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June 05, 2008

Chain Store Age、6/01号、焼酎のPOS分析記事を投稿!

   Chain Store Age、6/1号に焼酎のPOS分析記事を投稿した。以前、同誌に投稿したワインのPOS分析につぐ、第2弾となる記事である。タイトルは、「焼酎売場活性化のチャンス、品揃えの見直しが売上を飛躍的に変える!」、「甲、乙、混和、その重点商品と品揃えの実態をPOSデータから見る」であり、焼酎のPOS分析について真正面から取り組んだ内容である。ページ数も今回は4ページであるので、POS分析結果もかなりのスペースを割いて掲載でき、焼酎の現状を単品レベルで理解できるのではないかと思う。また、今回のPOS分析は昨年の9月、10月、11月のTOPNAVI提供の3ケ月間の累計データを活用しているので、まさに、これから旬を迎える焼酎の今期の品揃えに活かせるのではと思う。

   チェーンストアにおけるPOS分析の基本は単品においては、全体の金額PI値とその商品を扱かっている店舗のみの金額PI値に分けて考えることである。この2つの指標は、客数PI値で媒介され、数式では、金額PI総店=客数PI値×金額PI扱店となり、客数PI値=扱い店舗の客数÷全体の客数である。その商品が全店に導入されていれば、客数PI値=1となり、金額PI総店=金額PI扱店となるが、実際のチェーンストアでは重点商品以外ではバラつくことが多く、金額PI値も双方を見極める必要がある。今回の焼酎でも約400店舗の店舗間のバラつきはすごいものがあり、客数PI値5%で切っても全店舗での共通の商品はわずか数パーセントという状況であった。特に、乙類は全部で2,476品もあり、客数PI値5%以上の商品はわずか96品という状況である。

   焼酎には製法上の違いから甲類、乙類、混和があるが、特に、乙類の品揃えが豊富である。本格焼酎といわれるように、麦、芋、米などを原料に様々な工夫が凝らされ、地産地消の典型的な商品といえ、各地で大メーカーはもちろん、中小メーカーがしのぎを削り、豊富な品揃えとなっている。ただ、食品スーパーマーケットでは、あまりに品揃えが多いために、商品選定が難しく、判断基準がなかなか見いだせないのが実情である。今回は、金額PI総店=客数PI値×金額PI扱店の数式にもとづき、焼酎の全商品約3,000品目の中から、重点商品を選定し、その一覧を掲載した。

   甲類に関しては約500品の中から、客数PI値5%以上、金額PI扱店1,000円以上のものをA、500円以上のものをB、客数PI値0.5%以上5%未満、金額PI値1,000円以上のものをCとし、その全品76品を掲載した。同様に、乙類もA、B、Cの全41品を掲載した。これが焼酎約3,000品目の中でのPOS分析から得られる最重点商品候補といえよう。また、乙類に関しては、これに加え、Eランク、客数PI値は低いが、金額PI扱店は高い商品をさらにピックアップし、誌面に掲載した。乙類はいかに多くの店舗で扱っているかよりも、扱い店舗は少なくとも、その店舗でしっかり支持されている商品の方が重要度が高いと判断したためである。

   そして、今回は最近注目度が高まっている混和についてもPOS分析を試みた。混和はまだ10%弱のシェアであるが、ここへきて焼酎にも値上げ問題が起こり、特に麦関連は価格が上がりはじめている。混和はその意味で比較的お手頃価格であり、なおかつ、本格焼酎の香りも味わうことができ、甲と乙のまさに中間をゆく商品といえ、POS分析を試みてみた。

   今回、焼酎のPOS分析を試みて感じたことは、ちょうど、現在連載しているChain Store AgeのPOS分析実践講座の第1回の時取り上げた食パンと菓子パンの話と全く同じ構図となり、びっくりしたことである。食パンに当たるのが甲類であり、菓子パンに当たるのが乙類であり、この2つは製法上の違いだけにとどまらず、消費構造の違いにまで発展していることである。まさに、乙類は菓子パンそのものといえ、マーチャンダイジングについても、同様に、重点商品の強化に加え、品揃えの充実がポイントなることである。さらに、乙類は、今回、誌面に掲載したが、ml単価と内容量のグラフが示すように、ml単価が豊富であり、これは、乙類のマーチャンダイジングには、プライスラインを明確にしたマーチャンダイジングがポイントになることを示しているといえる。単に品揃えを増やすだけでなく、プライスラインごとに、品揃えを強化することがポイントになる。誌面の都合上、プライスラインごとの品揃えは掲載することができなかったが、乙類はプライスラインマーチャンダイジングがもうひとつの決め手といえよう。

   また、今回、割愛したデータで、家計調査データの分析がある。直近の4月度のデータを見ても焼酎の20.53円(昨対106.9%)に対して、清酒は16.90円(昨対97.1%)と日本酒をはるかに上回っており、焼酎が特に若い層を中心に支持が広がり、今後、値上げ問題もからみ、酒の中では注目のカテゴリーといえよう。

   このように焼酎をPOS分析するとかなり明確なマーチャンダイジングの方針が明らかになり、まさに、今回のタイトル通り、「焼酎売場活性化のチャンス、品揃えの見直しが売上を飛躍的に変える!」ことが実現可能であると感じる。この秋の品揃えは是非、このPOS分析のデータをもとに売場を見直し、飛躍的な売上アップを目指して欲しい。

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