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June 01, 2008

2008年4月度のCPI(消費者物価指数)を見る!

   5/30、総務省統計局から、CPI(消費者物価指数)、最新版2008年4月度が公表された。概要は、以下の3点である。(1) 総合指数は平成17 年を100 として100.9 となり、前月比は0.1%の下落。前年同月比は0.8%の上昇となった。(2) 生鮮食品を除く総合指数は100.8 となり、前月と同水準。前年同月比は0.9%の上昇となった。(3) 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は99.3 となり、前月比は0.2%の上昇。前年同月比は0.1%の下落となった。要は、3月度よりはCPIはやや下がったが、昨年と比べると、1%弱上昇気味であり、特に食品、エネルギーの値上げが大きいということである。逆に見ると、食品、エネルギー以外はCPIは若干下落しているという状況である。

   以上が、概要であるが、もう少し、詳しく内容を見てみたい。CPIは平成17年度(2005年)を100とした場合の物価上昇率を示す指標であるが、基本を10の項目に分けて毎月調査をしている。その10の項目とは、食料、住居、光熱 ・水道、家 具 ・家事用品、被服及び履物、保健・医療、交 通 ・通信、教育、教養・娯楽、諸雑費である。この中でCPIが上昇したものは食料の102.6%、光熱・水道の109.2%、被服及び履物の103.2%、教育の102.3、諸雑費の102.0%である。食料は値上げ問題まっさい中であるが、大幅な上昇ではなく、被服及び履物の方が上昇幅は大きいといえる。ただ、さすがに、光熱・水道は109.2%と2桁近い上昇であり、かなりのインパクトといえよう。

   さらに、この10大項目の中身を見てみると、光熱・水道の中でも、異常な価格上昇となった項目を同年同月比で見てみると、灯油の28.5%が異常値である。ついで、プロパンガス8.4%、電気代3.5%、都市ガス3.4%である。また、この時期、ガソリンはちょうど値下げが行われたため、-14.4%となっているが、これだけガソリンが下がったにもかかわらず、石油製品としては、灯油、プロパンガス等が下がらなかったため、6.9%の上昇となっている。それでも3月度のガソリン19.0%、石油製品18.2%と比べると、かなり下がったとはいえるが、全体としては、光熱・水道に関しての価格は昨年と比べると上昇気味で推移しているといえよう。5月以降はガソリンももとにもどり、さらに石油相場の上昇により、値上げ傾向が続いており、また、3月なみ、あるいは、それ以上の数字となる可能性が高いといえよう。

   一方、食料についてであるが、その細目を見てみてみると、これも前年同月比で見てみると、最も大きな項目は穀物、肉類、調理食品、菓子である。また、外食も上昇気味で推移している。その中身をもう少し細かく見てみると、穀物では、スパゲティ30.2%、即席麺18.4%、食パン10.8%である。肉類では鶏肉9.1%、ソーセージ7.1%、牛肉B(輸入品、チルド牛肉)6.8%である。調理食品、すなわち、惣菜では、うなぎかば焼き11.1%、冷凍調理コロッケ6.0%、調理パン5.1%である。そして、菓子類では、落花生10.1%、キャンデー7.8%、ケーキ7.1%である。

   ただ、逆に前年同月比で大きく下がっているものもある。典型的なのが教養娯楽用耐久財であり、具体的にはパソコン(ノート型)-38.8%、カメラ-28.1%、テレビ(薄型)-19.3%、パソコン(デスクトップ)-18.9%などである。また、自動車保険料も-26.6%も大きく下がったもののひとつである。これらは食料、光熱・水道と比べると全く逆の動きであり、逆の意味で厳しい状況であるといえよう。

   ここで、食料について、さらに詳しく見てみると、前年同月比で下がった項目は、米類が-2.2%と下がっており、小麦関連とは対照的な動きをしている。それ以上に下がっているのが果物であり、-4.4%である。その中でもオレンジ-26.5%、レモン-10.3%、キウイフルーツ-5.6%、バナナ-3.0%と輸入関連が軒並み下がっている。さらに、飲料についてもコーヒー飲料が-2.0%、果樹入り飲料-2.3%、野菜ジュース-2.2%、炭酸飲料-2.0%、ミネラルウォータ-3.0%と下がっている。酒についても、焼酎、ビールは値上げがあり、上昇気味であるが、ぶどう酒(ワイン)は-1.4%と下がっている。

  また、外食についても少し細かく見てみると、外食全体は1.4%と前年同月比では上昇気味で推移しているが、その中で上昇幅が大きいものは、ドーナッツの10.7%、ハンバーガーの9.2%が突出しており、ついで、回転すし・うどんの1.8%となる。逆に、下がったものは、牛どんの-2.5%、えびフライの-0.5%のみであり、外食もここへきて、値上げの影響が大きくなりつつあるといえよう。

  このように食品でも全体が上昇しているわけではなく、逆に下がっている項目もあり、全体は102.6%と上昇気味で推移し、小麦関連の項目が全体を押しあげているが、米類、果物、飲料では逆に全体を押し下げる項目もあり、全体が102.6%でとどまっているといえよう。ただ、今後、資源エネルギー関連はさらに値上げの様相を呈し、食品は4月以降、続々と第2弾の値上げに入りつつあり、予断を許さない状況が続いており、全体としてはさらに上昇する可能性が高まってきているといえよう。来月以降のCPIの動向からも目が離せない状況が続くといえよう。

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