PLANT、2008年9月期本決算、福井銀行が全面支援!
PLANTが10/31、2008年9月期の本決算を公表した。売上高831.31億円(100.7%)、営業利益5.78億円(230.6%:売上対比0.69%)、経常利益 4.70億円(98.1%:売上対比0.56%)、当期純利益2.67億円(昨年は赤字)となる営業段階では増収増益となる決算となり、売上、利益ともにわずかではあるが、堅調な決算となった。今期、特に売上が増加した要因は新店にあり、昨年の改正まちづくり三法の施行を前に着手した店舗、PLANT-4大熊店(3月:福島県大熊町)、PLANT-3福知山店(5月:京都府福知山市)、そして、PLANT-5鏡野店(7月:岡山県鏡野町)をオープンしたことが大きく、スーパーセンターの店舗数は15店舗、PLNAT全体の店舗数は20店舗となったことによる。
一方、増益の要因であるが、マーチャンダイジング力を見ると、原価が売上対比81.2%(昨年81.3%)であり、結果、売上総利益は18.8%(昨年18.7%)と0.1ポイント改善した。一方、販売費及び一般管理費は18.2%(昨年18.4%)となり、昨年と比べ、0.2ポイント削減し、結果、マーチャンダイジング力は0.6%(昨年0.3%)と、わずかではあるが、プラスとなったことが大きかったといえよう。これに不動産収入等が0.18%(昨年0.0%)加わり、結果、営業利益は0.7%(昨年0.3%)となり、増収を達成した。まだまだ、営業利益は0.7%であるので、キャッシュフローの改善までにはいたっていないが、これまでの厳しい状況を脱しつつあり、今後、どこまで、営業利益を改善できるかが、当面、最大の経営課題といえよう。
そのキャッシュフローの状況であるが、営業キャッシュフローは24.66億円となったが、投資キャッシュフローが-44.21億円と、営業キャッシュフローを大きく超えるマイナスとなった。これは、新規出店のための有形固定資産を48.6億円取得したためであり、結果、フリーキャッシュフローは-19.55億円となり、キャッシュフローは、大幅な逆流である。したがって、負債で賄わざるをえなくなり、長期借入を88.0億円借入れし、これでフリーキャッシュフローを相殺し、結果、財務キャッシュフローは33.20億円のプラスとなった。合計のキャッシュフローは差引き、13.65億円のプラスとなったが、この苦しい財務状況の中で、さらに借入を増加させており、自己資本比率はとうとう16.4%と、非常に厳しいキャッシュフローの流れである。
そこで、当然、資金調達が大きな経営課題となるが、今期、この10月に福井銀行を幹事行とする銀行団とシンジケートローンの契約の締結がなされ、190億円のシンジケートローンが可能となった。このシンジケートローンはタームローン170億円とコミットメントライン極度額20億円より構成されており、タームローンは主に既存の借入金の返済に、コミットメントラインは運転資金に充当するという。これにより借入金の一本化が可能になり、日常の運転資金には機動的に対応することができ、資金繰りの長期安定化が図られることになるという。PLANTは今後は当面出店をしない方針であるといい、着実に利益を上げ、有利子負債の削減に努めるとのことである。ちなみに、この190億円は現在の長短借入金の合計188.84億円を相殺できる金額であり、今後は福井銀行が主体となり、全面的にPLANTの財務を支える体制ができあがったといえよう。
今後の出店であるが、平成19年11月30日に施行された改正まちづくり三法がPLNTの出店戦略に大きく影響することとなる。PLNTの出店戦略はルーラル立地における店舗展開を経営戦略の一環にすえているが、今後は、店舗面積が2,000坪クラス、すなわちPLANT-2タイプの規模がその大きさの限界となる。したがって、今後、PLANTはPLANT-2をメインに店舗開発を行っていく必要があり、これに見合った商品戦略、店舗運営、販売計画等を構築する必要があるという。ただ、現状の財務状況を考えると、当面新規出店は厳しい状況といえよう。
その出店余力であるが、出店にかかわる資産である土地、建物、敷金保証金等の合計は209.21億円(昨年161.07億円)となり、総資産368.53億円に占める割合は56.7%である。これを1店舗当たりで見ると10.46億円となり、通常の食品スーパーマーケットと比べると倍以上の多額の出店にかかわる資産である。したがって、出店余力は自己資本比率-出店にかかわる資産となるが、自己資本比率が現状16.4%であるので、差し引き40.3%となり、大半を負債に負う財務構造となっているのが現状である。また、その負債の主要項目である長短借入金の合計であるが、188.84億円(昨年154.96億円)となり、昨年よりも約30億円増加し、総資産に占める割合は、51.24%と多額に及び、出店の大部分を借入に負う財務構造であり、この数字を見る限り、財務的には、新規出店が極めて厳しい状況といえよう。
これを踏まえて、通期予想であるが、売上高900.00億円(108.3%)、営業利益11.00億円(190.2%:売上対比1.22%)、経常利益10.00億円(212.4%:売上対比1.11%)、当期純利益5.00億円(187.0%:売上対比0.55%)と新店が寄与し、増収増益となるが、当期純利益は5億円の予想であり、財務的にはまだまだ厳しい状況が続くといえよう。今後、PLANTにとっては、マーチャンダイジング力を改善し、キャッシュフローを生み出すことが、企業の存続にとって重要な経営課題といえ、いかにマーチャンダイジング力を高めるかがポイントである。今後のPLANTのマーチャンダイジング力がどこまで改善されるかに注目したい。
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