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November 14, 2008

いなげや、2009年3月期中間決算、減収増益、厳しいCF!

   10/28、いなげやが2009年3月期の中間決算を公表した。いなげやは、東京都を中心に食品スーパーマーケットを125店舗、ドラックストア、ウェルパークを84店舗、合計209店舗を展開している企業である。食品スーパーマーケットだけで出店地域を見ると、東京23区内に13店舗、東京都下に47店舗、埼玉県30店舗、神奈川県23店舗、千葉県12店舗と計125店舗である。その中間決算の内容であるが、営業収益1,135.46億円(99.8%)、営業利益12.09億円(110.5%:営業収益比1.06%)、経常利益 13.43億円(105.0%:営業収益比1.18%)、当期純利益2.85億円(昨年は赤字:営業収益比0.25%)と減収増益となる結果であった。減収となった要因は、今期は新規出店がなく、特に食品スーパーマーケットの既存店が98.7%となったことが大きかったという。
   
   一方、増益となった要因であるが、売上原価は73.0%(昨年73.2%)と0.2ポイント下がり、結果、売上総利益は27.0%(昨年26.8%)と0.2ポイント上昇しことが大きい。一方、販売費及び一般管理費は29.2%(昨年29.0%)となり、0.2ポイント上昇しており、原価の改善が経費の上昇でプラスマイナス0になったことが残念である。ただ、この消費環境が厳しい中、原価の改善ができたことは大きく、その要因のひとつは、PB、トップバリュにもあるといえよう。今期のトップバリュの売上構成比は2.8% (昨年2.0%) 粗利高3.2% (昨年2.5%)と売上、粗利双方上昇しており、この分が原価改善につながったものと思われる。ただ、まだ、売上構成比2.8%はPB比率としては低いといえ、今後、さらに、売上、利益を押し上げて行くのではないかと思う。
   
   そこで、マーチャンダイジング力であるが、売上総利益-販売費及び一般管理費を見ると、-2.2%(昨年-2.2%)と大きくマイナスである。経費が29.2%とかなりの売上比率であり、これ以上の原価改善、粗利アップは、PBの動向にもよるが、大幅には難しいといえ、やはり、今後、この経費比率をいかに下げるかは喫緊の課題といえよう。そして、営業利益であるが、これに、不動産収入、物流収入等の営業収入が3.2%(昨年3.2%)のるので、結果、小数点以下を四捨五入すると、営業利益は売上対比で1.1%(昨年1.0%)のプラスとなり、増収となったといえよう。ただ、マーチャンダイジング力がマイナスの分だけ、収益性も低くなっており、やはり、今後、マーチャンダイジング力、特に経費比率の改善をいかにすすめるかが、キャッシュフローの観点からも重要な課題であるといえよう。
   
   そのキャッシュフローであるが、営業活動によるキャッシュフローは18.85億円となるが、その中身の最大の項目が減価償却費の13.44億円であり、まさに、マーチャンダイジング力のマイナスが響き、当期純利益は7.72億円にとどまっているのが伸び悩んだ原因である。投資キャッシュフローは-0.12億円と数字だけ見ると投資活動が行われていないのかと思われるが、固定資産、有価証券等で約30億円投資しており、これを補う形で約30億円有価証券を売却しているので、このような数字となっている。実質、営業活動によるキャッシュフローでは回らない状況といえ、逆流のキャッシュフローといえよう。結果、フリーキャッシュフローは18.73億円のプラスとなる。そして、財務キャッシュフローであるが、長期借入金を22.68億円返済し、17.00億円借入れ、結果、約5億円削減し、-9.24億円である。したがって、トータルのキャッシュフロー、すなわち、資金は9.49億円のプラスとなったが、有価証券の売却益がなければ、苦しい状況であり、営業キャッシュフロー、特に、マーチャンダイジング力の重要性が改めて確認されたキャッシュフローの流れであるといえよう。
   
   では、いなげやの出店余力はどうかを見てみたい。現在、自己資本比率は56.7%(昨年56.2%)であり、堅調な数字である。一方、出店にかかわる資産である土地、建物、差入保証金の合計は362.25億円となり、これは総資産753.74億円の48.0%となる。1店舗当りに換算すると、いなげやは現在209店舗であり、3.60億円と通常の食品スーパーマーケットと比べ、ドラックストアも含まれる分、低い資産といえよう。したがって、出店余力は自己資本比率-出店にかかわる資産=8.7%となり、プラスとなり、自己資本の範囲内で出店が可能な財務構造である。ちなみに、負債の主要項目である長短借入金の合計であるが、75.78億円であり、これは総資産の10.0%であり、財務的にはさほど重い負担ではないといえよう。

   これを受けて、通期予想であるが、営業収益2,288.00億円(100.7%)、営業利益40.00億円(102.9%:営業収益比1.74%)、経常利益42.50億円(100.8%:営業収益比1.85%)、当期純利益18.50億円(149.6%:営業収益比0.80%)と、増収増益の堅調な決算予想である。現在、いなげやは、2008年、2009年度の中期経営計画の真っ最中であり、グループ全体での経費率の引き下げに取り組んでいる。また、その経費引き下げを武器に、「経費削減→荒利率引下げ→1点単価ダウン→点数アップ→客数アップ→売上アップ」という増収へつなげて行こうという経営の流れを構築中であり、この流れができることにより、営業キャッシュフローが充実し、財務的な出店余力は高い状況にあるので、安定した新規出店が可能となろう。後半の構造改革がどこまで進んでゆくか、特に、経費比率の改善に注目したい。

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November 14, 2008 in 経済・政治・国際 |

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