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October 22, 2008

ベルク、2009年2月期中間、増収増益、絶好調、CF潮目!

   ベルクが10/9、2009年2月期の中間決算を公表した。売上高496.10億円(111.8%)、営業利益23.38億円(116.6%:売上対比4.71%)、 経常利益24.21億円(116.6%:売上対比4.88%)、当期純利益13.73億円(125.0%:売上対比2.76%)と2桁の増収増益となる好決算となった。売上も、利益もすべての段階で2桁増の増収増益であり、絶好調といえよう。今期ベルクは新店として、幸手北店(6月、埼玉県幸手市)、上里SC店(7月、埼玉県児玉郡上里町)の2店舗を出店しており、現在56店舗となった。これに加え、昨年の中間期は51店舗であったので、差引、昨年と比べ5店舗増加しているのが大きく売上を伸ばした要因といえよう。既存店は101.9%であるので、新店の効果が極めて大きかったといえる。一般に食品スーパーマーケットの成長を支える最大の要因は新店開発にあり、既存店のみでは数%までは可能であるが、2桁増を達成するには少なくとも新店を10%、ベルクでは5店舗は必要といえ、今回、まさにベルクではこれを実証する結果になったといえよう。

   その新店を安定的に出店してゆくためには、キャッシュフローを増大させ、その流れをよくし、財務体質を改善する必要がある。そこで、ベルクの今期の状況を見てみると、まず、キャッシュフローであるが、営業キャッシュフローは36.20億円(昨年26.66億円)と何と10億円も増加していることが大きい。その最大のキャッシュは当期純利益であり、増収増益の増益効果が絶大といえよう。当期純利益を増加させるには、当然、大本の原価、経費をいかに抑えるか、すなわち、マーチャンダイジング力の強化にあるが、ベルクの今期の売上原価は74.5%(昨年74.4%)と、この値上げ攻勢が厳しい経営環境の中で0.1ポイントの増加にとどめており、そして、この0.1ポイントの増加を販売費及び一般管理費24.6%(昨年24.7%)の0.1ポイントの削減で補ったことが大きかったといえよう。したがって、差し引き、マーチャンダイジング力は昨年同様0.9%(昨年0.9%)となり、これに、不動産等の営業収入が3.8%(昨年3.6%)と0.2ポイント上昇し、営業利益を4.7%(昨年4.5%)と0.2ポイント増加させたことが大きかったといえよう。

    営業キャッシュフローの大本はこのマーチャンダイジング力と営業収入にあり、この2点をいかに増加させるかが食品スーパーマーケットにとってはすべてであるといえる。今期のベルクはマーチャンダイジング力をトントンにもってゆき、営業収入を増加させ、営業キャッシュフローを増加させた決算であったといえる。そして、この営業キャッシュフローの範囲内で、今期の新規出店の投資を行い、投資キャッシュフローは(-17.12億円)のマイナスとなり、さらに、その余剰キャッシュフローで、財務活動によるキャッシュフロー(-15.43億円)を相殺し、資金3.54億円をプラスにしている。投資キャッシュフローと財務キャッシュフローがちょうど1:1の割合であるが、これが、2:1ぐらいまで財務改善が進むと、さらに出店余力が高まり、高成長が可能になるといえよう。

   ただ、今期のベルクのキャッシュフローは、100%順流の善循環であり、このようなキャッシュの流れはここ数年見られなかった動きであり、この中間決算はベルクにとって潮目が変わったといえるキャッシュの流れである。あとは、さらに出店余力を高めるために、財務体質をいかに改善するかであるが、ベルクの自己資本比率は現在52.4%(昨年52.7%)であり、長短借入金等の合計が108.06億円(昨年107.32億円)と、総資産の21.16%あり、これが、出店にかかわる資産である土地・建物・差入保証金の合計372.99億円(昨年352.46億円)と、総資産の73.06%とちょうど一致しており、新規出店を行うには、約30%借り入れに依存する状況であり、この部分の負担を好調なキャッシュフローでどこまで圧縮するかが課題といえよう。自己資本比率が借入の返済により、60%を超えてくると、格段と出店余力が増すので、ベルクにとっては、この数年が財務体質を改善するチャンスといえよう。

   これを受けて、ベルクの通期の予想であるが、売上高998.45億円(109.9%)、営業利益42.86億円(104.9%:売上対比4.29%)、 経常利益44.56億円(105.6%:売上対比4.46%)、当期純利益23.84億円(105.7%:売上対比2.38%)と中間決算ほどではないが、増収増益の好決算を予想している。特に、売上が創業以来、1,000億円を超えることが目前に迫っており、後期もベスタ東鷲宮店(10月、埼玉県北葛飾郡鷲宮町)、伊勢崎スマーク店(11月、群馬県伊勢崎市)の2店舗を新規出店し、店舗数は58店舗となるが、次の新規出店が年商1,000億円を確実にする新店になるといえよう。

   このようにベルクの2009年2月期の中間決算は大幅な増収増益の好決算となり、キャッシュフローもここ数年では抜群の流れであり、健全な順流となった。来期は、いよいよ、年商1,000億円が視野に入ったといえ、今後、今期の好決算をもとに、財務改善が一層進めば、出店余力がさらに高まり、自己資本の範囲内での安定した成長戦略を実現することが可能となる。来期、年商1,000億円突破が確実となったベルクの今後の成長戦略に注目したい。

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