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December 19, 2008

神戸物産、2008年10月度本決算、増収減益、後半好調!

   業務スーパーを全国にFC展開する神戸物産の2008年10月度の本決算が12/15、公表された。業務スーパーは、今年1月の冷凍餃子事件、その後、中国乳製品のメラニン検出、さらには、事故米問題とあいついで、業務スーパーの根幹にかかわる問題に直面し、厳しい経営状況が続いた。その結果、売上高1,071.46億円(112.6%)、営業利益10.19 億円(66.5%売上対比0.95%)、経常利益7.97億円(49.9%:売上対比0.74%)、当期純利益4.43億円(45.6%:売上対比0.41%)となり、増収とはなったが、大幅な減益となる厳しい決算となった。

   現在、業務スーパーの店舗数は全国でFC店479店舗及び直営店2店舗の合計481店舗を展開している。店舗数は今期決算初めの昨年11月度が477店舗であったので、4店舗の微増であったが、後半から既存店の売上が上昇し、今期112.6%という売上に関しては好調な数字で推移した。業務スーパーは売上区分を直轄エリアと地方エリアに分けて管理しており、直轄エリアは関西(兵庫県、大阪府、京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県)、関東(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)と都市部であり、地方エリアはこれ以外の地区である。今期の数字を見ると、地方エリアが売上に大きく貢献しており、特に、後半は150%前後の伸びを示しており、これが、特に今期の売上を押し上げた要因といえよう。

   一方、厳しかった利益の方であるが、売上原価は94.7(昨年95.9%)となり、この厳しい経営環境の中で、1.2ポイントと大幅に改善し、結果、売上総利益は5.3%(4.1%)と大幅な上昇となった。これに対し、販売費及び一般管理が4.4%(2.5%)と1.9ポイントと大幅な上昇となり、結果、営業利益が0.9%(1.6%)と0.7ポイント下がるという結果となった。大幅減益の要因は経費の大幅な上昇にあるといえよう。その経費項目の中身を見てみると、金額にして、昨年の23.35億円が47.19億円となったので、23.84億円の増加であり、大きい順に見てみると、賃金給料及び諸手当4.94億円、運賃3.26億円、減価償却費3.02億円、営業業務委託料2.91億円等である。

   これらの状況に対し、神戸物産も生産拠点を中国からエジプト、べトナムなどへの分散を図っているが、まだ、本格的な生産には至っておらず、来期の大きな課題であるといえよう。また、事業構造も業務スーパーから新規事業への参入をはかり、飲食、サービス業への参入も図っている。ただ、今期決算では、業務スーパー1,056.96億円、神戸クック(飲食)9.8億円、リラクゼーション・ステイ事業(サービス)6.98億円という数字であり、業務スーパーの売上構成比が98.4%であり、業務スーパー一極集中型の事業構造である。

   これを踏まえて、来期予想であるが、売上は今期も後半は絶好調であり、節約志向の消費が業務食品の購買を押し上げているといえ、こしばらくは好調が続く予想である。したがって、売上高1,310.00億円(122.3%)、営業利益18.7億円(184.0%:売上対比1.43%)、18.75億円(235.3%:売上対比1.43%)、当期純利益11.10億円(250.6%:売上対比0.84%)と利益も回復の見込みであり、大幅な増収増益を予想している。

   これを受けて、神戸物産の株価の推移であるが、12/15の決算発表の日は950円であったが、12/16、いきなり、1,049円(110.4%、99円)と上昇し、12/17、1,060円(101.0%、11円)、12/18、1,061円(100.0%、1円)となった。この数ケ月間、950円前後で推移していた株価であったが、この決算後、1,050円を超える上昇であり、投資家は買いと見たようである。

   では、今期の神戸物産の財務状況はどうであったかを見てみたい。特に気になるのはこの未曽有の金融不安の中でのキャッシュフローの流れである。営業キャッシュフローは、9.33億円と営業利益が厳しかった分、昨年の17.17億円と比べ、ほぼ半分となる厳しい状況であった。投資キャッシュフローであるが、新規事業への有形固定資産の取得19.84億円等があり、-24.60億円となり、フリーキャッシュフロー-15.27億円となる逆流となった。営業キャッシュフローを大きく超える投資キャッシュフローである。そして、財務キャッシュフローであるが、長短借入金の返済などがあり、-3.91億円となり、トータル-19.18億円という厳しいキャッシュフローの流れである。したがって、現金及び現金同等物の期末残高は昨年の110.88億円から91.40億円の減少となった。

   また、自己資本比率であるが、48.3%(昨年51.8%)とやや減少したが、負債の主要項目である長短借入金等は0.68億円とほぼ0に近い数字であり、健全な財務状況である。神戸物産の負債がやや重いのはフランチャイズを主体としているため、預かり保証金が大きく、今期は31.75億円であり、これが総資産268.18億円の11.8%となるためである。資産については、これもフランチャイズ主体の経営であるため、固定資産は総資産の27.4%しかなく、最も大きな資産は現金及び預金92.20億円、売掛金65.65億円、棚卸資産37.71億円であり、この合計が182.56億円となり、総資産の71.8%にもなる。食品スーパーマーケットとは全く逆の資産構造である。

   このように、今期の神戸物産の決算は業務スーパーが今期後半、節約志向の追い風が吹き、前期の中国冷凍餃子事件等の悪影響を克服し、売上は好調な数字を示した。ただ、利益は厳しい状況とはなったが、これも来期は回復見込みが予想され、来期は大幅な増収増益が期待される。厳しかった業務スーパーの経営もようやく転換点に入ったといえ、来期は期待が持てそうである。

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