アイスクリーム、日経MJでバイヤー調査、ヒット分析!
日経MJ、6/30にアイスクリームのバイヤー調査ヒット分析が掲載された。これからまさに旬を迎える商品であり、なかなか興味深い調査内容である。現在、食品スーパーマーケットでのアイスクリームの売上は好調であり、直近の家計調査データ、5月度で比較しても、アイスクリーム・シャーベットは22.23円(昨年対比105.7%)と伸びている。特に、今回の対象商品はアイスクリームの最重点商品15品へのバイヤー調査であり、すぐに、売場へ活用できる内容でもある。見出しは、「グリコ、“巨人”の強さ」、「選ばれる「ジャイアント」」、「イメージはハーゲンダッツ」、「味や広告・宣伝7割超」であり、グリコのジャイアントコーンとハーゲンダッツが1位、2位となった結果であった。
まず、ブランド採点であるが、今回対象商品は全部で15品である。栄えあるバイヤーからNo.1の評価をもらったのは江崎グリコ、ジャイアントコーンであり、419点であった。満点が110人のバイヤーが5段階で最高5点の評価であるので、550点であるので、比率を計算すると76点となる数字である。ただ、今回は、No.2のハーゲンダッツジャパンのハーゲンダッツが416点、No.3の森永乳業のピノが410点、No.4の森永乳業のチョコモナカジャンボが403点と拮抗しており、断トツの商品が不在という状況であった。特に、No.1のジャイアントコーンとNo.2のハーゲンダッツはそれぞれ、評価項目が分かれており、対照的な商品であることがわかる。
評価項目は全部で13項目であり、総合No.1のジャイアントコーンがトップ評価をもらったのはリピート購入率81%、ネーミング68%、消費者キャンペーン23%の3つのみであり、それ以外はトップクラスの評価が多いが、トップ評価にはなっておらず、各項目の評価が分散したのが、アイスクリームの特徴である。No.2のハーゲンダッツはブランド力92%、味・食感87%、テレビCMなどの広告・宣伝66%、ターゲット設定66%、パッケージ64%、POPなどの店頭販促物37%と6項目でトップとなり、その他の項目の評価も高く、No.1のジャイアントコーンとの差はわずか3点という僅差であった。評価が低かった項目は利益率8%、容量・ボリューム28%の2項目であった。
No.3のピノは残念ながらトップ評価はなかったが、全体的にトップクラスの評価となっており、バランスのよいアイスクリームといえよう。No.4のチョコモナカジャンボは容量・ボリュームで78%というトップ評価である。あとの項目では、ロッテアイスの爽が利益率で32%、消費者キャンペーン、イベントで23%と、この2項目でトップ評価であり、井村屋製菓のあずきバーは商品価値と価格のバランスで46%とトップ評価、そして、江崎グリコのカロリーコントロールアイスは全評価は253点で15番となったが、商品コンセプトでは77%とトップ評価であった。
上記以外では残念ながらトップ評価はひとつもなかったが、全体評価でNo.5となった明治乳業のエッセルスーパーカップ392点、No.6、江崎グリコのパピコ375点、No.9、ロッテアイスのクーリッシュ344点、No.10、森永乳業のPARM(パルム)335点、No.11、クラシエフーズのヨーロピアンシュガーコーン315点、No.12、森永乳業のMOW(モウ)309点、No.13、明治乳業のうずまきソフト308点、No.14、ロッテアイスのぎゅぎゅっと269点と続く。
一方、メーカー採点であるが、これも混戦であり、No.1はロッテアイス381点、トップ評価は新商品の開発力71%、商品情報(改廃、売れ筋)の早さ・量48%、売場での販促策の提案・店舗応援46%である。No.2は江崎グリコ376点、トップ項目は商品構成(ラインアップ)64%、営業担当者52%、No.3はハーゲンダッツジャパン368点、トップ項目は市場作り・活性化への貢献67%、ブランド育成力78%、企業イメージ84%、No.4は森永乳業364点、トップ項目は取引条件(仕入れ価格など)37%、商品供給体制46%、そして、No.5は明治乳業347点、トップ項目は森永乳業と同率37%の取引条件(仕入れ価格など)であった。以下、No.6は森永製菓308点、No.7は井村屋製菓279点、No.9はクラシエフーズ216点である。
最後に、仕入を決定する判断基準であるが、味・食感89%、テレビCMなどの広告・宣伝が75%と2大判断基準であり、ついで、ブランド力61%、リピート購入率60%と続く。これ以外で取引条件(仕入れ価格など)、容量・ボリューム、商品コンセプト、新商品の開発力、利益率、パッケージの純である。やはり、アイスクリームは味・食感が強い仕入基準であることがあらためて明確になったといえよう。
このように、いま、売上が伸び、今期期待の持てる商品群のひとつであるアイスクリームの日経MJのバイヤー調査の実態を見てみたが、ここには平均単価は載っていないが、ちょうど、No.1のジャイアントコーンとNo.2のハーゲンダッツは低価格、高PI値と高価格低PI値と対照的な商品であり、アイスクリームの活性化はまさに、この両極端な傾向を占めす商品群を同時に強化することがポイントであることが浮かび上がったといえよう。売り場づくりもこの2つを同時訴求するような工夫をすると、今期最高のアイスクリームの数字がとれるのではないかと思う。今期、アイスクリームの動向には注目である。
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