Chain Store Age、7/01号、POS分析で売場改革、第4弾!
いよいよ、Chain Store Age での「POS分析で売場改革」、実践講座も7/01号で第4弾となった。今回から、POSデータも特定店舗の生データを活用しての分析となり、そのまま、その店舗で活用できる分析内容を目指している。今回の商品はビールとウィスキーであり、その重点商品を実際にPOS分析してみた。特に、前回、PI値と平均単価の関係を解説したので、今回はさらに、その内容を深め、金額PI値=PI値×平均単価というマーチャンダイジングの根幹の公式をもとに、ビールとウィスキーでPOS分析を試みた。
マーチャンダイジングとは何かをつきつめてゆくと、金額PI値=PI値×平均単価につきあたる。そもそも、マーチャンダイジングはどこからはじまるかであるが、それは顧客と商品との接点からはじまる。食品スーパーマーケットには約10,000の商品が売場で展開されており、顧客は1日平均約2,000人が来店している。したがって、食品スーパーマーケットでは、毎日、約2,000人の顧客が約10,000の商品の中から生活に必要な商品をピックアップし、レジでお金と商品を交換している。マーチャンダイジングとは、この商品とお金の変換にあたって、可能な限り、お金をいただけるような商品政策を作り、これを実行に移すことである。そして、そのためには、商品とお金の関係を分析し、1円でも多く、お金がいただける仕組みをつくることがポイントとなる。その分析手法がPOS分析であり、これまで、様々なPOS分析が試みられてきたが、今回は、その中でも、最も基本となるPOS分析を解説した。
商品とお金との関係は売上から始まる。売上には売上金額と売上数量があるが、この2つは売上金額=売上数量×平均単価(売上金額÷売上数量)で関係づけられる。初期の頃のPOS分析はこの数式で分析していた。ところがこれでは、単独店の場合はともかく、チェーンストアの場合は売上金額が客数により、まちまちとなり、分析が難しく、これを客数で割ったPI値が活用されるようになった。すなわち、売上金額=売上数量×平均単価の双方を客数で割り、金額PI値=PI値×平均単価である。これが、顧客と商品との接点をお金で説明した基本数式であり、POS分析の根幹の数式である。
したがって、食品スーパーマーケットにおけるPOS分析とは、約10,000の全商品をこの金額PI値=PI値×平均単価に分解することからはじまる。今回のChain Store Age、7/01号では、ビールとウィスキーの全品を分解し、その中から、重点商品についてグラフ化して分析しやすいようにし、解説を加えたものであるが、POS分析とは、まさに、金額PI値=PI値×平均単価への分解から始まるといっても過言ではない。
しかも、今回、金額PI値の評価方法をも示したが、金額PI値はPI値×平均単価であるので、これを図表1に示したように、6象限で分析することが可能となり、AからFまでの6つの評価が可能となる。実際、これを図表2ではビールについて、重点商品16品の評価とグラフ化を、同様に図表3ではウィスキーの重点商品12品の評価とグラフ化を試みたが、どちらも、y=1/x上にすべての重点商品が並ぶ結果となった。
そして、マーチャンダイジングとはこの中心点、ビールの場合はPI値1.68個、平均単価1,290円を通る、金額PI値2,171.8円をいかに増加させるかがマーチャンダイジングそのものであるといえる。ウィスキーも同様に、PI値0.79個、平均単価1,495円を通る、金額PI値98.57円をいかに大きくするかがマーチャンダイジングそのものである。もし、何らかのマーチャンダイジング政策(仮説)を立案し、アクションを起こした結果、ビールでいえば、金額PI値2,171.8円、ウィスキーでいえば、金額PI値98.57円より、数字が上がれば、マーチャンダイジングは成功、下がれば失敗と判断し、再度、マーチャンダイジング政策を見直し、新たな仮説を立てる必要がある。
今回のPOSデータは実際の特定の食品スーパーマーケットのデータであるが、ビールもウィスキーも興味深い結果となった。グラフを見ると、どちらも右下に金額PI値の大きな円、すなわち、金額PI値の高い商品、ビールはアサヒスーパードライ6缶350ml、ウィスキーではサントリーウィスキー角瓶レギュラー700mlがきた。同様に、左上に金額PI値の大きな円、すなわち、ビールではアサヒスーパードライ350箱350ml×24、ウィスキーではサントリーウィスキー角瓶ジャンボ1920mlが来ており、この両極端の重点商品がマーチャンダイジングの鍵を握っていることが分析できた。特に、ウィスキーは右下よりも左上の商品、平均単価の高い商品がマーチャンダイジングを強化するポイントであるのに対し、ビールは右下のPI値の高い商品も左上の平均単価の高い商品もバランスよく強化することがポイントであることがわかる。
POS分析とはこのように、商品1品1品を金額PI値=PI値×平均単価に分解することからはじまる。そして、その数表とグラフとをじっと眺めることにより、マーチャンダイジング改善の仮説が次々とイメージ化され、マーチャンダイジングの目的である金額PI値を引き上げる課題の商品とその具体策が見えてくるものである。次回も、さらに踏み込んだPOS分析を試みてみたい。
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