の64.12%を占める状況である。昨年よりは、改善しているが、これは上場により、資本金及び資本剰余金の合計が6.44億円(昨年0.9億円)と大幅に増加しており、その大半を借入金の返済に充てたためである。ただ、それでも、まだ、100億円以上あり、借入金の削減は自己資本比率を高め、成長戦略を打ち出す上には最優先課題といえよう。

   一方、スーパーバリューの出店にかかわる資産である土地、建物、差入保証金の合計は145.03億円(昨年138.41億円)となり、総資産の80.4%を占めている。1店舗当たり18.12億円と通常の食品スーパーマーケットの4から5倍の大きさであり、今期も新店がなかったが、簡単に新規出店ができる資産ではない金額である。したがって、自己資本比率12.4%では全くバランスがとれず、長短借入金の64.12%を加えても、76.52%と若干低くなり、厳しい出店構造といえよう。スーパーバリューはこれに、ホームセンター特有の在庫負担も通常の食品スーパーマーケットよりも大きく、今期は、たな卸資産が16.61億円(昨年16.49億円)と総資産の9.21%となり、この部分の資産も新規出店に関して負担が大きくなり、これらを合わせると1店舗当たり、約20億円の出店にかかわる資産が必要といえ、簡単には新規出店ができる構造ではないといえる。ただ来期となる2009年2月期には、2006年6月に新規出店した上尾愛宕店以来のスーパーバリューを、埼玉県に1店舗を計画(2008年12月開店予定)しているとのことである。

   これを受けて、最近のスーパーバリューの株価であるが、現在1,100円前後で推移している。今年の2月の上場時、2/25の初値が1,439円でスタートし、その翌日、2/26に、現在までの上場来最高値の1,639円を付けて以来、株価は厳しい状況を続けている。3月中旬には1,000円を割り込み、この決算が公表された4月初旬は900円強で推移していた。この堅調な決算が公表されるとやや株価は上昇し、1,000円まで回復し、その後、5月に入り1,100円台となり、現在1,100円前後で推移している。

   このようにスーパーバリューの上場後はじめての決算が公表され、増収増益の堅調な決算となり、特に、利益が2桁の増益となったが、今期出店が0と売上が伸び悩んでいる状況である。そ背景には、借入金が重く経営にのしかかり、思うような新規出店ができない構造となっており、この点を改善してゆかないと、今後、安定した成長をつづけてゆくことは難しいといえよう。スーパーバリューは食品スーパーマーケットにホームセンターを見事に融合し、ローコスト経営を実現した競争力のある新業態といえるが、出店にかかわる資産が多額になり、簡単に新規出店ができない構造でもある。スーパーバーリューが今後、いかにキャッシュフローを高め、借入れを返済し、自己資本比率を充実させ、安定した成長戦略をどのように構築してゆくかに注目したい。

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May 29, 2008 in 経済・政治・国際 |

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