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May 23, 2008

ヤマナカ、2008年3月、増収減益、既存店101.4%!

   愛知のヤマナカが5/2、2008年3月期の決算を公表した。営業収益1,120.48億円(10 1.6%)、営業利益11.99億円(82.3%:営業収益比1.07%)、経常利益13.98億円(91.2%:営業収益比1.24%)、当期純利益7.20億円(昨年は赤字:営業収益比0.64%)となり、今期は既存店が101.4%と健闘し、増収となったが、営業、経常、当期純利益が減益となる厳しい決算となった。特に、当期純利益については昨年から減損会計が大きく響き、厳しい数字となっている。ただ、昨年の減損会計は54.4億円に対し、今期は3.3億円と大幅に縮小しており、特に、今期合計で全68店舗の内、51店舗の減損損失の計上が終わったので、これで、減損会計の計上も一段落といえよう。

   ヤマナカは現在、店舗フォーマットをライフスタイル対応型で、ファッションのしまむら等が併設されるNSC(近隣型食品スーパーマーケット)タイプの業態にシフトさせており、すでにこのタイプの店舗が新設、改装を含め、16店舗になった。今期新店は3店舗オープンしているが、2007年3月の岐南店(岐阜県羽島郡岐南町)以外の11 月にオープンした忠節フランテ館(岐阜県岐阜市)、旧勝川店の建替えとなった10 月の勝川フランテ(愛知県春日井市)店等、最近はほとんどがフランテタイプである。また、来期についてもこの4月に出店した大府フランテ館(愛知県大府市)、6月の多治見フランテ(岐阜県多治見市)、初秋ごろの四日市富田フランテ館(三重県四日市市)と新店すべてフランテ型タイプでの出店とり、今後のヤマナカの戦略業態となった。ちなみに、フランテはフランス語のフレ(最新、新鮮)とアンシャンテ(はじめまして)を掛け合わせた造語であるという。 

   ただ、現在の財務内容を見る限り、このフランテが経営内容の改善につながっているとはみえず、依然として苦しい財務状況が続いている。ヤマナカの自己資本比率は現在32.7%(昨年32.3%)であり、ここ数年間は、34.1%(2004年)、 34.8%(2005年)、 37.1%(2006年)という状況であり、ここ数年のフランテが主力業態となりつつある状況を見ても、数字の好転が見られない状況といえる。その要因は、負債の主要項目である社債を含む長短借入金等が209.8億円(214.7億円)と総資産の42.1%を占め、経営に重くのしかかっているためでる。ヤマナカは今期も建て替えを含め3店舗の新店を創設しているが、その出店に関する資産である土地、建物、差入保証金の合計を見ると、312.4億円(昨年322.5億円)となり、総資産の62.7%(1店舗当たり4.6億円)となる。自己資本比率32.7%では約50%しか賄えない構造となっており、長短借入金等に大きく依存する状況での新店開発といえ、厳しい財務状況といえよう。

   しかも、営業利益が今期11.9億円と営業収益比約1.0%と低迷しており、減価償却費を入れた営業キャッシュフローは約20億円であるが、投資、財務キャッシュフローの減少が大きく、十分な新店投資への原資の確保が厳しい状況であるといえ、今後の安定成長路線を軌道に乗せるためには一層の財務改善が急務といえよう。

   その営業構造を見てみると、商品売買から得られる売上総利益は25.3%(昨年25.2%)と0.1ポイント改善しているが、販売費及び一般管理費が28.8%(昨年28.4%)と0.4ポイントと大幅に上昇しており、結果、差し引き、-3.5%(昨年-3.2%)と大きくマイナスとなっている。これを営業収入4.6%(昨年4.6%)で相殺し、営業利益を1.1%(昨年1.4%)捻出している構造であり、商品力で経費をカバーできない状況であり、苦しい営業構造であるといえよう。ヤマナカの商品構成比を見ると、生鮮では青果12.9%、そして、グロサリーが25.2%突出している構造となっており、粗利の高い、畜産10.6%、水産10.5%が青果に比べ低く、さらには、粗利No.1のデリカも8.2%(昨年8.0%)と昨年よりは上昇しているが、まだまだ低い状況であり、粗利強化型の商品力が相対的に弱い状況といえ、この面でのマーチャンダイジング力の強化が最大の課題であるといえよう。新業態、フランテがどこまで、この収益構造を改善できるかが今後のポイントであろう。

   ヤマナカは今回、新中期3ヵ年計画「PS(パラダイムシフト)2010」を策定し、“「ヤマナカブランド」を確立し、東海地区で最も愛され支持されるスーパーマーケットとなる”という中期経営ビジョンを達成するべく取り組みはじめた。具体的には、「顧客満足経営の実践」、「働き甲斐のある職場の実現」、「個店対応力の向上とチェーンメリットの追求」、「健全な成長による収益体質の強化」の4つを中期経営方針の柱に掲げ、一人一人・一店一店が主体性を持ち、日々改善を積み重ねることによって大きな改革へとつなげてゆくという。今後、その柱の業態がフランテであるといえ、このフランテがどこまで、ヤマナカの営業構造を改善し、経営全体へのインパクトがあるかが課題である。ただ、この数年の数字を見ている限り、経営改善効果が明確に現れつつあるようには見えず、今後、一層のフランテ型業態の進化が問われるところであろう。ヤマナカの今後の新店、フランテの動向、特に財務面へのインパクトに注目したい。

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