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June 10, 2008

マルエツの社長インタビューを見る!

   日経MJで、マルエツの高橋恵三社長へのインタビュー記事が6/2掲載された。興味深い内容であり、現在のマルエツの好調要因、今後の動向をうらなう上で参考になるので、重要と思われる部分をまとめてみたい。まず、高橋社長の経歴であるが、生え抜きであり、前身の丸悦ストアーに1973年、駒大法学部を卒業後入社している。取締役就任が2001年であるので、入社28年後であり、その5年後の2006年に社長に就任し、現在に至っており、年齢は57歳である。マルエツは2006年2月期に営業赤字約10億円を計上しており、その次の2007年2月期にはV字回復を果たし、今期も順調に増収増益となり、中期目標の営業利益80億円を達成しそうな勢いである。この劇的な経営改革の真っただ中での社長就任であり、そのいきさつを含め、日経MJのインタビューとなった。

   そのインタビューの冒頭で、業績急回復の要因についての質問に対し、かつてのダイエーとの仕入れ共通化の弊害について述べている。食品スーパーマーケットは生鮮食品が命といえ、特にその中でも青果はPI値が最高の商品群であり、平均でも顧客一人当たり2点以上(PI値200%)はあり、高い店舗ではPI値が300%(3点)は超えるという商品群である。食品スーパーマーケット業界で恐らく集客力ではNo.1といえるオオゼキの青果の売上構成比は今期21.6%であり、鮮魚12.9%、精肉12.3%と青果はダントツに高い数字である。1日平均、4,000人近くの集客の原動力なっており、青果の強さが食品スーパーマーケットのバロメーターといってもよいくらい重要な部門である。その青果がダイエーとの共通仕入で弱くなり、生鮮全体が以前、売上構成比が55%はあったというが、ここ最近では、45%近くまで落ち込んでいたというので、いかに食品スーパーマーケットとしての競争力が下がっていたかが伺い知れる。

   ちなみに、オオゼキは徹底的な個店主義を貫いており、店舗が青果を含め独自に仕入れることも可能であり、特に青果では店舗独自の仕入れが店舗の強みとなっており、結果、青果の構成比を引き上げ、青果が集客の源泉となっている。ダイエーとの仕入れの共通化が、こと生鮮、特に青果に関しては、いかにマルエツの競争力を落とす結果となったかが想像されるといえよう。インタビューの中でも、高橋社長は、青果に関しては、「商品を仕入れる市場も増やして、収穫から短時間で店頭に並ぶようにしました。こうした取り組みの成果で、青果の売上高は06年度で前の年度に比べ約5%増、07年度は約10%増でした。・・」と述べており、青果の自社仕入の改革がマルエツの業績回復にとって大きかったと述べている。

   また、インタビューの中ではイオンとの関係についても質問があり、その中で、「今回イオンとの提携でも持株比率が33.4%を超えないことにこだわりました。」と述べており、自主独立路線は堅持するという強い意志が感じられる。さらに、インタビューの中では、「4月の全店のPB比率はマルエツが開発したPBも含めて5%ですが、トップバリュを先行した11店舗では6%近くまで上がりました。・・ただ、ダイエーとの取り組みの経験から、すべての品ぞろえを他社に委ねるつもりはありません。ナショナルブランド(NB)で顧客の要望に対応できないのであれば、マルエツが独自でPBを作ります。」と述べている。さらに、「それよりもトップバリュが優れているのであれば取り入れます。イオンの商品もいいものがたくさんありますが、『いいとこどり』でいくつもりです。」と述べており、イオンとも是々非々の関係で臨むという方針であるという。

   最後に、新店戦略についても触れているが、東京都心部では小型店の出店余地がまだまだあり、今後、マルエツとしても2009年度6店、2010年度10店を予定しているというが、その内、7割はビルなどに入る売場面積800平方メートル(約250坪)以下の小型店であるという。今後、都心部への小型店戦略が新店の比重を占めるという。

   実際、マルエツは、この3/1付けで新たな組織として、都新販売本部を立ち上げており、ここに小型店のフーデックスプレス販売部も、ポロロッカ販売部も統合され、本格的な都心での小型店を展開してゆく体制を整えている。一方で、マルエツはNSCの開発にも積極的に取り組んでおり、今後は小型店とNSCを含めたSSMの展開という両極の出店戦略をバランスよく展開してゆくことになろう。

   このように、マルエツの高橋社長のインタビューを見ると、確固たる自主独立の信念を感じる内容である。ただ、実際には、現在、イオン、丸紅が株式所有比率では主導権を握っており、単独で1/3を超えないように微妙なバランスとなっており、今後、マルエツが経営権を確実に確保できるかどうかは、イオンの出方にかかっているともいえる状況である。すでに、新年度がはじまり、3ケ月が経過し、売上速報としては、3月、4月が公表されており、3月110.2%(既存店104.8%)、4月107.5%(既存店102.6%)と4月度はやや下がったが、それでも高い伸びを維持しており、特に既存店が好調に推移している。今期もよい滑り出しといえ、V字回復も軌道に乗ってきたといえよう。今後、イオンとの微妙な関係を含め、今期の食品スーパーマーケット業界では注目の1社といえよう。

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