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June 13, 2008

大量保有報告書、最新の動きを見る!

   ここへ来て、食品スーパーマーケット関連のM&Aがにわかに注目されはじめた。本ブログでも触れた、つい最近、6/9に公表されたオークワのパレへのM&Aが記憶に新しいが、今後、本格的な食品スーパーマーケット業界のM&Aの幕開けともいえる動きといえよう。そこで、ここでは、実際の大量保有報告書をもとに、イオンをはじめ、各食品スーパーマーケットの直近の大量株式取得状況を見てみたい。大量保有報告書は現在、株券等の保有割合が1%以上増加した時、公表することが義務づけられているので、わずかな株価の変動をも把握することが可能となった。

   まず、最近、とみに話題となったマルナカであるが、4/17現在、ハローズの株を3.73%所有している。それまでが2.72%であったので、ここへきて約1%の株を買い増しており、今後の動きが注目である。ハローズの発行済株式総数は18,144,000株であるので、現在676,700株を所有しており、取得資金は約4億5千万円である。ただ、ハローズは、マルナカの本拠地、香川県に出店第1号としてハローズ丸亀店を6/13、オープン予定であり、四国は今後はハローズの重要なドミナント地区となり、マルナカとは競争状況が地元、広島はもちろん、四国でも激しくなることが予想される。このマルナカの株式取得が今後、どのような影響となるか先が読めない状況といえよう。

   次に、イオンの食品スーパーマーケット関係であるが、イオンがマックスバリュ北海道を4/1現在50.67%の株式を取得した。直近が48.65%であるので、ついに、50%を超え、経営の支配権を確立したといえよう。マックスバリュ北海道の発行済株式総数は6,941,350株であるので、3,516,900株を所有しており、取得金額は約32億1,500万円である。また、マックスバリュ西日本がマックスバリュ北海道を4/1現在1.70%の株式を取得しており、さらに、マックスバリュ東北がマックスバリュ北海道を4/1現在0.85%の株式を所有している。すなち、4/1現在、マックスバリュ北海道はイオンから50.67%、マックスバリュ西日本から1.70%、マックスバリュ東北から0.85%の株式を取得されている状況といえよう。これ以外にも、マックスバリュ北海道は、バックオフィスサポート事業のチェルトが4/1現在、0.85%の株式を所有している。ちなみに、マックスバリュ北海道は、4/1、約2%の株式を市場外で処分しており、これがイオン関連企業に渡ったものといえよう。

   さらに、イオンは上記以外にも6/3現在、CFSコーポレーションの株式をTOBで27.71%所有しており、直近が15.01%であるので、大幅な増加であり、今後、まだ増加する可能性が高いといえよう。これ以外にも食品スーパーマーケット関連として、やまやを5/13現在、19.03%(直近18.02%)、ダイエーを1/28現在、19.26%(直近18.07%)、マルエツを昨年9/13現在、31.96%(直近20.33%)、所有している。

   また、オオゼキであるが、石原坂多門氏、石原坂寿美江氏が、この株主総会で役員に就任し、同時に、ここへ来て、新たに株式の取得をしている。石原坂多門氏は、5/29現在、1.23%の株式155,500株を約5,000万円で取得した。その目的は、「発行会社の創業者一族で経営に参加し、安定株主として長期保有を目的とする」というものである。一方、石原坂寿美江氏も5/29現在、23.71%の株式3,000,000株を1億2,364億円で取得している。ただし、この内、2,000,000株は昨年の12/10、相続により取得している。特に石原坂多門氏は、オオゼキの社長、カウボーイの社長を経ての再度オオゼキの役員就任であり、非常勤取締役となるが、石原坂寿美江氏とともに、大株主でもあり、今後、経営にどのように参画してゆくかが注目される。

   上記以外にも食品スーパーマーケット業界では様々な株式の大量取得がここ最近起こっており、四国のフジが異業種であるが、ドラックストアのレデイ薬局を昨年の9/30現在、11.46%の株式1,795株を市場外取引で約4億円で取得している。目的は長期保有を目的とした政策投資であるという。

   このように、大量保有報告書の一部を見てみたが、食品スーパーマーケット関連もここ最近増えつづけており、今後、業務・資本提携、そして、M&Aを前提に業界再編が起こる土壌ができつつあるといえよう。日本の食品スーパーマーケット市場は、ナショナルチェーンが育ちにくい環境にあり、各地で100店舗を超え、年商2,000億円クラスの食品スーパーマーケットが群雄割拠している状況といえる。そして、今後、このクラスの食品スーパーマーケットを中心に周辺地域の食品スーパーマーケットをM&Aしてゆきながら、店舗数をさらに増やし、3,000億円、5,000億円の食品スーパーマーケットが出来上がってゆくのではないかと想定される。その先駆けとなる動きが、今回取り上げた食品スーパーマーケット、各社の動きといえ、今後の動向に注目といえよう。また、今回のオークワのパレへのM&Aでもファンドが絡んでいたように、今後は直接的なM&Aに加え、ファンドが間接的にからむケースも増えることが予想され、日本の食品スーパーマーケットも第2段階、すなわち、各地区での寡占化に向けて動き始めたといえよう。

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