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June 11, 2008

オークワ、パレをM&A、フェニックスが譲渡!

  オークワの株が動き始めた。6/10、午前の株価は1,567円(+62円、+4.11%)と上昇し、これまで、1,500円前後で、推移していた株価がこの日、午前、上昇した。 6/9、オークワの取締役会で正式にパレの株式を取得し、子会社化することが決議されたことを受けての株価の動きと思われる。オークワの株価は前期決算終了後ぐらいから株価が上がりはじめ、4/3に公表された2008年2月期決算では増収増益の好決算となり、さらに株価が上昇、決算前は一時、1,000円近辺まで下がっていたが、決算以降は1,500円まで上昇した。ただ、その後、4月上旬以降は、1,500円前後で、ほぼ、2ケ月間横ばいを続けていたのが、今回のパレへのM&Aが好感されてか、6/10、午前の株価は上昇した。ただ、この日、最終の株価は1,535円 (+30円、+1.99%)とやや落ち着いたが、結果、約2%の上昇といえ、今後の株価の動向が注目される。

   そのパレとの合意内容であるが、パレは投資ファンド、フェニックスキャピタルのもとで経営再建中であったが、そのフェニックスキャピタル(72.4%)をはじめ、大株主の名古屋鉄道(21.8%)、三井物産(5.0%)から株式の99.4%を取得し、完全子会社とするという。取得金額は70億円(49,400株)であるので、単純に比率で計算するとフェニックスキャピタル50.68億円、名古屋鉄道15.26億円、三井物産3.5億円となる。フェニックスファンドは2005年に約20億円強の投資をパレへ行っているので、単純計算で3年で2倍強の投資回収率であり、オークワとのスムーズな合意がなされたものと推測される。

   フェニックスキャピタルは、もともと流通関連への投資も積極的であり、市田(きもの、ラルフローレン、東証一部)、津松菱(百貨店)、近商ストア(スーパーマーケット)、さくらや(家電量販)、そして、パレ(スーパーマーケット)への投資実績がある。特に近商ストアに関しては、昨年の7月に近畿日本鉄道へ株式を譲渡し、投資回収を終えており、食品スーパーマーケット業界への投資として、これで、2件が完了することになる。

   パレの直近の決算の数字であるが、2007年8月期は売上高336.87億円(昨年358.40億円:93.9%)と売上は若干下がっているが、当期純利益は4.46億円(昨年2.65億円:168.3%、売上対比1.32%)と大幅に増加しており、利益の回復が見える。また、自己資本比率も45.4%(昨年42.2%)と改善されており、経営が回復基調にあるといえよう。また、パレは現在、17店舗(愛知県14店舗、静岡県2店舗、岐阜県1店舗)を展開しているが、主力業態はパレマルシェという高質食品スーパーマーケットであり、売上総利益は29.5%(昨年28.5%)と通常の食品スーパーマーケットよりは高い粗利率の業態である。

   さて、今回、オークワがパレを子会社化することになったが、オークワは昨年11月に中部・東海エリア初の食品スーパーマーケット愛西プラザ店をNSCタイプでオープンしており、今後、どのように、この地区でのドミナント展開を進めてゆくかが注目されていたが、いきなりのM&Aで17店舗へと拡大し、愛西プラザを基点に18店舗のドミナトができあがったといえる。特に、オークワは最近、高質スーパーの「メッサ」に力を入れるとともに、フランス料理のノウハウを導入した高級惣菜へも挑戦しており、パレの「パレマルシェ」とは相性の良い同質業態といえ、特に、この地区では、得意のディスカウント業態とともに、高質食品スーパーマーケットの展開も積極的に進めてゆくことになろう。

   6/10の日経新聞でも、「愛知の食品スーパー、パレ、オークワ、70億円買収発表」という見出しの記事が掲載された。記事の中ではパレに社長をはじめ、役員を派遣し、仕入を一本化してコスト競争力を高めると同時に、PBの共同開発にも踏み込むという内容である。また、先週の日経でも、「食品スーパー、オークワ、中堅を買収、中部地盤、パレ、イオンなどに対抗」という記事を取り上げているが、その中で、イオン、セブン&アイホールディングスのPB戦略に対抗してゆく意味でも、共同仕入れ機構、ニチリウの中核であるオークワが動いたことが、ニチリウの他の加盟社へも波及するのではと言及している。

   今回のオークワによるパレの完全子会社化は投資ファンド、フェニックスキャピタルが間に入ったことにより、話がスムーズに進んだ感があるが、今後、食品スーパーマーケット業界は、今回のように投資ファンドも含め、M&Aが本格化する環境が整いつつあるといえよう。特に、現在、食品スーパーマーケット業界は各地にオークワとほぼ同規模の100店舗以上、年商2,000億円を超える企業が群雄割拠しており、イオン、セブン&アイホールディンスと対抗する意味でも、さらに、地元および周辺地域のシェアをあげてゆくことが喫緊の経営課題となりつつあるといえる。その意味で、今回のオークワのパレへのM&Aは食品スーパーマーケット業界の本格的なM&Aの序章ともいえる動きといえよう。

   このように、オークワがパレへのM&Aを正式に発表し、中部・東海エリアでの本格的なドミナトの展開がはじまったが、この地区は、地元ユニーをはじめ、イオンのマックスバリュ東海、中部、そして、ユーストア、ヤマナカ、バロー等競合がひしめきあっている地区である。今後、さらなるM&Aを誘発し、北海道のように、食品スーパーマーケット各社が数チェーンへ集約される可能性が高くなったといえ、中部、東海地区の今後の動向に注目である。

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