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October 24, 2008

アークス、2009年中間、増収増益、年商2,500億円へ!

   アークスが10/14、2009年2月期の中間決算を公表した。売上高1,271.32億円(105.6%)、営業利益46.14億円(104.5%:売上対比3.62%)、経常利益50.22億円(105.0%:売上対比3.95%)、当期純利益29.05億円(103.1%:売上対比2.28%)となる中間期としては7期連続の増収増益の堅調な決算となった。今期注目は何といっても、カインズとの業務提携による新店開発であったが、この6月に、北広島市の大型ショッピングセンター、インターヴィレッジ大曲の核テナントとして、スーパーアークス大曲店とともに、カインズホーム大曲店をオープンしており、今後の事業展開の新たな柱となる第1歩を踏み出したといえよう。また。アークスの今後の中核業態となるスーパーアークスも7月に函館市にスーパーアークス戸倉店、8月に旭川市にスーパーアークスウエスタン北彩都と2店舗を新規オープンしており、これで合計7店舗目となった。

   アークスは現在、主要な子会社9社、その他の子会社3社並びに関連会社1社の計14社で構成され、スーパーマーケット事業を主な事業としている。その主要10社はラルズが食料品を中心に衣料品及び住居関連商品を販売するスーパーマーケット、福原、ふじ、道東ラルズ、道北ラルズ、道南ラルズは食料品を中心としたスーパーマーケット、イワイが酒類等の小売、ライフポートが医薬品等の小売と写真機・写真材料の販売及び写真焼付業、エルディが住居関連商品を中心としたホームセンター、ふっくら工房がパンの製造販売である。これらを束ねるのが持株会社のアークスであり、今期はさらに、3月にホームストアを合併し、また、中央スーパーとの業務提携も行っており、より、連携強化に入っている。したがって、総店舗数もこの4月に中標津町にフクハラ中標津店の新規オープンを加え、173店舗となり、日本におけるトップクラスの食品スーパーマーケットチェーンとなった。

   また、今期は子会社各社が独自に展開していたポイントカードを、グループ統一の「アークスRARAカード」、「アークスRARAJCBカード」の2種類へ集約し、この強力な販促を武器に、通期は売上高2,530.00億円(104.8%)、営業利益82.50億円(101.4%:売上対比3.26%)、経常利益90.00億円(101.3%:売上対比3.55%)、当期純利益50.00億円(101.9%:売上対比1.97%)と増収増益を目指すという。特に、通期がこの予想どおりにいけば、年商2,500億円を突破することになり、店舗数だけでなく、年商規模も食品スーパーマーケットのトップクラスのチェーンストアとなる。

   ここで、この中間期のアークスのマーチャンダイジング力と出店余力を見てみたい。まず、マーチャンダイジング力であるが、原価は77.5%(昨年77.7%)と0.2ポイント下がった。資源・エネルギー高の厳しい値上げ環境の中で、原価を下げており、結果、売上総利益は22.5%(昨年22.3%)と0.2ポイント改善した。ただ、販売費及び一般管理費は18.9%(昨年18.6%)と0.3ポイント上昇したため、差し引き、マーチャンダイジング力=営業利益は3.6%(昨年3.7%)と0.1ポイントのダウンとなったが、売上が105.6%と堅調であったため、営業利益も104.5%と堅調な結果となった。

   これを受けて、キャッシュフローの流れであるが、営業活動によるキャッシュフロー(72.51億円)、投資活動によるキャッシュフロー(-22.14億円)、財務活動によるキャッシュフロー(-25.33億円)、資金25.04億円となり、順流のキャッシュフローである。営業活動によるキャッシュフローの範囲内で投資、財務活動のキャッシュフローを賄い、特に、財務活動によるキャッシュフローの中では長短借入金を返済している好循環である。投資対財務もほぼ1:1であり、今後、長短借入金がさらに削減されれば、より、投資活動へ振り向けることが可能となり、出店余力が大きく増すことになろう。
   
   その出店余力であるが、この中間期の自己資本比率57.9%(昨年55.9%)と上昇している。その要因は負債の主要項目である長短借入金等の合計が106.32億円(昨年144.40億円)と約40億円削減し、総資産の10.55%となったことが大きい。一方、資産の中の出店にかかわる資産である土地、建物、敷金・保証金の合計であるが、735.74億円(昨年722.28億円)であり、総資産の73.00%、1店舗当りでは4.25億円である。したがって、出店余力である自己資本比率との差は-15.91%であり、まだ、若干負債に依存する出店構造であるが、このまま好決算を維持できれば、数年後にはプラスに転じることも可能であり、今後、出店余力がさらに高まってくるものといえよう。
   
   このように、アークスの2009年2月期の中間決算が公表されたが、増収増益の堅調な決算となり、キャッシュフローの流れも確実に借入金を返済し、なおかつ、新規出店への投資もしっかり行うという典型的な順流であり、経営のバランスが絶妙であるといえよう。また、今後の主力業態、スーパーアークスも7店舗となり、今期はさらに、カインズとの業務提携後の新店がオープンするなど、次世代へ向けた戦略業態が軌道に乗りつつあり、今後、M&Aを含め、成長が期待できる体制が整いつつあるといえよう。アークスの今後の成長戦略、次の一手に注目である。

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