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May 20, 2008

客数PI値は奥が深い!

   最近、ID-POS分析に携わる機会が増えた。小売業界はもちろん、メーカーにもここのところ通常のPOS分析はもちろん、ID-POS分析も密かなブームが起こりはじめており、POSデータが小売業の本部、店舗間、小売業とメーカー間、さらには卸との間で、日本中を飛び回っているような活況を呈しはじめた。ただ、大半の小売業は通常のPOS分析主体であり、まだまだ、ID-POS分析まではいたっていないようであるが、ごく一部ではあるが、かなりID-POSの研究も進み始めている動きがうかがえる。

   本ブログでもID-POS分析については何度も取り上げているが、ID-POS分析を研究すればするほど、新たな発見もあり、実に奥が深いといえる。その中でも、ID-POS分析特有の指標のひとつに客数PI値がある。ID-POS分析には指標がざっと数えただけでも30から40はあり、通常のPOS分析が数指標である点と比較すると雲泥の差であり、これは次元が違うと思った方が良いといえよう。つくる気になれば、100指標ぐらいはできてしまい、正直、人間がやるべきかどうか、最近は少し悩んでいる。

   したがって、ID-POS分析の評価も無限大のパターンとなる。通常のPOS分析では、金額PI値=PI値×平均単価の評価であれば、理論的に6つしか存在しないが、ここにID-POS分析特有の客数PI値が入り、金額PI値=客数PI値×PPI×平均単価となったとたんに、金額PI値がアップする場合、ダウンする場合とつきつめてゆくと、ざっと数10パターンとなり、簡単には解けない迷路にはまり込んでしまう。つい最近まで、この評価は18通りだとばかり思っていたが、最近、研究が進み、いまでは30通りをこえており、32パターンまで確認されている。要は、3Dになると2Dの面から立方体になるため、面積ではなく、体積が複雑に変化するためにパターンが増えてしまうのである。

   これが、ID-POSになった場合はさらに複雑な問題が発生し、どう考えても普通の人間が取り組むべき問題とは思えず、これはどこかで、ブラックボックスとしてしまうか、逆に、実践的で効果の高いもの、時間はかかるが効果の大きいものなどに単純化し、誰でもその選び抜かれた指標さえ管理すれば、結果がでるというところまで突き詰めるかのどちらかが選択肢といえよう。

   その中でも恐らく、ID-POS分析の数ある指標の中で、現段階で、最も重要な指標のひとつが客数PI値であろう。客数PI値だけでも、ID-POS分析ではたくさん登場し、様々な活躍をする。また、実践的にも用途が広く、戦略的にも戦術的にも用いることができ、実に重宝な指標である。

   その客数PI値であるが、大きく2つに分けることができる。そもそも、客数PI値とは、客数を客数で割って算出する指標であり、金額PI値が金額を客数で割り、数量PI値が数量を客数で割るのと同様に手軽にひょういひょい作ることができる。大きく2つに分かれるといったのは、分母が客数の場合とIDの場合に分かれるということである。ここで、客数とはレシート枚数のことである。ID-POS分析はIDを前提とした分析となるので、この分析にはレシート枚数、すなわち、客数が使われることはなく、IDの世界で完結してしまう。たとえば、売上=ID×ID金額PI値とか、ID金額PI値=ID数量PI値×平均単価とか、ここには客数=レシートという概念はなく、IDの世界でぐるぐる回っているだけである。

   これに対し、客数=レシートを用いた世界もこれまで通りしっかり存在する。売上=客数×金額PI値であり、金額PI値=数量PI値×平均単価などがそうで、これも、逆に、ここにはIDは存在せずに、客数=レシートの中で回っており、ID-POS分析と平行に走り、ほぼ、ID-POS分析とシンメトリーで分析が展開される。この2つは、かなり、美しい世界であり、売上を媒介にして左右対称、ここに客数PI値が加わると、左右、上下、奥行き対象、ないしは相似形となる美しい世界が展開されることになる。たとえば、金額PI値=客数PI値×PPI×平均単価に対し、金額PI値=ID客数PI値×ID-PPI×平均単価というようにである。

   さて、ここからが本題であるが、では、この客数PI値とID客数PI値はどのような関係にあるのだろうか。そもそも、客数とはIDと来店頻度の掛け算でできあがった世界であり、実は客数とIDははじめから密接な関係があり、客数(レシート枚数)=ID×来店頻度とあらすことができる。本ブログでは、これまではこの来店頻度を逆数にし、客数PI値とし、来店頻度をあえて定義しなかったが、実は、この来店頻度は何をかくそう、ID客数PI値のことであり、客数(レシート枚数)は客数=ID×ID客数PI値とすることができ、この方がすっきりする。同様に、ID=客数×客数PI値となる。したがって、客数PI値はID客数PI値の逆数となり、この2つを掛けると客数PI値もID客数PI値も消滅し、1となる。ちなみに、ここで客数PI値はID÷客数であり、ID客数PI値は客数÷IDのことである。

   このように、客数PI値は大きく2つ存在し、従来の客数=レシート枚数を分母にした客数PI値とIDを分母においたID客数PI値があり、この2つの客数PI値が通常はそれぞれの世界で活躍しているが、時々、この2つがぶつかり、どちらかの世界に転換したり、時には真正面からぶつかり、消えてしまったりする。客数PI値は、このように実におもしろいダイナミックな動きをしており、実に奥が深く、あじわいのある指標といえよう。

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