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December 22, 2008

売上速報、食品スーパーマーケット11月度、一転好調!

   食品スーパーマーケットの2008年11月度の売上速報が明らかになった。現在、上場食品スーパーマーケットは約50社あるが、その内、約半分の25社が売上速報を公開している。11月度は、先月度までやや伸び悩んでいた売上が一転、106.2%となる好調な売上となった。集計食品スーパーマーケット25社中、23社が昨対をクリアーし、しかも110%以上の食品スーパーマーケットが8社という好調さであり、ここへ来て、消費者の節約志向に合致した食品スーパーマーケットへの消費者の需要が急激しているようである。
  
   折しも、12/20の日経では、「ロイヤルHD、60店閉鎖、ファミレスなど3年間で、最終赤字今期50億円、地方中心に苦戦」という見出しのもと、外食産業の苦戦の記事が掲載された。すかいらーくは約200店、デニーズは140店、リンガーハットは53店、京樽はファミリーレストランから撤退ということであり、外食の厳しさが浮き彫りになっているが、まさにその対極にある内食需要の代表的な業種、食品スーパーマーケットに消費が急激に移行している状況が浮かび上がったともいえる。また、コンビニも現在、taspo効果もあるが、絶好調であり、明らかに、ここへ来て、消費環境の潮目が変わったといえる数字の変化である。
  
   この好調な食品スーパーマーケットの中での、この11月、No.1となったのはイズミである。イズミはグラフのみ公開で正確な数字がつかみにくいが、117.3%となる大幅な伸びであり、しかも、既存店も103.2%と堅調であった。特に、イズミは6/21のゆめタウン出雲の新店に加え、11/11、ゆめタウン三豊をオープンしており、特に、この店舗のオープンセールもあり、11月度は売上がはね上がったことも寄与した。さらに、12/9には、ゆめタウン丸亀を四国、香川県にオープンしており、今期、イズミは高成長が期待される。イズミはこのゆめタウン丸亀店で全部で77店舗目となる。
  
   イズミについで、成長率の高かった食品スーパーマーケットはマックスバリュ東海である。115.7%であり、特に、8/1にM&Aが成立したシーズンセレクトの売上がオンしたこともあり、好調な数字である。既存店も103.5%と堅調な数字であり、客単価よりも客数が全体119.5%、既存店103.3%とよく伸びている。No.3はハローズであり、114.3%である。既存店も102.4%と堅調であり、マックスバリュ東海とは逆に、客単価が全体104.2%、既存店103.4%と良く伸びている。
   
   以上の3社がこの11月、特に売上の伸び率が高かった食品スーパーマーケットであるが、この11月は上記以外でも5社110%以上の売上が伸びた企業がある。No.4のマルエツは111.1%、既存店も104.4%と好調であり、客数、客単価ともにプラスとバランスの良い伸びである。ついで、ダイイチ110.6%(既存店103.3%)、マックスバリュ西日本110.5%(101.3%)、大黒天物産110.2%(107.5%)、バロー110.0%(102.0%)と続く。ここまでが全体110%以上の食品スーパーマーケットであり、しかもすべて、既存店も好調であり、昨対100%を超えた。特に、大黒天物産はこの11月度、全食品スーパーマーケットの中で、既存店が最も高い数字であり、107.5%となった。客単価よりも客数が108.8%、既存店106.1%と良く伸びており、好調である。消費者の価格志向が表れた結果といえよう。
   
   また、110%まではいかなかったが、105%以上の堅調な伸びを示した食品スーパーマーケットは、PLANT108.8%(既存店95.2%)、ヤオコー108.7%(104.4%)、スーパーバリュー108.4%(105.1%)、マックスバリュ東北108.0%(99.9%)、ヤマザワ105.7%(104.4%)、九九プラス105.7%(103.7%)である。PLNATは10月度は伸び率No.1であり、この11月度も108.8%と好調であったが、順位は9位となる数字となり、それだけ、他の食品スーパーマーケットの伸びがこの11月度は大きかった結果といえよう。また、ヤオコーは108.7%と堅調な伸びであり、しかも、客数、客単価、PI値、平均単価の全店、既存店すべてがプラスという結果であり、きわめてバランスのよい伸びを示している。
   
   逆に、この11月度、伸び悩んだ食品スーパーマーケットであるが、CFSコーポレーション94.4%(既存店98.8%)、マックスバリュ北海道94.6%(90.7%)、トーホー100.0%(98.7%)、エコス100.4%(96.9%)、アークランドサカモト101.0%(96.9%)、カスミ102.5%、マックスバリュ中部102.5%(100.6%)である。100%を割ったのは、CFSとマックスバリュ北海道のみであり、いかに、この11月、食品スーパーマーケットの売上が好調であったかがわかる。なお、以前はマックスバリュグループが好調、不調の2極化を呈していたが、この11月は、No.2マックスバリュ東海、No.6マックスバリュ西日本、No.12マックスバリュ東北、No.20マックスバリュ中部、No.24マックスバリュ北海道と完全に分散した順位となった。
   
   このように、11月度の食品スーパーマーケットの売上速報は極めて好調な伸び率を示しており、明らかに10月度までとは様相を呈した結果となった。各社の順位も激しく入れ替わっており、全体的に追い風が吹いている状況といえよう。もう1週間後には年末商戦となるが、大手GMS等は空前の価格訴求を打ち出しているが、食品スーパーマーケットとしては、今年は内食需要が高まっているので、ごく普通の普段の食生活に必要な重点商品の欠品に最大の注意を払う必要があろう。来月は年末商戦の結果が反映された売上速報となるが、どのような結果となるか気になるところである。

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