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May 30, 2008

いなげや2008年3月期決算、増収増益!

   いなげやが、5/13、2008年3月期の決算を公表した。営業収益2,271.75億円(103.2%)、営業利益38.86億円(105.4%:営業収益比1.71%)、経常利益42.18億円(106.3%:営業収益比1.85%)、当期純利益12.36億円(72.8%:0.54%)と当期純利益は減損損失が発生し、減益となったが、営業、経常段階では、増収増益となる堅調な決算となった。今期は、2007年4月にブルーミングブルーミー港北店(横浜市都筑区)、10月にブルーミングブルーミー鴻巣駅前店(埼玉県鴻巣市)、同20年3月に浦和中尾店(さいたま市緑区)をそれぞれショッピングセンター内に新設したが、スクラップも6店舗となったため、期末店舗数は、125店舗(前期128店舗)と3店舗減となり、営業収益が103.2%と伸び悩んだ。

   いなげやは、今期、2008年4月期から、2009年4月期(2010年3月決算)までの新中期2ケ年計画に入っており、前期の第1次構造改革を経て、第2次の構造改革へ入った。この2008年3月期の決算がちょうど第1次構造改革の成果が問われた決算であり、今後、さらに踏み込んだ構造改革に入ってゆくことになる。その新中期2ケ年計画であるが、構造改革のさらなる深耕をスローガンに、高い競争力と安定した収益力の両立、新たなる成長戦略に向けた準備の期間と位置づけている。数字目標としては、SM事業売上高営業利益率2.0%、既存店売上前年比+1.0%を掲げている。

   特に、この新中期2ケ年計画中に、成長戦略を担う業態開発にも着手し、小型、中型、大型の3タイプのSM事業の確立を目指すという。現在、小型のCSM業態は37店舗(昨対97.6%)、中型のSM業態は43店舗(昨対100.1%)、大型のSSM業態は45店舗(昨対102.2%)と合計125店舗(昨対100.6%)であり、ほぼ3分割されているが、大型店ほど伸び率が高く、小型店がやや苦戦気味である。

   また、イオンとの業務提携の状況であるが、現在、いなげやは、イオンが15.07%所有し、筆頭株主となっている。イオンとの業務提携については、特にPBの導入を積極的に進めている。売上高は部門全体の2.2%(昨年2.0%)、粗利高は2.6%(昨年2.3%)という状況であるという。部門については、一般食品と雑貨衣料であり、合計869アイテム(昨年644)、売上金額は13.07億円(2.16億円増の119.8%)と大幅に増加している。ただ、また、売上構成比は2.2%であり、全体への貢献度は小さいといえ、イオンが目標としている15%から20%まで引き上げるには、部門拡大とさらなる品揃えの拡大が必要といえる。いなげや独自の既存のPBとの関係も含め、今後の対応が気になるところである。

   ここで、いなげやの営業利益の状況を見てみたい。商品売買から得られる売上総利益は27.3%(昨年27.6%)と0.3ポイント下がっており、あきらかな原価上昇が見られ、厳しい状況である。不動産等の営業収入が3.2%(昨年3.2%)であったため、営業総利益は30.5%(昨年30.8%)と0.3ポイント下がっている。これに対し、販売費及び一般管理費は28.7%(昨年29.1%)と0.4ポイント削減されており、結果、営業利益が1..8%(昨年1.7%)と0.1ポイント改善し、これに売上伸び103.2%が貢献し、営業利益が増益となった。ただ、原価上昇を経費削減でっカバーした形であり、今後、値上げがさらに浸透してくると、原価上昇はさらに進むものといえ、経費の削減だけではカバーしきれず、減益となりかねず、原価低減へのアクションが求められよう。その意味でも、イオンとの共同仕入れ、PBのトップバリュの導入も原価低減策としては有力な選択肢といえよう。

   一方、今期は3店舗の出店にとどまったが、今後の成長をうらなう上での財務基盤を見てみると、自己資本比率が56.2%(昨年49.5%)と50%を超え、安定した数字となった。一般に食品スーパーマーケットの自己資本比率は50%がひとつの目安といえ、この数字を超えてくると出店余力が増し、安定した出店の基盤が整うといえる。いなげやの出店にかかわる資産である土地、建物、差入保証金の合計であるが、370.22億円(昨年341.64億円)と総資産の50.69%であり、自己資本比率の範囲内での出店であり、健全な財務バランスといえよう。あとは、収益力である営業利益をいかに改善するかであり、新中期2ケ年計画の経営目標である営業利益率2.0%を確実に達成することが当面の課題といえよう。ちなみに、これを全125店舗で割ると2.96億円であり、小型店が約30%の構成比である分、出店にかかわる資産も低めに抑えているといえよう。また、負債の主要項目である長短借入金等の合計であるが、81.46億円(昨年87.87億円)と若干削減され、総資産に占める割合は10.71%であり、今後、営業利益の増加とともに一層の削減が十分に可能な範囲といえよう。

   このように、いなげやの2008年3月期の決算は増収増益の好決算といえるが、依然としてスクラップ店舗が新店を上回る構造改革の真っ最中といえる。自己資本比率は50%を超え、充実しつつあり、出店余力はましつつあるが、キャッシュフローを生み出す、営業利益率の改善が原価の上昇に耐えられない状況となっており、今後いかに原価改善をはかるかが最大の経営の課題となりつつあるといえよう。その意味でも、原価改善がダイレクトに見込めるイオンとの業務提携をどこまで本格的に踏み込むかが注目といえよう。

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May 30, 2008 in 経済・政治・国際 |

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