家計調査8月度、全体実質96.0%、食品名目100.1%!
9/30、総務庁統計局から2009年8月度の家計調査データが公表された。すでに新聞等で報道されているように、実質-4.0%(96.0%)のダウンという数字である。ただ、名目では-1.6%(98.4%)という数字であり、食品(外食を含む)数字では、実質-2.2%(97.8%)、名目では0.7%(100.7%)とプラスであり、物価上昇の影響が大きかったといえる。実質と名目の違いは物価上昇分を考慮するか、しないかの違いであり、家計から見れば、支出金額の絶対額は名目に表れているといえ、こと食品(外食を含む)に関しては、ほぼ消費額は昨年と同じ数字であったといえよう。
ここで、実質-4.0%となった中身を見てみると、最も大きかったのは、その他の消費支出であり、-1.94ポイントである。その他の消費支出とはこづかい、交際費などであり、これに次ぐ住居の-0.72ポイントと比べると圧倒的に大きいことがわかる。家計はこの物価高でまず、こづかい、交際費を節約したといえよう。ちなみに、名目でこの状況をさらに詳しく見てみると、こづかいの中でも世帯主こづかい91.0%、他のこづかい99.0%という状況であるので、まず、世帯主のこづかいが大きく減らされたことがわかる。これ以外では交際費の中の贈与金も91.3%と大きく減っており、生活防衛はまず、こづいかい、そして、交際費が大きいといえる。ちなみに、この2つの合計は生鮮3品(青果、精肉、鮮魚)の合計金額よりも大きく、全消費額の約10%を占め、家計の中では最大の支出となっている。家計はその意味で支出項目のNo.1の項目に切り込んだといえ、企業でいえば、人件費に匹敵する支出項目であり、まさに、家計のリストラに踏み切ったといえよう。
そこで、さらに、食品について、詳しく見てみたい。家計調査データは実質の数字は細かく公表されてはいないので、ここでは名目の数字をもとに、また、食品スーパーマーケットの金額PI値と比較しやすいように、1日当たりの消費額で見てみたい。まず、全体の数字であるが、2,074.10円(100.1%)であり、この中には外食は入っていない、純粋な食品への支出額である。この数字を見る限り、家計は食品への支出は全体としては、昨年とほぼ同様の数字となっている。もちろん、ここには実質ではなく、名目であるので、物価上昇率は考慮していないが、家計からの支出金額の絶対額はほぼ昨年並みといえよう。
これを大項目で見てみると、5%以上プラスになった項目は油脂・調味料106.13円(107.0%)、肉類218.65円(106.3%)、穀類213.26円(106.1%)の3項目である。また、-5%以下の項目は飲料150.90円(91.9%)、果物133.06(93.1%)、野菜・海藻257.16円(93.3%)の3項目である。やはり、値上げ関連商品の最も多い油脂・調味料、小麦関連の穀類が大きく、比較的ライフラインの維持と遠い嗜好品といわれる飲料、果物が小さいという特徴が表れているといえよう。家計は全体としてもこづかい・交際費を節約すると同様、食品においても嗜好品関連を節約している傾向が数字でも鮮明に表れているといえよう。ただ、意外な項目としては、同じ嗜好品でも菓子類が243.48円(104.8%)とほぼ5%近い伸びを示しており、菓子はここ数ケ月絶好調である。
次に、大分類から小分類で115%以上伸びた項目を見てみると、スパゲッティ3.77円(146.3%)、即席めん3.81円(134.1%)、かき0.13%(133.3%)、れんこん1.74円(131.7%)、バナナ12.42円(129.6%)、チョコレート6.19円(126.3%)、ウイスキー3.45円(125.9%)、ビスケット9.61円(124.7%)、乾うどん・そば18.42円(121.7%)、合いびき肉5.61円(120.0%)、スナック菓子 11.10円(119.9%)、乳飲料3.97円(119.4%)、マーガリン2.03円(118.9%)、カレールウ 4.81円(118.3%)、粉ミルク2.74円(116.4%)、ジャム3.32円(115.7%)、カップめん7.97円(115.4%)という状況である。かなりの項目が小麦関連の値上げ関連商品といえよう。また、この中でバナナが129.6%と異常値になっているが、まさにいまはやりのバナナダイエットの影響といえよう。昨年の納豆ダイエット以来の異常値といえ、この傾向は続くといえよう。
逆に、小分類で85%以下となった項目を見てみると、いわし1.52円(68.1%)、グレープフルーツ1.71円(69.7%)、キャベツ5.65円(75.8%)、ぶり5.26 円(8.4%)、かに2.58円(78.4%)、酢3.77円(79.6%)、きゅうり8.87円(79.9%)、こんぶつくだ煮2.97円(80.0%)、ミネラルウォーター8.26円(80.0%)、なす7.71円(80.2%)、レタス6.13円(80.9%)、かつお5.13円(81.5%)、しじみ1.16円(81.8%)、まぐろ14.97円(81.8%)、乳酸菌飲料9.39円(82.0%)、メロン7.32円(82.5%)、トマト16.81円(83.1%)、キウイフルーツ2.58円(84.2%)、魚介のつくだ煮 2.77円(84.3%)、こんぶ2.45円(84.4%)、なし19.00円(84.7%)、プリン5.03円(84.8%)という状況であり、生鮮関連がほとんであることがわかる。ただ、飲料のミネラルウォーター、乳酸菌飲料、プリンなどもあり、嗜好品も厳しい状況といえよう。
このように2008年8月度の家計調査データを見ると、やはり、名目では値上げ関連商品がのきなみ上位に浮上しており、資源・エネルギー関連の上昇による物価高の影響の高いものほど上昇している傾向が鮮明であり、物価上昇率を考慮した実質が4.0%(96.0%)となったのもうなづける数字といえよう。その意味で、消費もいよいよ厳しい状況に入り、家計は節約の時代に突入したといえよう。
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