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May 04, 2008

商社、空前の利益、2008年3月期決算、大手5社最高益!

   日経新聞5/1に商社の記事が掲載された。「大手商社5社、最高益」、「前期純利益、資源高追い風に、三菱商事は11%増4,600億円」、「丸紅、新興国で自動車好調」、「投資拡大に慎重姿勢も」という見出しの記事である。かつて、商社冬の時代といわれた時もあったが、今期、商社は絶好調であり、空前の利益を計上した。記事の中ではまだ公表のない三井物産を除き、三菱商事、住友商事、伊藤忠商事、丸紅、双日の連結業績の一覧が掲載されているが、これを見ると、全社、純利益が増益となり、しかも来期予想も双日の1%減を除き、さらに増益予想であり、特に、来期は今期以上に資源・エネルギー部門が大幅な増益となる予想である。

   この2008年3月期の公表された実際の数字を日経新聞の表から見てみると、三菱商事4,627億円:11%(来期5,800億円:25%)、住友商事2,389億円:13%(来期2,430億円:2%)、伊藤忠商事2,185億円:23%(来期2,400億円:10%)、丸紅1,472億円:23%(来期1,650億円:12%)、双日1,014億円:13%(来期1,000億円:-1%)である。特に、今期も、そして、来期は今期以上に資源エネルギー部門が好調であるといい、まさに、ここ数年の資源高が商社に、空前の好景気をもたらしている結果が鮮明となった。

   少し、日経の記事の中身を見てみると、今回、商社の大幅な増益をもたらした要因は資源高による追い風に乗ったことに加え、新興国でのインフラ投資関連の機械受注などが増えたことも大きいという。特に、丸紅は中東やアジアで自動車や関連生産設備の販売が好調であったという。住友商事も欧州の自動車事業などが伸びたといい、資源高+新興国での好景気が商社の増益を押し上げたといえよう。

   さて、このような好況に沸く商社であるが、商社は小売業とも密接な関係がある。かつて、商社が積極的に小売業への投資を増やした時期もあったが、ここ最近は大きな動きがなく、今期の空前の好決算を踏まえ、今後、商社が小売業へどのようなアクションを起こすかが注目される。現在の商社と小売業との関係を、この4/15のチェーンストアエイジの記事、流通相関図をもとにまとめてみると、三菱商事はライフコーポレーションへ21%、ローソンへ31%、エーエムピーエムへ10%の投資である。三井物産はセブン&アイへ1.6%の投資であり、住友商事はサミットへ100%、マミーマートへ20%、関西スーパーマーケットへ10.1%である。丸紅はダイエーへ29.5%、マルエツへ29.9%、東武ストアへ30%、ローソンへ5.8%、そして、伊藤忠商事はファミリーマートへ31.4%という状況である。

   この中で、ここ最近の動きを見ると、住友商事は西友、ウォルマートの件では西友への支援が思うように進まず、今回のウォルマートへの株式売却においても評価損を出すなど、厳しい状況にあり、小売業へは積極投資が難しい状況にあるといえよう。また、丸紅もダイエーの活性化が中々軌道にのらず、苦労している。ここへきて、イオンとの2人3脚でダイエー、そしてマルエツの活性化に入っているが、イオン主導の体制が徐々に強くなりはじめ、丸紅主導の体制が崩れつつあるといえよう。三菱商事もライフコーポレーションとの関係は深まりつつあるが、他の食品スーパーマーケットへのM&Aの動きは見えない状況である。コンビニのローソンへは依然として積極的であるが、ローソンが傘下に治めた九九プラスの活性化に苦労している状況といえよう。

   このような状況を見ると、商社が今期の空前の利益を小売業、特に食品スーパーマーケット業界へさらに投資する可能性があるかというと、かなり低いといえ、まずは、資源、エネルギー分野、そして、新興国への投資が最優先であり、ついで、成長が期待される金融、医療、環境分野であろう。

   ただ、ごく最近の直近の動きでは、出資関係はないが、伊藤忠商事とユニーは包括的業務提携協力を結んでいるが、そのユニーがイズミヤと業務提携に入るとの内容を日経新聞がスクープした。この状況如何では、伊藤忠商事もからみ、ユニー、イズミヤ主導で各地区の有力な食品スーパーマーケットが提携関係に入り、中小食品スーパーマーケットの業界再編に発展する可能性もある。そうなると、他の商社も、投資優先度は現段階では低いとはいえるが、食品スーパーマーケット業界でのシェアを確保するために業界再編に動き出す可能性もないとはいえず、今後のユニーの動向が気になるところである。

   ちょうど、この記事を書いている時に三井物産の2008年3月期の決算が公表されたが、純利益は4,100億円:36%(来期4,600億円:12.2%)という増収増益の好決算であり、これで主要商社すべて、大幅な増益となった。

   このように今期の大手商社、すべてが空前の増益となったが、その要因は資源・エネルギー関連、新興国市場の好況によるものであることから、今後の投資も優先的にこられへ向かい、ついで、成長分野へ向かうと思われ、小売業、特に食品スーパーマーケットの再編への投資は優先度がより低くなったといえよう。ただ、ユニーの動き次第では、伊藤忠商事が食品スーパーマーケット業界への投資を積極的に行う可能性もあり、その場合は各商社も動く可能性は否定できない。その意味で、ユニーの今後の動向に注目である。

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