パワーカテゴリー2008、チェーンストアエイジで公表!
年2回公表されているチェーンストアエイジのパワーカテゴリー、2008年度版が6/15号で公表された。今回は、2007年10月から2008年3月までの6ケ月間の注目カテゴリーのランキングであり、TOPNAVI-NETのPOS分析からPI値にもとづいて、食品・菓子(21)、酒(8)、雑貨(17)の3つ部門、46カテゴリーのそれぞれの単品ランキングである。原則、PI値の対前年月別推移、PI値の地域別、そして、カテゴリー内売上シェアトップ20品のデータが公開されており、コメントとしては、売上の構造、直近の販売トレンド、成長のための視点の3つの角度から解説された内容である。
今回は特に、今年度の3月度までのデータが入っており、ちょうど、値上げ問題とぶつかっており、値上げ前の昨年と値上げ後の今年の違いを見る上にも貴重な分析データであるといえよう。そこで、まず、3月のPI値をもとに、値上げ後、PI値が大きく上がったカテゴリー、下がったカテゴリーを見てみたい。
3月度、PI値が上がったカテゴリーを見てみると、畜肉ハム29.73(昨年24.66)、魚肉ソーセージ18.25(12.31)、風味調味料11.07(9.55)、漬物83.36(75.50)、ルウカレー29.83(26.62)、スパゲティ16.49(15.43)、お茶漬の素6.18(4.92)、低カロリー甘味料1.32(1.20)、食パン125.77(114.09)、コーヒードリンク76.14(67.48)、インスタントコーヒー16.27(14.51)簡易抽出型コーヒー7.38(7.00)、ガム28.77(26.95)、マヨネーズ21.61(17.81)、ビール32.82(31.03)、発泡酒35.72(32.19)、日本酒20.71(18.91)、本格焼酎8.80(7.84)、ティッシュペーパー17.94(15.41)、除湿剤0.36(0.29)、キャットフード14.38(13.95)の21カテゴリーであり、ほぼ半分を占めた。
これら全部が値上げと関連した商品ではないものもあるが、3月度、明らかに昨年と比べ跳ね上がったカテゴリーである。意外なのは、畜肉ハム、食パン、スパゲティ、マヨネーズ、ビール、発泡酒は明らかに値上げ後の商品が大半を占めていると思われるが、金額PI値ではなく、PI値があがっていることである。4月、5月以降のPI値もあがっているかどうか、この時点ではわからないが、3月時点では、PI値が明らかに上昇しており、値上げがむしろ食品スーパーマーケットにとって有利に働いたカテゴリーといえよう。最近のデータでは、多くの値上商品でPI値ダウン、平均単価アップ、金額PI値アップという傾向が多いので、この時期は値上げ初期といえ、消費者も買い控えすることなく、これらのカテゴリーに関しては、しっかり購入していたといえよう。
逆に、3月度、PI値が下がったカテゴリーを見てみると、インスタントカップめん137.12(昨年126.67)、新ジャンルアルコール22.50(20.51)、子ども用紙オムツ1.59(1.55)、トイレ用芳香剤1.51(1.37)、室内用芳香剤1.75(1.58)、乾電池3.64(3.25)と6カテゴリーと少ないのが特徴であり、残り、19カテゴリーは横ばいといえ、全体としては3月度のPI値は上昇ぎみで推移しているといえよう。この3月度、PI値が下がったカテゴリーの中では、インスタントカップめんがまさに値上げと関連する商品といえ、グラフを見ると、1月からPI値が激減しており、逆に12月まではPI値が上がっているので、まさに、値上が本格的にはじまった1月がPI値の転機であったといえよう。最近の動向を見ると、PI値のダウンはさらにすすみつつあり、平均単価は逆にさらにあがり、結果、PI値のダウンと平均単価の上昇のバランスがとれ、金額PI値は昨年ぎみの数字となっているのが実態である。今回の資料には掲載されていなかったが、これとは対照的に袋めんが現在、絶好調であり、インスタントめんは消費動向が激変しているといえよう。
もうひとつ、今回のパワーカテゴリー2008で売上シェアの傾向が寡占状況のカテゴリーと分散傾向の強いカテゴリーを見てみたい。まず、寡占傾向が強いカテゴリーであるが、魚肉ソーセージ(上位5品で41.05%)、お茶漬の素(59.27%)、低カロリー甘味料(44.13%)、ドリンク剤(46.19%)、インスタントコーヒー(44.25%)、ムク(板)チョコレート(65.1%)、マヨネーズ(55.5%)、ビール(40.74%)、ティッシュペーパー(57.0%)防虫剤(40.21%)、除湿剤(62.91%)、ローソク(40.41%)、線香(50.46%)、接着剤(54.52%)と上位5品で40%以上のシェアの高いカテゴリーを見てみたが、意外に雑貨が多いのが特徴である。逆に、分散型のカテゴリーを見てみると、No.1が1%台のカテゴリーが分散型と定義すれば、食品・菓子部門、酒部門では0である。こちらも雑貨部門が中心となり、ドックフード(1.18%:No.1商品)、キャットフード(1.77%)の2つのカテゴリーのみである。こう見ると、カテゴリー全体としてみると、分散型商品は少なく、大半が上位に集中するカテゴリーであったといえる。
このように、今回のチェーンストアエイジ6/15のパワーカテゴリー特集は、たまたま値上げ問題とかぶった月が対象となり、興味深い結果が浮かび上がっているといえよう。また、各カテゴリーの上位集中度が意外に高いカテゴリーが多かったのも特徴といえよう。いま、食品スーパーマーケットは値上げ、安心安全問題が同時に主要課題となる環境となり、めまぐるしく商品動向が変化しており、その意味で今回のパワーカテゴリーは興味深い結果となったといえよう。次回、6ケ月後の結果も興味のあるところであり、各カテゴリーがどのように動くかに注目したい。
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