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December 24, 2008

売上速報、コンビニ11月度、109.9%、百貨店を抜く!

   12/22、日本フランチャイズチェーン協会から、2008年11月度のコンビニの売上速報が公表された。集計コンビニは、エーエム・ピーエム・ジャパン、ココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの11社であり、41,666店舗である。売上は109.9%(6,577.58億円)、既存店107.4%(6,071.12億円)となる極めて好調な数字である。10月度は、110.5%(既存店108.1%)、9月度108.9%(既存店106.6%)、8月度107.5%(既存店105.3%)、7月度114.0%(既存店111.7%)、6月度106.4%(既存店104.2%)、5月度105.8%(既存店103.7%)、4月度102.0%(既存店99.8%)、3月度101.5%(既存店99.4%)、2月度103.5%(101.2%)、1月度100.2%(既存店98.4%)という状況であり、明らかにtaspo効果であり、5月頃から顕著に売上が上昇に転じ、現在、ほぼ110%前後で推移しているといえよう。この傾向は、来年5月頃までは続くと思われ、小売業界の中で、食品スーパーマーケットと並び、好調な売上である。
  
   もう少し、この11月度の中身を見てみると、来店客数は108.6%(11.21億人)、客単価は101.2%(586.5円)であるので、客数が大幅に上昇しての売上増であることがわかる。一般に客数が増加する要因は、既存顧客の来店頻度があがるか、新規顧客が増えるか、あるいは、双方であるが、商品別の売上を見ると、たばこの属する非食品(構成比32.2%)の売上のみが26.4%と異常値になっており、その他は数%であるので、新規顧客よりも既存顧客が増加したことが大きいようである。すなわち、これまで来店していた顧客がたばこを購入するために、来店回数を増やしたのではないかと思われる。
  
   ちなみに、コンビニの1日当たりの客数であるが、月間11億2,144.9万人であり、店舗数が41,666店舗であるので、897人である。仮に平均単価を200円とすれば、MD方程式、売上=金額PI値(客単価)×客数=PI値×平均単価×客数から、売上(52.60万円)=金額PI値(586.5円)×客数(897人)=PI値(293.3%)×平均単価(200円)×客数(897人)となる。これに、売上構成比、日配33.5%、加工食品30.1%、非食品32.2%、サービス4.2%を考慮すると、コンビニの平均顧客像は、平均200円前後の商品を、来店して、弁当かデザートなどから1品、ドリンクか菓子などから1品、雑誌か雑貨などから1品の合計3品ぐらい購入しており、その人数がだいたい900人ぐらいであるということである。
  
   このような消費行動をするコンビニが驚くことに、この売上の好調さを背に受けて、小売業界全体の構造変化をもたらしており、12/19の日経によれば、とうとう、コンビニが2008年度、今年度の売上が、百貨店をはじめて抜き去ることになるという。びっくりである。見出しでも、「コンビニ、百貨店を抜く、今年の売上高、消費構造が変化」であり、記事の中でも1975年から、2008年の予想までがグラフ化されているが、昨年ぐらいから百貨店の売上推移とコンビニの売上推移が接近してきており、2008年度で両者が交わっており、明らかにコンビニの勢いが増しているのがわかる。百貨店は1991年以降、下降傾向が鮮明であり、コンビニは逆に緩やかに上昇傾向であり、ここへきて、特に今年はtaspo効果もあり、一気に百貨店を抜きさるものとグラフを見ると推測される。

   グラフの中ではスーパーの売上も示されているが、スーパーの売上も漸減傾向ではあるが、金額が15兆円弱、コンビニは6兆円強であるので、まだその差はあり、当面、コンビニがこの勢いで伸びても、スーパーに追い付くには時間がかかるといえ、小売業界No.1の売上になることはないとはいえる。ただ、コンビニが百貨店を抜き去ることは、まさに時代の趨勢を反映しているといえ、百貨店関係者にとっては大きなショックであろう。

   ちなみに、最新の商業統計を見ると、小売業界全体がどのような状況にあるかがよりマクロに細かくわかる。商業統計は3年ごとに調査が行われ、現在公表されているのは平成19年度(2007年度)のものであり、3年前の平成16年度(2004年度)と比較ができるが、これを見ると、百貨店は-3.9%、コンビニは+0.6%であり、金額ベースでは百貨店が7.68兆円に対して、コンビニが6.96兆円であり、まだその差は0.5兆円強あるが、この2008年度のコンビニのtaspo効果の異常な伸びが、逆転を許した要因となったといえよう。その他の業種では、総合スーパーが-11.5%であり、百貨店以上に伸び率では厳しい状況である。専門スーパーでは衣料品スーパーが+4.2%、食料品スーパーが0.0%、住関連スーパーが-8.9%(内、ホームセンターが-3.1%)であり、ドラックストアが+15.9%である。ドラックストアの伸びが異常値であるが、金額では約3兆円であり、コンビニのほぼ半分である。金額で最も大きいのは食料品スーパーであり、17.05兆円である。

   このように、taspo効果により、コンビニの売上がこの5月ぐらいから好調に推移しはじめており、少なくとも今後、6ケ月は好調さが続くものと推測される。結果、この勢いが今期年間売上で百貨店を抜き去るのは確実となるものと思われる。しかも、コンビニはディスカウント訴求が原則ない売価政策をとっているので、今期の決算は空前の増収増益となる可能性が高いといえ、来月2月、3月は好決算が期待されよう。

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