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June 06, 2008

ウォルマート、200801決算、スーパーセンターへ集中!

   海外最新決算動向、前回のテスコに続き、第2弾、ウォルマートを取り上げてみたい。ウォルマートの決算は1/31であり、1月期決算となる。まず、売上であるが、3,745.26億ドル(39.37兆円)となり、昨年対比108.6%、既存店は102.0%の成長である。年商約40兆円にもなってまだ成長を続けており、限界がまだまだ見えない状況といえよう。ただ、成長の牽引役となっているのは海外部門に負うところが大きく、前回、本ブログで取り上げたテスコとよく似た状況である。

   この時点でのウォルマートの国内、海外を合わせての総店舗数は7,262店舗であり、海外の店舗数がその内、3,121店舗と約40%強となり、しかも、昨年が2,757店舗であったので、113.20%の成長であり、国内は4,141店舗、昨年は4,022店舗と102.9%であるので、いかに海外の成長が高いかがわかる。ただ、国内4,141店舗の内訳は、スーパーセンターが2,447店舗(昨年2,256店舗:108.4%)、ディスカウントストア971店舗(昨年1,075店舗:90.3%)、サムズクラブ591店舗(昨年579店舗:102.0%)、ネバーフッドマーケット132店舗(昨年112店舗:117.8%)であり、スーパーセンターに成長戦略を絞っているのが特徴といえる。国内全4,141店舗の内、スーパーセンターは2,447店舗であるので、約60%近い構成比となり、ウォルマートは以前のディスカウントストアというイメージではなく、スーパーセンターを主力業態としたチェーンストアというイメージに生まれ変わったといえよう。

   その意味で、なぜ、西友ではGMSをスクラップし、スーパーセンター戦略を全面に押し出した成長戦略をとらなかったか不思議である。情報システム、物流センター、財務上の問題等課題は多々あったとは思うが、アメリカでのこのスーパーセンターへの経営資源の集中度合いを見ると、西友は逆の戦略をとり、結果的に苦戦してしまったように思える。

   ちなみに、ウォルマートがスーパーセンターへ戦略をいつシフトしたかを、ディスカウントストアとの対比で見てみると以下のようである。1998年(スーパーセンター441店、ディスカウントストア1,921店)、1999年(564店127.8%、1,869店97.2%)、2000年(721店127.8%、1,801店96.3%)、2001年(888店123.1%、1,736店96.3%)、2002年(1,066店120.0%、1,647店94.8%)、2003年(1,258店118.0%、1,568店95.2%)、2004年(1,471店116.9%、1,478店舗94.2%)、2005年(1,713店116.4%、1,353店91.5%)、2006年(1,980店115.5%、1,209店89.3%)、2007年(2,256店113.9%、1,075店88.9%)、そして、2008年(2,447店108.4%、971店90.35)である。

   この10年間の推移を見ると、10年前はまだスーパーセンターの方がディスカウントストアより圧倒的に少なかったが、その後、毎年、120%以上の成長をつづけ、6年後の2004年には拮抗し、7年後の2005年にはとうとう店舗数が逆転し、この時点でスーパーセンターがウォルマートの主力業態となった。さらに、その後もスパーセンター主体の成長戦略がとられたことがわかる。その意味でウォルマートは2005年がチェーンストア経営の転換点といえよう。

   ちなみに、ウォルマートのEDLP(エブリデイロープライス)を支えるコスト構造であるが、この10年間の経費比率の推移を見ると、2008年(18.76%)、2007年(18.55%)、2006年(18.04%)、2005年(17.82%)、2004年(17.35%)、2003年(17.29%)、2002年(17.03%)、2001年(16.81%)、2000年(16.42%)、1999年(16.62%)、1998年(16.81%)という推移であり、スーパーセンターへ出店戦略を集中させることにより、経費比率が約2ポイント上昇していることがわかる。それでも18%台で経費が回っているので、かなりのローコスト経営ではあるが、かつてのイメージの16%台というウォルマートの経費比率はもはや不可能となっており、今後は19%台まで上昇すると予想される。いかにディスカウントストアの経費比率が低いか、逆にスーパーセンターの経費比率が意外に高いかがわかる。

   ここで直近、2008年度決算の財務面を見てみたい。ウォルマートの自己資本比率は39.5%(昨年40.6%)であり、意外に低い数字といえる。その要因を出店にかかわる資産面と負債面から見てみると、土地、建物等の出店にかかわる資産は75.5%(昨年72.4%)であり、自己資本ではまかなえない構造となっており、これを負債の主要項目である借入等で賄っており、借入れ比率が21.8%(昨年21.5%)であり、自己資本と合わせると61.4%(昨年62.2%)であり、まだ約10%強、その他の負債で賄っている構造である。今後、さらなる安定成長を目指すためにも、もう少し、自己資本比率を引き上げる必要がありそうである。また、ウォルマートは業態特有の在庫も多く、総資産の21.5%(昨年22.2%)あり、テスコは8.1%であるので、在庫負担も食品スーパーマーケット以外の商品が多いため大きいのが特徴である。

   このように2008年度のウォルマートの決算をみると、年商約40兆円と世界最大の企業となっても依然として成長を続けているのに驚かされる。その最大の要因は成長業態であるスーパーセンターへ経営資源をシフトしたことに加え、同様に成長市場である海外へも積極的に経営資源をシフトしていることにあるといえよう。ただ、その結果、コストが上昇し、自己資本比率がやや厳しい状況にあることが気にかかるが、当面、この方向でさらに成長は可能といえるが、伸び率は鈍化傾向にあり、次の一手がそろそろ必要な時期に来たようにも思える。ウォルマートの次の成長戦略がどのような形で、いつ打ち出されるか、次の一手に注目したい。

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