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May 27, 2008

バロー、2008年3月期決算、増収増益、3,000億円突破!

   バローが2008年3月期決算を5/15公表した。営業収益3,180.26億円(110.4%)と昨年の2,881.68億円から大幅な増収となり、年商3,000億円を突破した。営業利益も104.91億円(113.0%)と2桁の増益となり、増収増益の好決算となった。経常利益108.35億円(108.7%)、当期純利益41.36億円(105.6%)とすべての利益が増益となった。また、単体についても2,104.60億円(106.9%)と昨年の1,969.53億円と比べ、食品スーパーマーケット単体でも2,000億円を超える増収となった。利益についても、営業利益62.95億円(113.5%)、経常利益72.86億円(113.0%)、当期純利益29.11億円(102.4%)と増益となり、連結、単体ともに増収増益の好決算であった。

   連結と単体が年商で約1,000億円違うのは、バローはグループとして多岐に渡る業態を展開しているためである。バローの展開業態を見てみると、スーパーマーケット159店舗(バロー113店舗、ユース27店舗、タチヤ9店舗、サンフレンド10店舗)、ホームセンター35店舗、ペットショップ16店舗、ドラックストア151店舗、スポーツクラブ48店舗、その他13店舗の合計422店舗となる。また、グループ会社もドラックストアの中部薬品、スポーツクラブのアクトス、惣菜の中部フーズ、物流センターの中部興産など、14社が連結となっている。

   バローはこのように最近では積極的な事業拡大を行っており、特に、食品スーパーマーケット業界へのM&Aを含む業務提携には積極的である。昨年6月にはすでに子会社していたサンフレンド10店舗を100%の子会社とし、9月には北陸のどんたく(山成商事)との業務提携を行っている。さらに、今年に入り、この1月にはエイチ・ツー・オーリテーリンググループとの業務提携を実施しており、地元、中部を中心に北陸、関西へと展開を広げている。

   また、5/21の日経MJでは、この6月にPB開発の専門会社を設立するという記事が掲載された。記事によれば、約800品目のPBを開発し、自社だけでなく、傘下のドラックストアなどを含め、他の食品スーパーマーケットへの外販も行うという。すでに、グループで食品スーパーマーケットが159店舗、ドラックストアが151店舗あり、今回業務提携したどんたく、エイチ・ツー・オーリテーリンググループとの相互PB等にも発展する可能性は高いといえよう。今回のPB専門会社では、開発したPBをメーカーに生産委託し、全量をバローが引き取るという。

   PBは現在ブームといえる活況を呈しており、イオンのトップバリュー、セブン&アイホールディングスのセブンプレミアムをはじめ、CGCグループ、AJSグループ、ニチリウなど積極的なPBの開発に動き出した。各社計画を見ると、ほぼ売上の15%から20%であり、おそらく、今後、3年で食品スーパーマーケットの売上の約20%がPBとなる可能性が高いといえよう。ちょうど、値上げ問題がPBへの追い風ともなっており、今回値上げした商品のほとんどは売上減となった商品は少ないが、数量減は確実に起こっており、メーカーとしても今後、生産調整を余儀なくせざるをえない状況になることが予想され、その分がPBへ流れる可能性は高く、小売業、メーカー双方にメリットがある消費環境となりつつあるといえよう。

   さて、バローの今期の営業利益が2桁の伸びとなった背景であるが、商品売買から得られる売上総利益が23.8%(昨年23.5%)と0.3ポイント改善したのが大きいといえよう。これに不動産収入、物流収入などの営業利益が3.5%(昨年3.6%)のり、営業総収入は27.3%(昨年27.1%)と0.2ポイント上昇した。一方、販売費及び一般管理費は23.9%(昨年23.8%)と0.1ポイント上昇したが、差し引き営業利益が3.4%(昨年3.3%)と0.1ポイント改善し、営業収益の110.4%が寄与し、113.0%の営業利益増となったといえよう。経費は若干増加したが、それを利益、特に商品売買から得られる売上総利益でカバーしたことが大きかったといえよう。

   これに対し、バローの今後の成長戦略をうらなう、自己資本比率であるが、今期は32.4%(昨年32.1%)と0.3ポイント改善しているが、依然として低い自己資本比率であり、今後、安定成長路線にのるためには一層の自己資本比率の改善が課題といえよう。その自己資本比率が低い要因であるが、出店にかかわる資産である土地、建物、差入保証金の合計は1,032.88億円(昨年975.78億円)であり、総資産の62.7%となり、自己資本比率ではまかなえない構造となっており、借入等に大きく依存する状況である。ちなみに、これを全422店舗で割ると2.44億円(食品スーパーマーケットだけでは3.70億円)である。一方、負債の主要項目である社債を含む長短借入金の合計は、617.07億円(昨年575.55億円)と若干増加気味であり、総資産に占める割合は37.4%であり、自己資本比率の32.4%を足すと69.8%となり、出店にかかわる資産とほぼバランスがとれる。

   このように今期のバローの決算は増収増益の好決算となり、積極的なM&A、資本・業務提携を積極的に行い、事業規模もグループ全体で3,000億円を超えた。ただ、気になるのは自己資本比率が32.4%と低く、今後、安定成長をはかる上には借入金の削減が課題といえ、今後、成長と安定のバランスをどうとった経営を実践してゆくかが課題といえよう。この4月度の直近の売上状況は全体100.2%、SM事業は99.9%(既存店95.6%)と成長が鈍化しており、気になる数字である。今後、バローがこの好調な増収増益をどう財務改善に活かし、成長戦略に軌道をとってゆくかに注目したい。

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