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July 11, 2008

神戸物産、Aプライスの動向、外食は?

   食品スーパーマーケットの2009年度第1四半期の決算が次々に公表されつつあるが、ここで、外食に強い、業務スーパーのここ最近の状況を見てみたい。これまで公表された食品スーパーマーケットの決算状況を見ると、概ね好調な決算が多く、特に、消費者の内食回帰と節約志向が鮮明に表れた数字となっているのが特徴である。これに対し、業務スーパーはどのような状況にあるのかを、神戸物産とトーホーAプライスを中心に、直近の決算数字をもとに見てみたい。

   まず、神戸物産であるが、6/13に、2008年10月期の中間決算を公表している。この中間決算期間は11/1から4/30までの6ケ月間であり、ちょうど、本格的な値上げがはじまった時期と一致しており、その影響が強く反映される決算であるといえる。ただ、神戸物産は中国からの輸入商品の割合が大きく、1月末に起こった中国冷凍餃子事件の影響をもろに受けており、値上げ問題だけでなく、ダブルでの業績への影響があるので、値上げ問題のみの影響としてみることは難しいといえる。したがって、今回の数字は中国冷凍餃子事件の影響を考慮して、この中間決算を見る必要があるといえよう。

   その中間決算の概要であるが、売上高477.47億円(99.2%)、営業利益3.20億円(47.8%:売上対比0.67%)、経常利益1.18億円(12.9%:売上対比0.24%)、当期純利益0.92億円(11.7%:売上対比0.19%)と減収減益、特に、利益面が大幅な減益となる厳しい決算であった。この時期の月次の売上の推移を見ると、11月99.6 %(既存店92.2%)、12月101.3%(94.00%)、1月101.6%(94.1%)、2月95.0%(87.2%)、3月92.3%(86.0%)、4月100.7%(95.0%)という推移であり、特に既存店の数字が厳しい状況で推移しているのがわかる。

   神戸物産の通期の予想も、売上高1,042.50億円(109.5%)、営業利益6.50億円(42.4%売上対比0.62%)、経常利益5.00億円(31.3%:売上対比0.47%)、当期純利益3.00億円(30.9%:売上対比0.28%)と増収ではあるが、大幅な減益となる決算予想であり、今期、業績の回復は難しい状況といえよう。

   これに対し、トーホーAプライスの動向であるが、トーホーは事業部が大きく3つに分かれており、ディストリビュータ事業部、A-プライス事業部、食品スーパー事業部である。この内、ディストリービュータ事業部は外食への卸売業務であり、A-プライス事業部が中小の外食の会員性業務スーパーである。まず、今期はじめての、2009年1月期の第1四半期決算、2/1から4/30を見てみると、全体では売上高421.83億円(105.1%)、営業利益7.92億円(116.4%:1.87%)、経常利益6.59億円(86.8%:売上対比1.56%)、当期純利益3.28億円(84.7%:0.77%)と経常利益、当期純利益が下がったが、営業段階では増収増益となる好調な決算であった。

   そこで、Aプライスのみに絞り、その売上を見てみると81.61億円(97.9%)と昨対を割っており、全体が105.1%となったのは、ディストリビュータ事業部の108.2%、食品スーパー事業部の102.9%の貢献が大きく、Aプライスは厳しい売上の推移であった。ディストリービュータ事業部は特に、前期に取得した子会社の売上貢献が大きかったという。そこで、さらにAプライスのここ最近の売上の推移を見てみると、11月98.4%(既存店97.8%)、12月100.7%(100.6%)、1月95.8%(95.4%)、2月97.2%(98.3%)、3月97.2%(98.5%)、4月99.3%(101.4%)、そして、直近の5月は97.8%(99.9%)という状況であり、ここ最近は売上が伸び悩んでいるといえよう。ちなみに、同時期の食品スーパーの売上の推移を見てみると、11月99.1%(100.44%)、12月101.3%(99.8%)、1月101.2%(100.1%)、2月106.5%(106.3%)、3月99.4%(99.2%)、4月103.0%(102.8%)、そして、5月101.2%(99.1%)という推移であり、堅調な売上を維持しており、対照的な売上の推移である。

   これを踏まえて、ここ最近の神戸物産とトーホーの株価の推移を見てみると、神戸物産は昨年12月は1,700円前後の株価であったが、中国冷凍餃子事件があった1月末には1,200円前後まで株価が急落し、3月に入り、一時900円前後まで株価が下がった。その後、4月に入り、1,100円前後まで戻したが、ここ最近は1,000円前後で株価は横ばいという状況である。一方、トーホーの株価は12月は380円前後で推移していたが、その後、株価は下がりはじめ1月末には330円前後まで下がった。その後、株価は横ばいを続けたが、2月末に急落、一時は300円を割り込んだが、3月に入り、株価は上昇に転じ、現在340円前後で推移している。株価を見る限り、神戸物産もトーホーも投資家からは厳しい評価であるといえよう。

   このように、食品スーパーマーケット業界の中でも業務筋に特化した食品スーパーマーケットである業務スーパーとAプライスの動向を売上げを中心に見てみたが、特に、今年に入り、中国冷凍餃子事件、値上げ問題とダブルでの影響が鮮明に出ているといえ、食品スーパーマーケットとは対照的な動きとなりつつあるといえよう。中国冷凍餃子事件の方は一段落しつつあるといえるが、値上げ問題はまだまだこれからといえ、外食が急激に業績が冷え込んできた現在、業務スーパーは当面、厳しい状況が続きそうである。

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