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June 03, 2008

テスコの決算を見る、2008年2月期、海外が牽引!

   日本の食品スーパーマーケットの2008年度の決算発表がほぼ終了した。本ブログでも速報値を随時取り上げてきたが、ここで番外編として、海外の小売業の今期決算を取り上げてみたい。海外の小売業は寡占化が進んだため、成長戦略が自国から海外へと移りつつある。今回はその中でも海外の売上比率が約25%を超えたテスコの最新の決算状況を見てみたい。テスコは、自国イギリスの売上比率が73.7%であり、ヨーロッパ14.5%、アジア11.7%という状況であるが、伸び率で見ると、アジアが125.6%でトップである。ついでヨーロッパが123.6%、イギリスは106.7%であり、アジアの比重が増しているのが実態である。いまや、成長戦略には海外、特にアジアは不可欠であることがわかる。

   そのテスコの今期、2008年2月期決算の状況であるが、グループ全体の売上は税込みで51,773百万ポンド(約10.78兆円)である。イギリスはいわゆる消費税が高いために、売上も税込み、税抜き両方で公開している。テスコは海外展開もあり、税率がそれぞれ違うが、全体の消費税を単純計算すると109.4%となり、約10%近い消費税である。ちなみに、ここ5年間の税込みの売上推移は昨年、2007年が46,611百万ポンド(約9.7兆円:111.0%)、2006年が43,137百万ポンド(8.9兆円:108.0%)、2005年が36,957百万ポンド(約7.7兆円:116.7%)、そして、2004年が33,557百万ポンド(6.9兆円:110.1%)とほぼ2桁の成長を続けている。特に、5年前と直近とを比較してみると、イギリスは140.8%、ヨーロッパは203.0%、アジアは208.0%とヨーロッパ、アジアが倍増しており、成長戦略の重点がイギリスから、ヨーロッパ、アジアへシフトしつつあることがわかる。

   また、テスコの営業利益を、今度は税抜きで見ると、全体では2,791百万ポンド( 約5,800億円:5.9%)であり、日本の食品スーパーマーケット業界と比較するとトップクラスの収益率である。ヨーロッパは400百万ポンド(約830億円:5.8%)、そして、アジアは294百万ポンド(約600億円:5.3%)であり、営業利益ではややアジアが苦戦しているといえよう。

   一方、テスコの財務状況であるが、今期の自己資本比率は39.5%(昨年42.6%)と若干、下がっているのが気になるところである。その要因を資産と負債面から見てみると、出店にかかわる資産である土地、建物の合計は20,899百万ポンド(約4.3兆円)で総資産の69.3%(昨年71.9%)を占めており、自己資本比率の39.5%を大きく超える構造となっている。ちなみに、これをテスコの海外を含めた全3,729店舗で割ると、約11.5億円であり、日本の食品スーパーマーケットの平均と比べると約2倍ぐらいの出店にかかわる資産であり、ほぼ、スーパーセンタークラスに近い数字といえよう。また、負債については、長短借入金額の合計が8,056百万ポンド(約1.7兆円)となり、総資産の約26.7%(昨年23.0%)である。したがって、自己資本比率39.5%にこれを加えると66.2%となり、ほぼ、バランスがとれ、約40%を借入に依存した出店構造といえる。また、在庫に関しては、2,430百万ポンド(約5,000億円)であり、総資産の8.1%(昨年7.8%)である。テスコの主力業態は食品スーパーマーケットであるが、日本のように生鮮、デリ、日配等の構成比は低いといえ、やや、在庫資産も日本の食品スーパーマーケットよりも大きめといえよう。

   さて、ここで、テスコの成長著しいアジアについて、見てみたい。アジアの成長を牽引しているのは韓国とタイであるという。この2つの国が現在、テスコのアジアの成長の拠点となっているという。そして、今後、マレイシア、中国へ力を入れて行くという。特に中国については、主導権をとるべく、各都市へハイパーマーケットを中心に展開しているという。上海、北京、深圳、広州を拠点とし、すでにハイパーマーケットを56店舗展開しているという。一方、日本につてだが、残念ながら、日本はアジアの中でも重点エリアはなっておらず、依然として難しい状況であるという。テスコエクスプレスに絞り、現在、ビジネスを展開し、7店舗を出店したが、今期は再度マネジメント体制を見直し、成長戦略を練り直すという。

   これに対し、今期、最も力を入れた海外戦略がアメリカであるが、アメリカでは昨年の11月に小型食品スーパーマーケットのFresh & Easyを出店し、この決算期内の2月末までに60店舗を出店したという。今後、アメリカ市場がアジアについで、重要な成長市場となる可能性が高くなってきたといえよう。

   最後に、テスコのここ最近の株価であるが、5/30現在417.80ポンド(約86,900円)であり、この決算後の3月以降株価は上昇気味で推移している。ただ、昨年末は490ポンド前後で推移しており、その時から、ちょうど決算月の2月まで株価は下がり続けており、ここへきての反転であり、今後、近々に第1四半期決算が公表されるであろうが、それを受けて株価がどの変で落ち着くかが気になるところである。

   このようにテスコの今期2008年2月期の決算は増収増益の好決算となり、特に、アジア地区がヨーロッパ以上に伸びているのが特徴といえよう。今後、今期、参入したアメリカが貢献してくれば、テスコにおける海外市場は現在の約25%から、さらに比率を増してくるものといえ、海外市場がテスコにとって成長戦略にとって重要な地位をしめつつあるといえる。ただ、日本は苦戦しているようであり、今後、抜本的な見直し、場合によってはM&Aに踏み切る可能性もあり、テスコが今期、日本でどのような立て直しをはかるかも注目である。今後のテスコの日本を含む、海外戦略に注目したい。

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