CPI(消費者物価指数)、2008年5月度、101.7%!
CPI(消費者物価指数)が上がりはじめた。6/27、総務省統計局が公表したCPIを見ると、101.7%と前月比0.8%の上昇となった。前年比で見ると、101.3%(生鮮食料品を除くと101.5%)となり、上昇に転じ始めたといえよう。実際に、この3年間のグラフを見ると、明らかに、この1月からCPIが上昇しており、しかも、今回公表された5月度は最高の上昇率となった。ただ、グラフは3つ公開されており、総合指数、生鮮食品を除く指数の動き、そして、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数であるが、この内、前の2つは上昇率が明確であるが、最後のグラフはむしろ下がっており、今回のCPIの上昇は明らかに、食料、エネルギーの急激な高騰によるものであるが、今後、全体のCPIの上昇につながりかねないともいえ、厳しい消費環境が予想される。
そこで、まず食料の主な項目について、前年同月比の高いものを見てみると、スパゲティ32.2%(前月30.2%)、チーズ27.7%(27.7%)、チョコレート23.2%(1.3%)、即席めん20.7%(18.4%)、食用油16.6%(13.4%)、うなぎかば焼14.6%(11.1%)、マヨネーズ13.0%(16.0%)、マーガリン12.2%(13.3%)、落花生12.2%(10.1%)、食パン12.0%(10.8%)という状況である。チョコレートは今月から大幅な値上げとなっており、それ以外は先月に続いて高値が続いている状況である。
同様にエネルギー関連を見ると、灯油27.6%(前月28.5%)、ガソリン18.0%(0.7%)、プロパンガス8.6%(8.4%)、電気代3.5%(3.5%)、都市ガス代3.0%(3.4%)とガソリン代は国会で法案が再可決されたことにより、もとにもどっており、エネルギー関連は全般的に高値が続いている。これに伴い、交通関連も値上げが起こっており、航空運賃7.4%(前月5.1%)、タクシー代5.6%(5.9%)である。ただ、移動電話通話料は-0.1%(-0.1%)と若干下がっており、自動車保険料(自賠責)は-26.6%(-26.6%)と大きく下がっている。
また、これら3大項目が大きく消費者物価指数を押し上げているといえるが、全体のCPIが101.7%でとどまっているのは、耐久消費財が逆に大きく下がっており、これでバランスがとられちているためといえよう。たとえば、パソコン(ノート型)-36.0%(前月-38.8%)、カメラ-27.8%(-28.1%)、テレビ(薄型)-20.7%(-19.3%)、パソコン(デスクトップ型)-19.6%(-18.9%)という大幅に価格が下がっている状況であり、食品、資源、エネルギー関連の動きとは対照的な動きとなっている。
ここで、さらに細かく、CPI(消費者物価指数)で見て、上昇率が高いものを見てみたい。まず、CPIが115%以上、上昇したのは、さといも178.7%、灯油155.9%、自動車バッテリー140.5%、チーズ140.1%、指輪135.6%、すいか135.5%、レモン134.0%、はくさい131.9%、ガソリン128.6%、かぼちゃ128.3%、にんじん127.2%、ごぼう126.2%、スパゲッティ126.1%、ブラウス(半袖)125.5%、れんこん124.7%、チョコレート122.3%、うなぎかば焼き121.2%、ねぎ120.6%、かつお120.4%、冷凍調理コロッケ119.9%、出産入院料(国立)119.7%、外国パック旅行118.7%、たい117.8%、メロン117.3%、婦人セーター(半袖)117.3%、即席めん117.1%、プロパンガス116.0%、スカート(春夏物)115.9%、女児スカート(夏物)115.0% の29項目である。気になるのは、いわゆる野菜の中でも土ものといわれる、さといもがトップ、それ以外にもにんじん、ごぼう、れんこんがあり、野菜の中でも明暗がわかれている状況である。また、意外なものとして、指輪、ブラウス(半袖)、婦人セーター(半袖)、スカート(春夏物)、女児スカート(夏物)、出産入院料(国立)なども大きくCPIが上昇している。
これに対し、CPIが大きく下がり、85%以下となったものについては、パソコン(ノート型) 38.1%、カメラ40.8%、パソコン用プリンタ45.9%、テレビ(薄型)47.8%、DVDレコーダー56.9%、パソコン(デスクトップ型) 57.5%、ビデオカメラ59.7%、電気洗濯機(洗濯乾燥機)69.0%、ステレオセット71.3%、電気冷蔵庫71.6%、電子レンジ73.4%、電気洗濯機(全自動洗濯機)73.9%、自動車保険料(自賠責)77.4%、レタス78.7%、カーナビゲーション78.9%、家庭用ゲーム機(携帯型)81.0%、家庭用ゲーム機(据置型) TV 81.3%、録画用DVD81.7%、移動電話機82.3%、いちご82.4%、固定電話機 83.3%、電気掃除機83.6%、ルームエアコン84.9%、ゴルフクラブ85.1%、の24項目である。食品関連ではレタス、いちごが入っているが、それ以外は家電関連が圧倒的に多いのが特徴といえよう。
このように、この5月度のCPIはここ最近では最大の上昇率となり、101.7%(前年同月比101.5%)となった。ただ、この中にはCPIが大きく下がった家電関連も含まれているので、食料品、資源、エネルギーのみに絞った場合はさらに上昇率は高くなるといえよう。ちなみに、食品のみでは103.3%であり、光熱・水道費では109.6%であり、この2部門は平均の101.7%を大きく上回っており、インフレの様相を呈してきたといえよう。来月以降も値上げはさらに予想されており、今後、CPIがどこまで上昇するのか、予断を許さない消費動向が続くといえよう。
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