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June 02, 2008

Chain Store Age、6/01号、POS分析で売場改革、第3弾!

   Chain Store Ageへの連載も第3回目を迎え、今回はカップめんの話である。今回カップめんを取り上げたのは、前2回の連載のPOS分析のテーマが品揃えの分析方法、時間軸の活用の仕方であったので、この3回目はPI値と平均単価の分析手法を取り上げたかったからである。金額PI値=PI値×平均単価であるので、金額PI値はPI値と平均単価の関係で決まり、PI値だけが上がっても、逆に平均単価だけが上がっても金額PI値があがるかどうかは保証されず、その微妙な関係で金額PI値は上昇する。今回、事例にカップめんを取り上げたのは、まさに、カップめんが値上げ問題の典型的な商品であり、その影響、すなわち、平均単価のアップがPI値にどのように影響を与え、金額PI値がどのように変化したのかを見極めたかったからである。

   結論からいうと、カップめん全体の金額PI値は上昇した。その要因は本文の図表3に示したように、金額PI値108.4%アップ、PI値92.4%ダウン、平均単価117.3%アップとなり、平均単価の上昇分ほど、PI値が下がらず、結果、金額PI値がプラスに転じたということが、カップめんでは起こったということである。今回の値上げ商品の多くに、カップめん同様に、このような現象が起こっており、食品スーパーマーケットにとって、値上げは、スタート時点では、金額PI値ではプラスに働いているといえる。ただ、この構造が今後継続されるのか、それとも、PI値がさらに落ち込むかは予断を許さない状況が続いているといえ、仮に、もう一段の値上げが起こると、PI値が大きく落ち込み、いつ、金額PI値がダウンしてもおかしくない不安定な状況ともいえよう。

   今回、カップ麺全体だけでなく、カップヌードルだけについても分析してみたが、分析してみて、カップヌードルが約30種類もあることをはじめて知った。店頭ではせいぜい10種類ぐらいのカップヌードルしか見ないので、わからなかったが、改めてカップめんを全品分析してみると、カップヌードルに限らず、改めて気づくことが多かった。図表1も作成してみ以外だった。この図表は、これまで3回ともPOS分析の定番として登場させているが、カップめんのA、B、Cランクが全906品の内、わずか26品しなく、しかも、全体の金額PI総店の33.2%というのも意外だった。カップめんはいかに品揃えのバラツキが大きいかを示しており、典型的な菓子パン型商品といえる。重点商品だけでは、売上を確保することは難しく、品揃えをどこまで、どのように揃えるかが決めてとなる典型的な商品といえる。

   その意味でこれまで日清のカップヌードルとシーフードヌードルがあまりに偉大な商品だったので、本来のカップめんの姿がこの2品に隠れ、カップめんの潜在能力がいかしきれていなかったようにも思える。今回値上げにより、この偉大な2品の平均単価が大きく上昇したことにより、カップめん本来の品揃えの重要性が逆にクローズアップされ、むしろ正常に近い構造になりつつあるようにPOS分析をして見て感じた。

   実際、値上げになる昨年後半からの日清食品の新商品ラッシュはすごいものがあった。日清食品の長い歴史の中でもこれだけ、矢次ばやに新商品を集中的に投入したことはなかったのではないだろうか。今週の日経MJの新製品週間ランキングの中でも、ミルクカレーがその他食品トップに来ており、しかも、金額PI値は760円であり、このChain Store Ageの記事のデータと比較すると、べスト3に入る数字であり、大化けする可能性もあるといえよう。結果、カップヌードル、シーフードヌードルは昨年のAランクからBランクに転落するが、大量の新商品でカバーし、カップヌードル約30種類の合計は113.2%と昨年を大きく上回っており、新商品戦略は結果として、成功したといえよう。これで、カップヌードルも本来の品揃えが重要であることが実証されたといえよう。その意味で、今回のカップめんの値上げは、新商品を誘発し、本来の品揃えの重要性を改めて示す機会となったという意味ではプラスの面もあるといえよう。

   ただ、Chain Store Ageの図表2で見るように、C、E、Fランク以外のすべてのランクでPI値が左、すなわち、下がっており、これはカップヌードル全約30品でも同様な傾向であり、今後、数量問題は小売業では金額面でカバーできるので、大きな問題にはならないと思うが、メーカーにとっては、確実に生産量が減ることになり、工場の回転率が減り、生産調整を余儀なくされる可能性が高く、これからが正念場といえよう。今回のPOS分析結果から見ても約10%の数量減であり、一律10%ということはないと思うので、ある工場は110%、120%、逆にある工場は70%、50%も起こりうる話であり、これがPBの誘発にもなり、めぐりめぐって、価格が、逆に下がりはじめることもないとはいえず、今後、どのようにカップめんが動いてゆくか予測が難しいと状況といえよう。

   このように、今回、Chain Store Ageで3月度のほぼ値上げが浸透したカップめんのPOS分析を試みてみたが、第一段階の結論はおおよそ、平均単価120%アップ、PI値90%へダウン、結果、金額PI値110%アップということになったが、この状況が維持されるとは思えず、次の展開がどちらに転ぶかが予測できない状況であり、次の、3ケ月後、そして、6ケ後、さらには、1年後にどのような変化があるか、注意深く見守ってゆきたい。

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