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November 09, 2008

チェーンストアにおけるBS、PL、CFとドミナト戦略!

   食品スーパーマーケット業界では2009年2月期の中間決算の発表が一段落し、現在、2009年3月期の決算の公表が始まっている。本ブログでは主要食品スーパーマーケットの中間決算に関しては、いち早くその内容を分析し、公表しているが、その分析にあたって、独自の視点を導入している。マーチャンダイジング力、出店余力、そしてキャッシュフローの流れである。マーチャンダイジング力とは、PLをもとに判断し、純粋な商品売買から得られる粗利から、経費を差し引いた指標のことであり、不動産収入、物流収入等を含まない利益のことである。決算ではこの数字は公表されていないので、本ブログでは電卓で計算し直している。通常の決算は営業収益から経費を引いた営業利益のみ公表されるので、この営業利益には不動産収入や物流収入などが含まれてしまう。したがって、本当のマーチャンダイジング力を知るには不都合な数字であり、そのため、この収入を引いた売上から経費を引いた売上総利益をマーチャンダイジング力として計算し直している。

   出店余力に関しては、BSをもとに判断し、食品スーパーマーケットを含めチェーストアの成長は新規出店ないしはM&A以外ありえず、既存店のみでは年間数%がせいぜいであり、既存店のみでの成長戦略を描くことは不可能に近いといえる。したがって、食品スーパーマーケットが成長していくためには、出店余力がどれだけあるかが重要な指標であり、これを本ブログでは、自己資本比率から出店にかかわる資産である土地、建物、敷金・保証金などの資産の比率を引いた数字として判断している。この資産に在庫も加えても良いが、食品スーパーマーケットの場合はせいぜい数%であり、大きなインパクトはないので、外しているが、ホームセンター、ドラックストア、GMS等は在庫負担も大きく、出店にかかわる資産に入れた方が良いかと思う。

   そして、最近、付け加えた内容はキャッシュフローである。ここ最近、アメリカ発の金融不安の影響もあり、PL、BSよりもキャッシュフローが重要な経営判断指標となりつつあり、この点についても分析に加えるようにした。特に、キャッシュフローは順流と逆流の流れがあり、逆流になると、いつ資金ショートを起こし、倒産しかねない状況に経営が追い込まれかねず、キャッシュフローが順流か逆流かを見極めることは食品スーパーマーケットの経営状況を見る上で重要な判断材料であると思える。順流とは営業活動におけるキャッシュフローの範囲内で投資活動におけるキャッシュフローを賄い、この2つの合計であるフリーキャッシュフローを黒字にし、なおかつ、そこから、財務キャッシュフローをも賄ってしまう流れのことである。逆流とはこの反対で営業キャッシュフローの範囲内を超えた投資キャッシュフローを行い、フリーキャッシュフローがマイナスとなり、そのマイナス分をさらに財務キャッシュフローで補うという流れである。当然、逆流になった場合は、放っておけば、資金ショートとなり、即倒産となりかねない。また、昨今の金融機関の貸し渋り、貸しはがしが起これば、これも、資金ショートが起き、即倒産となり、ここのところ、黒字倒産が起こる背景は、このキャッシュフローの逆流にあるといえよう。

   そこで、今回のブログのテーマ、「チェーンストアにおけるBS、PL、CFとドミナント戦略!」であるが、食品スーパーマーケットのチェーンストアが10店舗クラスまでは、これら経営に重要な指標管理は社長ただ一人で何とかなると思うが、20店舗、50店舗、100店舗、そして、1,000店舗となった場合は本部、店舗の関係ではPLまでは管理できても、BS、キャッシュフローの管理までは難しいのではないかと思う。実際のチェーンストアの経営管理は本部がBS、PL、キャッシュフローを管理するが、これはドミナントがひとつに限定できる間は問題がないといえよう。ただ、チェーンストアが成長するにしたがい、新たなドミナントへの参入がはじまる。いいかえれば、チェーンストアの成長戦略はドミナント管理と新ドミナントへの参入が基本であり、この繰り返しによって、無限級数的に店舗が拡大され、成長が約束される。

   ところが、現実は経営管理は本部一括となっており、ドミナント単位には管理されず、マーチャンダイジング力も出店余力も、そして、キャッシュフローもドミナント単位で算出し、成長戦略をつくることが本来は必要なはずだが、仕組みとして、できていないのが実態といえよう。そこで、今後のチェーンストアの経営管理として、ドミナントごとに、マーチャンダイジング力、出店余力、キャッシュフローの流れを管理する仕組みをつくり、この3つの管理指標を統括するマネージャーを置き、将来の経営者幹部の育成を兼ねて成長戦略を策定し、本部で統括する仕組みをつくったらどうかと思う。基本、3人でドミナトは統括でるのではないかと思う。キャッシュフローを判断する最高責任者、PL、マーチャンダイジング力を管理する責任者、BS、出店余力を管理する責任者である。

   このようなチェーンストア管理の仕組みをつくれば、ドミナントごとに3人のマネージャ-がドミナト内のPL、BS、キャッシュフローを管理し、ドミナント内の成長戦略を策定し、最終的に本部が決済して進めて行くことが可能となり、次世代の経営者も育成することができるのではないかと思う。また、本部の仕事も、チェーンストア全体の商品調達、物流戦略、キャッシュフローの配分など、より戦略的な対応が可能になるのではないかと思う。今後、この観点から、食品スーパーマーケットのチェーンストアの経営管理が可能かどうかをじっくり考えてみたい。

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November 9, 2008 in 経済・政治・国際 |

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