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May 12, 2008

ヤオコー、2008年3月期、16期増収増益、2,000億円!

   ヤオコーが2008年3月期の決算を5/7、公表した。先週ぐらいから、食品スーパーマーケット業界の3月期決算の公表がはじまった。食品スーパーマーケット業界の3月期決算は約10社ぐらいであるが、今後、順次公開されてくるものといえよう。そのヤオコーの決算概要であるが、営業収益2,022.53億円(107.4%)、 営業利益78.14億円(112.1%:営業収益比3.86%)、経常利益78.03億円(112.3%:営業収益比3.85%)、当期純利益 42.27億円(109.9%:営業収益比2.08%)となり、年商2,000億円を突破し、単体では19期連続、連結では16期連続の増収増益となる好決算であった。

   特に、ヤオコーは積極的な新規出店と既存店の改装を実施しており、今期も2007年4月に太田小舞木店(群馬県太田市)、幸手店(埼玉県幸手市)、7月に川越新宿店(埼玉県川越市)、8月に上里店(埼玉県児玉郡上里町)、9月にユニモちはら台店(千葉県市原市)、11月に浦和上木崎店(埼玉県さいたま市)、そして、2008年1月に取手戸頭店(茨城県取手市)をオープンしている。店舗改装についても、17店舗について実施しており、これが全体の数字を押し上げたと同時に、既存店も101.6%と堅調な伸びをもたらしたといえよう。

   ヤオコーは日本でも最もNSC(近隣型ショッピングセンター)へ特化した出店政策をとっており、今期、新店7店舗の内6店舗がNSCでの出店であり、来期もすでに3店舗の出店が決まっているが、すべてNSCでの出店である。また、既存店の改装17店舗内、13店舗がNSCの改装であり、日本の食品スーパーマーケット業界ではいち早くNSC業態を確立したといえよう。その結果、店舗数は、埼玉県64店舗、千葉県11店舗、群馬県8店舗、栃木県5店舗、茨城県9店舗、東京都1店舗の計98店舗となり、次期は、期中には確実に100店舗に到達することとなる。ちょうど、年商も2,000億円となり、1店舗当たり平均も約20億円という食品スーパーマーケットとしては極めて安定した売上規模である。  

   ここへきて、食品スーパーマーケット業界も年商2,000億円、100店舗規模の企業が各地で生まれつつあり、このクラスになると客数もほぼ年間延べ1億人を超える規模となり、各地区の食生活にはかかせない、まさにライフラインをささえる一大産業となりつつあるといえる。今後、このクラスを核に、M&Aも含め、年商5,000億円、1兆円の企業が近い将来、食品スーパーマーケット業界でもいつ誕生してもよい環境が整いつつあるといえよう。

   ヤオコーの今期決算のもうひとつの特徴は惣菜(デリ)部門の売上構成比が過去最高の数字、13.9%となったことである。生鮮No.1の青果が12.8%であるので、その差が1ポイント以上開いたことになり、昨年の13.6%、一昨年の13.3%と比べても毎年、確実に惣菜の売上構成比が上昇しており、食品スーパーマーケットの中でも惣菜(デリ)No.1の企業はめずらしいといえよう。また、粗利率も48.39%(昨年47.96)と高い数字であり、結果、相乗積(粗利構成比)6.7%と全体の粗利率が28.8%であるので、何と、約25%近い粗利貢献度であり、売上だけでなく、粗利への貢献度も極めて大きな戦略部門となったといえよう。

   ヤオコーの全体の売上、粗利状況であるが、今期は、商品売買から得られる売上総利益が28.8%(昨年28.4%)と0.4ポイント改善しており、これはまさに惣菜(デリ)の貢献度に負うところが大きいといえよう。ただ、販売費及び一般管理費は28.9%(昨年28.9%)とほぼ売上総利益と同じであり、商品売買以外の利益で営業利益を引き上げている構造であるところが気になるところである。その最も大きな利益が物流センター収入であり、売上高対比で2.8%と巨額な数字となる。これに積極的なNSCの出店による不動産収入等が1.3%加わり、合計4.1%の営業収入があり、この分がほぼそっくり、営業利益にのり、今期の営業利益は差引4.0%(昨年3.9%)となった。物流センター収入、不動産収入が営業利益に大きく貢献しているといえよう。

   一方、今期のヤオコーの自己資本比率であるが、43.3%(昨年42.6%、1昨年40.4%)と年々、好調な決算を背景に改善しており、負債に頼らない新規出店構造ができつつあるといえよう。ヤオコーの出店にかかわる資産である土地、建物、差入保証金の合計は413.33億円(昨年384.47億円)と総資産の63.2%であり、自己資本比率43.3%ではカバーできず、負債に約20%負う構造である。その負債の主要項目である長短借入金であるが86.79億円(昨年104.75億円)と好調な決算により、昨年より、約20億円削減され、総資産にしめる割合は13.2%であった。これに自己資本比率43.3%を足しても56.2%であるが、ヤオコーの場合は預かり保証金が50.54億円と総資産の7.7%あり、これを足すとほぼバランスがとれる構造となっている。したがって、今後、さらに安定成長をはかってゆくためにも、負債を削減し、自己資本比率を引き上げてゆくことも課題といえよう。

   このように、ヤオコーの2008年3月期の決算が公表され、増収増益の好決算となり、年商も2,000億円を超え、店舗数も98店舗、来期は確実に100店舗となり、売上規模も食品スーパーマーケット業界の中でもトップクラスとなった。その原動力がNSCを戦略業態にすえ、惣菜(デリ)を核にした商品戦略にあるといえよう。ただ、今後、この勢いをさらに継続してゆくには、もう一歩、財務面、自己資本比率の充実が課題といえよう。今後、この好調な決算をもとに、ヤオコーの財務面がどこまで堅固なものになるかに注目したい。

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May 12, 2008 in 経済・政治・国際 |

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