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May 21, 2008

九九プラス、2008年3月期決算、減収減益の厳しい決算!

   九九プラスが5/14、2008年3月期の決算を公表した。売上高は、1,229.97億円(98.8%)、営業利益4.01億円(42%:売上対比0.32%)、経常利益3.56億円(41.3%:売上対比0.28%)、当期純利益0.47億円(前期は赤字:売上対比0.04%)となる減収減益の厳しい決算であった。利益幅も営業段階ではわずか0.32%という状況であり、昨年、2/28の取締役会でローソンとの資本・業務提携を決議して以来、ちょうど1年が経過したが、依然として、厳しい経営状況にあるといえ、ローソンの支援を受けての業績の回復の兆しがまだ見えない決算結果であったといえよう。

   来期予想については、売上高1,373.00 億円(111.6%)、営業利益5.50億円(137.0%:売上対比0.4%)、経常利益5.20億円(145.8%:売上対比0.37%)、当期純利益0.6億円(126.8 %:売上対比0.04%)と増収増益予想であるが、利益率はわずかであり、業績は依然として厳しい状況が続くものといえよう。
特に今期、利益面が厳しかった要因を見てみると、売上総利益が26.7%(昨年26.9%)と0.3ポイント下がっており、仕入原価の影響や、競合との価格競争が大きく響いているといえよう。また、販売費及び一般管理費については、26.4%(昨年26.1%)と0.3ポイント上昇しており、差し引き、営業利益が0.3%(昨年0.8%)と0.5ポイントと大きく下がったことが大きかったといえる。粗利、経費双方が改善できず、ダブルパンチとなった状況であり、厳しい利益構造である。

   九九プラスはローソンとの資本・業務提携により、今期、様々な課題に取り組んできた。その主な内容を上げれば、ローソンとの店舗情報の共有を進め、これまでよりも収益性を重視した慎重な出店に取り組んだという。今期は三大商圏(首都圏、関西圏、中京圏)を中心に出店を行い、前期末に比べ57店(直営:出店63店・閉店3店、FC:出店0店・閉店3店)増加し、この3月末の総店舗数は837店(直営718店、FC119店)となった。数年前の急成長の年間数100店舗を新規出店していた時と比べると極めて慎重な出店状況といえよう。また、PBにおいても、ローソングループとの商品共通化のスケールメリットによるコストダウンの追求とお客様への更なる安心感の提供を目的とした「バリューライン(VL)」の導入を行い、将来的には売上の20%を目指すという。

   そのPBについては5/20の日経新聞で「自主企画商品、ローソン「100円」全国販売、調味料などまず35品目、低価格を前面に」という記事が載ったが、100円商品のPB強化であり、まさに、九九プラスとの連動を意識したものであろう。さらには、物流政策においても、ローソンの協力のもと関東エリアの物流センターの集約化を実施し、9月に常温センター(千葉県野田市)、11月に低温センター(千葉県市川市)、2月に低温センター(神奈川県横浜市)を稼働させたという。

   このように、ローソンとの業務提携が着々と進みつつあるとはいえるが、この取り組みが、まだ現段階では経営へのインパクトにはなっておらず、今後、さらに思い切った政策が必要といえよう。

   その来期であるが、来期はさらにローロンとの提携関係をさらに深める方針であるという。すでに、「SHOP99」、「ローソンストア100」の統合を目指した試験店の展開を開始しているとのことで、これが現在、既存店の改装を含め、10店舗となったという。そして、この実験店舗をもとに、いよいよ、念願のFC化に、今期後半には踏み切る予定であるという。新規店舗数も来期は120店舗を予定しており、売上も2桁増の予想である。

   一方、九九プラスの財務状況であるが、自己資本比率は40.1%(昨年34.7%)と昨年より約5%上昇した。九九プラスはもともと家賃を支払っての出店がほとんどであり、最近はFC展開も現在全837店舗の内、119店舗となり、資産としての土地代はかからない出店構造であり、出店にかかわる資産は建物と敷金・保証金が大半を占める。その合計は91.93億円(昨年91.37億円)とほぼ同じであり、総資産に占める割合は35.59%と自己資本比率40.1%の範囲内であり、このバランスを見る限り、出店余力はあるといえよう。また、1店舗当たりの出店にかかわる資産は837店舗で割ると0.10億円と出店にかかる資産が低いだけに、ごくわずかな資産での出店が可能な構造となっている。であるにもかかわらず、自己資本比率が40.1%にとどまるのは、負債の主要項目である長短借入金が44.68億円(昨年62.64億円)と総資産の15.8%に加え、買掛金が92.15億円(昨年90.83億円)と総資産の32.67%と多額の資産となっているからであるといえよう。ただ、長短借入金は昨年より約20億円削減されており、結果、自己資本比率はここ数年の動きをみると2008年(40.1%)、2007年(34.7%)、2006年(29.3%)、2005年(34.7%)、2004年(18.2%)と着実に改善しており、営業利益が今後ローソンの支援を受けて改善されてゆけば、さらに充実する可能性は高く、今後の営業力の強化が鍵を握っているといえよう。

   このように九九プラスはローソンとの資本・業務提携に踏み切り、ちょうど1年が過ぎたが、まだ、収益面での改善効果は明確に表れているとはいえない数字である。ただ、財務面では、自己資本比率が上昇に転じるなど、確実に数字に反映されはじめており、現在進めている改革が軌道に乗れば、営業面の数字も改善される可能性も高いといえ、今期、来期が重要な改革期間であるといえよう。今後、九九プラスの営業利益がいつ改善するかに注目したい。

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May 21, 2008 in 経済・政治・国際 |

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