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May 01, 2008

CPI(消費者物価指数)、昨年対比101.2%、じわり上昇!

   総務庁統計局から、2008年3月度のCPI(消費者物価指数)が4/25公表された。CPIは平成17年度を基準とした物価の上昇率を示す指標であるが、昨年同月比、前月比も同時に公開されるため、物価の上昇を長期、中期、短期でつかむことができる。この3月度の特徴は以下の3点に集約される。(1) 総合指数は平成17 年を100 として101.0 となり、前月比は0.5%の上昇。前年同月比は1.2%の上昇となった。(2) 生鮮食品を除く総合指数は100.8 となり、前月比は0.4%の上昇。前年同月比は1.2%の上昇となった。(3) 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は99.1 となり,前月比は0.5%の上昇。前年同月比は0.1%の上昇となった。

   ポイントはこの3月度がどの数字を見ても、過去最高の指数となったことである。CPIは購入頻度別にも集計されているが、この中で、0.5回以上、すなわち、購入頻度が1ケ月に0.5回(2ケ月に1回)の商品、購入頻度の低い商品を除く、高い商品のみで見た場合は、この3月度が平成17年度比が102.1%、前年同月比101.7%と過去最高の数字となったことである。明らかにこの3月度はCPIが上昇しており、物価高の傾向が鮮明であるといえる。

   では、具体的にどの商品が特にCPIが上昇したかを、前年同月比で見てみると、食品では、スパゲティが26.6%(前月比11.5%)と、小麦の値上げが影響し、大幅に上昇している。ついで、チーズの22.6%(25.4%)であり、チーズに関しては前月比が大幅に上昇しており、まさに、この3月度から価格が跳ね上がった商品となった。この2品が20%以上CPIが跳ね上がった商品である。

   ついで、即席麺の17.9%(1.4%)と前年同月比は大きく上昇しているが、前月比はほぼ横ばいであり、即席麺はこの1月から値上げが起こっているため、継続して、高値で推移している状況といえよう。マヨネーズも同様に17.5%(4.3%)と大きく、食パンも10.0%(0.6%)であり、以上が20%以下、10%以上CPIが上昇した食品である。小麦を含む穀物関連が中心でのCPIの上昇といえよう。

   さらに、10%以下の商品についても見てみると、うなぎかば焼き9.5%(1.7%)、マーガリン9.5%(8.4%)、かつお節8.1%(1.8%)、カレールウ8.0%(1.2%)、食用油7.8%(0.2%)と、いずれも高いCPIの上昇である。特に、マーガリンが前月比も8.4%となり、この3月度からCPIが上昇している。

   以上が生鮮品を除く、食品関連の中でCPIがこの3月度大きく上昇した商品であるが、食品以外で、この3月度のCPIが大きく伸びた商品を見てみると、やはり、何といってもエネルギー関連である。特に、灯油が29.2%(0.1%)と依然として高値で推移しており、ついで、いま問題のガソリンが19.0%(0.6%)、プロパンガス7.9%(0.4%)と続く。いずれも先月比はわずかであり、高値安定という状況である。また、これに関連する形でタクシー代5.8%(0.0%)、航空運賃代4.8%(6.0%)と上昇しており、特に航空運賃代がこの3月から上昇しはじめている。

   これとは逆に、この3月度にCPIが下がった商品もあり、特に家電関係は大きく前年同月比を下げている状況である。パソコン(ノート型)が-38.7%(-7.2%)と約40%下がっているのを筆頭に、パソコン(デスクトップ型)も-20.6%(-2.7%)、テレビ薄型も-20.3%(-3.0%)と大きく下がっており、食品の値上げとは対照的な動きである。ただ、食品の中でも、中分類で見ると、生鮮の果物が-11.6%(-3.3%)と大きく価格が下がっており、食品でもすべてが値上げになったわけでなく、下がった商品群もある。これ以外にも、飲料が-0.5%(0.1%)、生鮮魚介類が-0.2%(1.9%)と前年同月比は価格が下がっている。

   また、さらに、細かく、小分類レベルで、生鮮品を除き、この3月度のCPIが下がった商品群を見てみると以下のようである。風味調味料-5.1%(0.6%)、野菜ジュース-3.9%(-1.2%)、納豆-3.5%(0.2%)、液体調味料-3.5%(-6.2%)、ミネラルウォーター-3.3%(0.3%)、国産米A-3.2%(-0.1%)、コーヒー豆-3.2%(-1.3%)、プリン-2.9%(1.2%)、もち米-2.1%(-0.6%)、ゼリー-2.1%(0.1%)、国産米B-2.0%(0.0%)、ぶどう酒(ワイン)-2.0%(-1.2%)であり、以上が2.0%以上CPIが下がった商品群である。飲料、米、デザート関係が多いのが特徴であり、納豆が大豆の高騰にもかかわらず、CPIが下がっているのが意外である。

   このように、3月に入り、第1弾の値上げが定着したといえ、小麦、とうもろこしなどの穀物関連の値上げ、石油関連のエネルギーの値上げが浸透しはじめたといえ、上がるべき商品は確実に10%から20%のぐらい上がっている実態が明らかになった。結果、全体のCPIがここ数年では、先月の2月度を超え、同年前月比が101.2%と過去最高の数字となった。ただ、一方で、家電関連、飲料、米関連はむしろ下がっている状況もあり、値上げは全体的な動きではなく、穀物、石油関連に集約されているのが現状であるといえる。今後、この4月から、小麦の第2弾の値上げに入るが、これが、CPIにどのような影響を与えるかが、読みにくい状況であり、5月下旬に公表される4月度のCPIに注目といえよう。

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