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November 08, 2008

原信ナルスホールディンス中間、増収減益、厳しい決算!

   原信ナルスホールディングスが11/4、2009年3月期中間決算を公表した。売上高582.03億円(104.2%)、営業利益14.32億円(82.4%:売上対比2.46%)、経常利益13.73億円(75.1%:売上対比2.35%)、当期純利益5.79億円(114.8%:売上対比0.99%)と増収減益となる厳しい決算となった。増収となった要因は、今期は新規出店がなかったが、既存店が好調であったことによる。その中身は、内食回帰の影響を受け、生鮮等が特に好調であったためである。その中でも主要部門である精肉の構成比が昨年の9.8%から10.7%へと大幅に上昇しており、伸び率も112.5%と全部門で断トツのNo.1となり、生鮮全体を牽引した。また、精肉以外にも、デイリー、グロサリーも106%の伸びとなっており、これらの部門が食品全体を押しあげ、堅調な売上となったといえよう。

   原信ナルスホールディングスは、現在、原信46店舗、ナルス16店舗の合計62店舗の食品チェーンストアであり、それぞれの店舗の特徴は以下のようである。原信は1日当り客数が約3,000人であり、客単価1,745円、PI値1019%、平均単価171円であるのに対し、ナルスは1日当たりの客数が2,000人弱、客単価1,834円、PI値1,095%、平均単価167円である。客数は原信の方が多いが、客単価はナルスの方が高いという特徴がある。

   ただ、今回、売上は堅調な数字ではあったが、利益が減益となった。その要因を原価、経費の面から見てみると、今期の原価は73.22%(昨年72.65%)と原価が0.57ポイント上昇した。結果、売上総利益は26.78%(昨年27.35%)となり、粗利が昨年より下がったことが大きかった。一方、販売費及び一般管理費も24.68%(昨年24.23%)と、0.45ポイント上昇し、ダブルでマイナスとなり、結果、マーチャンダイジング力は2.10%(昨年3.12%)となる厳しい結果となったことによる。原信ナルスホールティングスは営業収入が計上されていないため、マーチャンダイジング力=営業利益となるが、今期、営業利益が減益となった理由は、このように原価、経費双方がダブルで上昇したためであり、厳しい経営状況であったといえよう。特に、原信は営業利益、経常利益、当期純利益、いずれも順調な数字であったが、ナルスが営業利益は微減となり、経常利益、当期純利益ともにマイナスとなる厳しい結果となったことが大きかったといえよう。

   これを受けて、通期予想であるが、売上高1,150.00億円(103.1%)、営業利益32.00億円(88.2%:売上対比2.78%)、経常利益31.00億円(83.2%:売上対比2.69%)、当期純利益14.00億円(91.2%:売上対比1.21%)と、この中間決算同様、増収減益の厳しい予想である。ただ、後半は原信が11月に南万代店(年商予想17.00億円)、ナルスが12月に国府店(年商予想21.00億円)を移転増床の予定もあり、来期はさらなる増収が期待できる見込みである。

   今期、原信ナルスホールディングスの新店がなく、業績が伸び悩んだ背景には、将来への投資として、物流センターへの投資を優先したこともあるといえる。既存の中之島物流センターに加え、7月に上越物流センター竣工し、大規模物流センター2カ所体制となった。どちらも、TC(トランスファー)とDC(ディストリビューション)を兼ね備えた最新の物流センターである。これにより、商品戦略、販売戦略、出店戦略を支える強力な強みができ、さらに、複数拠点化の実現により非常時(地震等)の事業継続性が確保されたという。この物流センターへの投資を優先させたことが、新規出店という成長性が抑制された要因のひとつともいえよう。

   ちなみに、原信ナルスホールディングスの出店余力を見てみると、総資産501.00億円であり、自己資本比率は42.9%(昨年43.7%)である。出店にかかわる資産である土地、建物、敷金及び保証金の合計は287.75億円であり、これは総資産の57.4%であり、1店舗当りに換算すると4.64億円となる。したがって、出店余力である自己資本比率から出店にかかわる資産を引いた数字は-14.5%となり、やや負債に頼る出店構造となっているのが現状である。その負債の主要項目である長短借入金の合計は148.31億円であり、総資産の29.6%であり、財務負担がやや大きい状況であるといえよう。したがって、負債に頼る新規出店をせざるを得ない構造といえ、今後、安定成長をしてゆくには、一層、負債を削減し、自己資本比率を高めてゆく必要があろう。

   そこで、キャッシュフローであるが、営業活動によるキャッシュフローは24.94億円であり、投資活動によるキャッシュフローは-18.32億円となり、結果、フリーキャッシュフローは6.62億円である。次に、財務活動によるキャッシュフローを見てみると、5.93億円とプラスになり、結果、資金は12.55億円となった。気になるのは、投資活動までは順流の流れであったが、財務活動では逆流となったことである。これは、長期借入金を21.39億円返済しているが、新たに34.00億円借り入れたためである。この中間期では、残念ながら、負債が削減されず、出店余力がやや弱くなっていることが気になるところである。

   このように、原信ナルスホールディングのこの中間期の決算は増収とはなったが、減益となる厳しい決算となり、通期予想も同様に厳しい決算が予想され、今期は厳しい経営環境が予想される。ただ、今期は、物流体制が整い、マーチャンダイジング力を高める営業体制ができたこともあり、今後、原信ナルスホールディングスが安定成長へ向けて、マーチャンダイジング力を高める経営環境は整ったといえよう。あとは、そのマーチャンダイジング力によりキャッシュフローを生み出し、借入を返済し、出店余力を高められるかが次の課題といえよう。原信ナルスホールディンスのキャッシュフローが今後どのような流れになるかに注目したい。

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November 8, 2008 in 経済・政治・国際 |

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