今週の株価、食品スーパーマーケット、厳しい状況!
いよいよ、日本も政府、日銀一体となった金融財政政策が動きはじめたといえよう。12/19、日銀が政策金利を0.3%から0.1%への利下げを決定し、しかも、異例ともいえるCP(コマーシャルペーパー)の買い切りを実施するという。現在、大手企業はCPを発行しても買い手がみつからず、やむをず、銀行に頼る資金調達を行い、これが、結果的に銀行の中小企業への貸し出しを圧迫するなど、全国的な規模で、信用収縮が、特に中小企業で起こっているといえる。今後、日銀がCPを買い切ることにより、銀行も大企業から中小企業への融資の増加が期待され、中小企業の資金繰りのひっ迫がこれまでよりは緩和されることになろう。
食品スーパーマーケット業界、そして、小売業界はまだまだ中小企業が多く、その意味で、今回の日銀の対応は政策金利0.1%への利下げを含め、CPの買い切りも歓迎すべきことではあるが、実際の経済が予想通り、動くか、年末を迎え、予断を許さない状況が続くといえよう。ただ、このような思い切った日銀の政策が発動されても、12/19の日経平均は8,588.52円(-78.71円、-0.91%)と下がっており、すでに、市場は織り込み済みとみえ、依然として、厳しい状況が続いているといえる。チャートを見ても、11月以降、すでに1ケ月以上、8,500円前後で推移しており、株価は回復の兆しが見えず、横ばいの状況が続いている。今後、さらに、日銀の思い切った政策、政府の景気対策などが待たれる状況ともいえよう。
このような中で、12/19の食品スーパーマーケット業界の株価の推移であるが、5日移動平均で見て、1.0%以上の株価となったのは以下の企業である。PLANT240円(株価騰落率1.26%、5日移動平均乖離率5.26%)、マルキョウ387円(4.03%、5.16%)、マツヤ600円(0.0%、2.73%)、ヤマナカ955円(0.0%、2.35%)、丸久976円(0.10%、2.30%)、ヤオコー2,810円(0.71%、2.10%)、北雄ラッキー420円(0.0%、1.94%)、ダイイチ575円(0.0%、1.59%)、マミーマート1,219円(-1.52%、1.40%)の8社である。ただ、いずれの株価も、26週移動平均乖離率(長期トレンド)は、-8.04%、-21.65%、1.52%、0.84%、2.41%、-13.45%、-2.55%、-6.65%、-0.24%とマイナスかわずかなプラスであり、株価は厳しい状況であるといえる。
ちなみに、26週移動平均乖離率で1.0%以上の食品スーパーマーケットを見てみると、大黒天物産1,450円(株価騰落率3.86%、26週移動平均乖離率29.23%)、バロー983円(-0.50%、11.70%)、相鉄ローゼン469円(0.21%、5.63%)、アオキスーパー905円(-0.11%、4.48%)、ライフコーポレーション1,763円(-1.12%、4.31%)、サンエー3,420円(-4.73%、4.01%)、エコス662円(-1.63%、3.92%)、ジョイス478円(0.00%、2.79%)、丸久976円(0.10%、2.41%)、フジ1,724円(-1.31%、2.01%)、マツヤ600円(0.0% 、1.52%)、MV中部910円(1.33%、1.11%)、いなげや896円(-0.55%、1.01%)である。先週同様、大黒天物産がダントツであり、ついで、バローも高い数字である。
そこで、この2社のチャートを見てみると、大黒天物産はこの数日は確かに、若干下がりぎみで推移しているが、今週はじめ、12/15には年初来高値となる1,552円をつけており、特に、12月に入っては好調な株価が続いている。11月は1,200円から1,300円の株価が続いていたが、現在は1,400円から1,500円の株価となっており、厳しい食品スーパーマーケット業界の株価の中では注目株といえよう。そして、バローであるが、11月以降、見事に右上がりの株価が続いており、ここ数ケ月では最も高い株株価である。リーマンブラザーズショック以降、10月度は700前後で推移していたが、その後、株価は反転し、まさに、右上がりで1ケ月以上続いており、大黒天物産と並び、現在、注目株といえよう。
では逆に、今週、厳しかった株価を、5日移動平均乖離率2.0%以下の食品スーパーマーケットで見てみたい。イオン北海道306円(株価騰落率-11.30%、5日移動平均乖離率-11.30%)、マルヤ109円(-5.21%、-5.21%)、九九プラス60,500円(0.16%、-3.95%)、カスミ486円(-2.99%、-3.76%)、サンエー3,420円(-4.73%、-3.66%)、平和堂1,360円(-2.85%、-3.06%)、オオゼキ2,485円(-2.16%、-2.85%)、CFS612円(-2.70%、-2.23%)、Olympic587円(-2.65%、-2.16%)、ライフコーポレーション1,763円(-1.12%、-2.05%)である。特に、イオン北海道は-11.30%、マルヤは-5.21%と、ここ最近大きく株価が下がっており、厳しい状況である。
ちなみに、今週のPBR(株価純資産倍率)が0.70倍を切った食品スーパーマーケットとその時価総額を見てみると、マルキョウ387円(PBR0.15、時価総額61億円)、マルヤ109円(0.24、25億円)、PLANT240円(0.26、16億円)、Olympic587円(0.48、137億円)、イズミヤ577円(0.50、504億円)、ダイイチ575円(0.53、23億円)、ヤマザワ1,272円(0.60、139億円)、ジョイス478円(0.61、53億円)、天満屋ストア761円(0.65、88億円)、アークランドサカモト935円(0.66、193億円)、MV東海1,400円(0.70、245億円)という状況である。
このように、今週の食品スーパーマーケット上場企業約50社の株価を見てみたが、注目すべき株は大黒天物産、バローの2社をはじめ、数社の状況であり、厳しい株価が依然として続いているといえよう。特に、PBRも1.0倍を切る食品スーパーマーケットも増えており、しかも、時価総額がわずか数十億円の企業もあり、いつ、M&Aがかかってもおかしくない状況といえ、来期は食品スーパーマーケット業界も再編が本格化しそうである。これから、年末年始を迎えるが、来週以降も食品スーパーマーケットの株価の動向に注目といえよう。
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