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October 17, 2008

ライフコーポレーション、2009年2月期中間、増収増益!

    ライフコーポレーションが10/14、2009年2月期の中間決算を公表した。その結果は、営業収益2,301.63億円(106.1%)、営業利益55.62億円(115.4%:営業収益比2.41%)、経常利益53.99億円(118.6%:営業収益比2.34%)、当期純利益28.87億円(125.3%:営業収益比1.25%)と、増収増益、特に、利益は2桁以上の大幅な伸びとなる好決算であった。既存店の数字も103.5%(客数102.2%、客単価101.3%)と堅調であり、しかも、客数、客単価双方が伸びるという好調さであり、消費環境が厳しいなか、逆に、食品スーパーマーケットのトップクラスの企業であるライフコーポレーションに内食需要という追い風が吹いたといえよう。

    まず、増収の要因であるが、この3月に今津駅前店(兵庫県)、毛馬店(大阪府)、4月に三国橋店(大阪府)、西九条店(大阪府)、6月に調布仙川店(東京都)、7月に江北駅前店(東京都)と6店舗を新規出店したことが大きいといえよう。ライフコーポレーンはこの6店舗を加え、東西合計で201店舗となり、とうとう、200店舗の大台を超え、今後、250店舗ヘ向けて、さらに成長を目指すという。ちなみに、ライフコーポレーションは首都圏では東京都51店舗、埼玉県14店舗、千葉県10店舗、神奈川県16店舗の91店舗、近畿圏では大阪府84店舗、兵庫県10店舗、奈良県6店舗、京都府10店舗の110店舗と合計201店舗となる。首都圏、近畿圏ほぼ半分づつの展開といえ、東西のバランスがとれた展開である。ライフコーポレーションの商品構成比であるが、生鮮食品28.4%、一般食品50.4%、生活関連用品8.9%、衣料品7.3%、その他2.5%、営業収入2.5%であり、GMSが不振となっている衣料品の構成比が7.3%であり、好調な食品に特化した商品構成比となっていることも売上に寄与した要因といえよう。

    次に、原価、経費構造であるが、ライフコーポレーションの今期の原価は73.8%(昨年74.0%)となり、メーカーからの値上げ攻勢が厳しい中、0.2ポイント下がっており、結果、売上総利益は26.2%(昨年26.0%)と改善した。一方、販売費及び一般管理費であるが、26.3%(昨年26.3%)と昨年並みに抑えたことにより、差し引き、マーチャンダイジング力は-0.1%(昨年-0.3%)と0.2ポイント改善した。ただ、まだ、粗利で経費を賄うことはできず、食品スーパーマーケットとしては課題が残るといえよう。優良食品スーパーマーケットはこのマーチャンダイジング力が4%前後あるので、今後、いかに原価を改善し、経費比率を落とせるかが課題といえよう。そして、これに、不動産収入等の営業収入が2.6%(昨年2.6%)乗り、結果、営業利益が2.5%(昨年2.3%)となり、0.2ポイントの改善となり、大幅な増益となった。

   これを受けて、通期予想であるが、営業収益4,600.00億円(104.6%)、営業利益105.00億円(100.6%:営業収益比2.28%)、経常利益98.00億円(100.6%:営業収益比2.13%)、当期純利益50.00億円(116.9%:営業収益比1.08%)と予想しており、増収増益予想ではあるが、この中間決算と比べると、営業、経常利益はやや厳しい数字を予想している。
   
   このライフコーポレーションの中間決算を見ると、増収増益の好決算ではあったが、好調な増益に比べ、増収幅がやや伸び悩んだ。実際、既存店の伸びに大きく支えられたことが大きく、通期予想を見ると営業収益は104.6%と若干伸び悩む想定である。その最大の要因は、現状のライフコーポレーンが新店戦略を思い切って実施してゆくには、まだ財務的な不安定さがあるためであるといえる。今期の自己資本比率を見ると、わずか22.0%(昨年23.5%)と、昨年と比べ1.5ポイント下がっており、厳しい状況である。ライフコーポレーションの出店にかかわる資産である土地、建物、差入保証金の合計は975.46億円(昨年971.499億円)であり、総資産1,807.68億円の53.96%、1店舗当たりでは4.85億円となる。したがって、自己資本の範囲内で新規出店を行うには限度があり、負債に依存せざるをえない状況である。そのライフコーポレーションの現在の長短借入金の合計は640.58億円(昨年660.45億円)であり、これは総資産の35.43%となり、ちょうど自己資本の22.0%を足すと、57.43%となり、出店にかかわる資産とぴったり一致する。今後ライフコーポレーションが安定成長を行ってゆくには、思い切った財務改善が必要といえ、この改善がすむまでは当面、低成長に甘じざるをえない状況が続くと思われる。
   
   ただ、キャッシュフローの流れは営業キャッシュフロー(329.21億円:昨年106.79億円)、投資キャッシュフロー(-67.28億円:昨年-37.64億円)、財務キャッシュフロー(-31.48億円:昨年-50.88億円)、資金(230.45億円:昨年18.27億円)と、投資キャッシュフローを営業キャッシフローの範囲内で行い、財務キャッシュフローも若干ではあるが、借入金返済に充てており、順流の流れであり、健全である。資金が230.45億円と異常値となったが、これは中間期末日が金融機関の休日にあたったため、仕入等の債務が翌月に決済されたことなどにより仕入債務の増加が211.54億円となったことによるものである。
   
   現在、ライフコーポレーションは中期経営計画、3ケ年計画を立案実行しつつあり、12の改革に取り組んでいる。今回の中間決算を見る限り、まさに、マーチャンダイジング力の-0.1%を当面1%から2%まで引き上げ、キャッシュフローを生み出せるか、そのキャッシュフローで借入金を返済し、自己資本比率を30%から40%まで引き上げ、出店余力を増強できるかが問われているといえ、今後の、12の改革の成果に注目といえよう。

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