CPI(物価上昇率)、2008年6月度、詳細を見る!
7/25、総務省統計局から2008年6月度のCPI(消費者物価指数)が公表された。日経新聞でも7/26の朝刊に掲載され、「消費者物価6月1.9%上昇、必需品値上がり景気に影」、「消費者心理に重し、工業製品は下落、二極化進む」という見出しの記事が掲載された。そこで、本ブログでは、特に、食品スーパーマーケットの商品に絞ってCPIの詳細を見てみたい。CPIは新聞等では値上がり、値下がりの代表的な商品しか掲載されないが、実際のデータは家計調査データと全く同じ項目で集計され、生鮮を含む食品スーパーマーケットのほぼ全商品群はもちろん、衣料、住居関連、サービス関連も細かく集計され、公表されているのが実情である。
まず、生鮮食品を含む食品全体のCPIは104.0%(昨対103.6%)という状況であり、新聞等で公表されている生鮮食品を除く場合の昨対の101.9%と比べ、さらに上昇しているのが、この6月度の特徴である。その中身を大分類で見てみると、穀類105.2%(昨対107.7%)、魚介類104.8%(昨対102.7%)、肉類107.2%(昨対104.8%)、乳卵類102.5%(昨対105.5%)、野菜・海藻103.6%(昨対106.8%)、乾物・加工品類102.1%(昨対102.8%)、果物110.1%(昨対96.1%)、油脂・調味料103.7%(昨対104.9%)、菓子類106.7%(昨対106.4%)、調理食品104.7%(昨対103.6%)、飲料96.4%(昨対99.3%)、酒類99.9%(昨対101.8%)であり、また、外食は102.8%(昨対101.8%)という状況である。
これを見ると、食品関連では飲料96.4%、酒類99.9%以外、すべての大分類でCPIが上昇しており、食品は生鮮食品を含め、ほぼ全面高という状況である。ちなみに、食品以外では、住居100.0%(昨対100.2%)、家具・家事用品95.9%(昨対99.6%)、被服及び履物103.6%(昨対100.5%)という状況であり、これを見てもCPIの上昇は食品が大きく牽引しているといえ、まさに食品の値上げ問題が物価全体へ大きな影響を与えはじめたといえよう。
その食品について、さらに、踏み込んで、特にCPIが大きく上昇した項目を見てみると、ベスト5はすべて野菜、果物であり、さといも211.5%(昨対112.5%)、れんこん186.1%(昨対100.2%)、えだまめ 145.7%(昨対109.8%)、ぶどうA145.2%(昨対 106.7%)、かぼちゃ143.3%(昨対112.7%)であった。また、これについで、120%以上のCPIの項目を見てみると、レモン137.0%(昨対95.1%)、チーズ135.2%(昨対 127.3%)、ごぼう129.5%(昨対111.7%)、にんじん129.1%(昨対138.8%)、スパゲッティ128.8%(昨対133.2%)、ねぎ126.2%(昨対125.6%)、かんしょ125.7%(昨対98.7%)、はくさい124.0%(昨対108.6%)、チョコレート122.8%(昨対122.8%)、冷凍調理コロッケ121.6%(昨対107.1%)、うなぎかば焼き121.0%(昨対112.2%)という状況である。やはり、ここでも野菜を中心に生鮮食品が多いことがわかる。また、うなぎのかば焼きも中国産から国産に大きくシフトしており、CPIが大きく上昇し、昨対も110%以上の上昇率である。
さらに、原料関連の値上げについて、小麦粉関連の状況を見てみると、食パン117.9%(昨対118.5%)、あんパン112.6%(昨対113.3%)、カレーパン114.7%(昨対112.7%)、ゆでうどん103.6%(昨対106.7%)、干しうどん105.6%(昨対107.3%)、スパゲッティ128.8%(昨対133.2%)、即席めん117.5%(昨対121.4%)、生中華めん107.5%(昨対 107.4%)、そして、小麦粉117.7%(昨対114.9%)という状況であり、軒並み、CPIはもちろん、昨対も大きく上昇していることがわかる。これに加え、酒類では焼ちゅう104.1%(昨対103.7%)、ビール99.9%(昨対99.7%)、発泡酒100.8%(昨対 100.9%)という状況であり、焼ちゅうのCPIは上昇気味であるが、ビール、発泡酒は昨対も含め、上昇がみられない状況であり、少し意外である。
小麦以外の穀物、飼料関連では、乳製品の牛 乳(店頭売り)101.9%(昨対102.0%)、粉ミルク106.1%(昨対105.5%)、 ヨーグルト99.4%(昨対98.6%)、バター114.2%(昨対111.3%)、チーズ135.2%(昨対140.1%)、チーズ (輸入品)113.5%(昨対111.5%)、マーガリン113.3%(昨対111.0%)という状況であり、特にバター、チーズは大きな上昇であるといえよう。さらに、大豆関連の豆腐104.3%( 昨対103.8%)、油揚げ107.1%(昨対107.4%)、納豆94.0%(昨対94.3%)という状況であり、納豆は下がったが、豆腐、油揚げは上昇気味で推移している。
また、菓子ではチョコレート122.8%(昨対122.3%)、落花生113.4%(昨対111.4%)、ビスケット111.2%(昨対99.4%)、キャンデー108.9%(昨対 110.1%)、ケーキ108.6%(昨対107.8%)、ようかん107.9%(昨対107.8%)、カステラ107.7%(昨対107.2%)、ポテトチップス106.6%(昨対107.3%)、シュークリーム105.5%(昨対03.5%)、せんべい(小麦粉)105.3%(昨対104.1%)という状況であり、菓子は満遍なくCPIが上昇しているといえよう。
このように、この6月度は食品を中心に一段と値上げの影響が全体へ波及しており、CPIが先月と比べさらに上昇し、物価高の様相が鮮明になりつつあるといえよう。ただ、食品以外は全般的に安定しており、逆にCPIが下がる項目も多く、今回のCPIの上昇は原料、資源・エネルギー高の影響の高い食品に集中しているといえ、その意味では、原料、資源・エネルギー相場が落ち着けば安定することも考えられ、当面、相場動向を踏まえ、その関連商品の動向を注意深く見守る必要があろう。数日後には、家計調査データの6月度が公表されると思うが、この物価高がどのように家計に影響を与えているが注目といえよう。
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