家計調査データ2008年10月、実質96.2%、名目98.2%!
2008年10月度の家計調査データが11/28公表された。結果は実質、96.2%、名目でも98.2%となる消費の落ち込みとなる、厳しい数字といえよう。特に、実質96.2%となった要因は寄与度の高い順に主要部門を並べてみると、光熱・水道-0.54(実質91.8%、名目99.1%)、交通・通信-0.38(実質97.1%、)名目98.8%)、保険医療-0.34(実質92.4%、名目92.3%)、食料(外食を含む)-0.34(実質98.5%、名目101.7%)、被服及び履物-0.27(実質94.0%、名目94.6%)である。これを見ると、資源、エネルギー、原材料高の高い部門の消費が実質下がっており、ちょうど、消費者物価指数(CPI)と裏腹の関係になるといえよう。その中でも、食料品の名目はプラスとなっており、家計にじわじわと消費が圧迫している状況が伺える。
そこで、食品スーパーマーケットと極めて関係の深い、食料について見てみたい。家計調査データでは食料の中に外食が入っているので、ここでは外食を抜いた純粋な食品スーパーマーケットの取扱部門、食品で見てみたい。家計調査データでは、細分化項目については、実質の数字が公表されていないので、名目で見ることにする。また、家計調査データは世帯当たりの月間の数字であるので、これを食品スーパーマーケットの金額PI値と比較するために、1日当たりの数字に直し、なおかつ、消費世帯全体とその項目の消費世帯のみの数字、および、その項目の消費世帯のみの割合も参考に見てみたい。
まず、名目の全体数字であるが、1,982.81円(101.9%)と約2%、昨年10月度と比べて消費が上昇している。当然、本ブログで取り上げた消費者物価指数(CPI)の状況とも重なり、資源、エネルギー、原料高の影響を受けた部門の上昇が大きい。実際、これを部門別でみると、菓子類193.65円(108.9%)、肉類212.74円(104.8%)、酒類112.52円(104.0%)、油脂・調味料107.29円(103.5%)、果物107.65円(102.5%)、穀類252.52円(102.4%)、調理食品265.06円(102.1%)となり、これらが、この10月度、上昇率が大きい部門である。逆に、消費が下がった部門であるが、飲料115.97円(97.5%)、魚介類224.16円(98.3%)、野菜・海藻284.84円(98.8%)と、この3部門の落ち込みが大きかったといえる。
では、消費が上昇した項目をさらに細目で見てみると、菓子部門では、カステラ2.55円(131.7%)、チョコレート菓子3.32円(124.1%)、キャンデー7.32円(123.4%)、ビスケット8.87円(121.7%)、チョコレート10.97円(114.1%)、スナック菓子10.39円(111.4%)と、のきなみ好調であり、絶好調といってよいであろう。この10月度の消費は、名目では菓子が大きくひっぱっているといえよう。ついで、肉類であるが、110%を超えたのは、鶏肉36.00円(114.7%)のみであるが、あいかわらず、鶏肉は好調である。酒類では、ウイスキー3.61円(140.0%)、発泡酒17.58円(111.0%)であり、特に、ウィスキーが絶好調である。ウィスキーについては、消費世帯のみの金額が110.49円(96.8%)、消費世帯の割合が3.3%(144.7%)であり、消費世帯の割合がグッと増えたのが全体の数字を大きく伸ばした要因であり、ここへきて、ウィスキーを愛飲する世帯が増えた結果であろう。
油脂・調味料であるが、食用油8.84円(119.1%)、マーガリン2.42円(117.2%)、つゆ・たれ11.00円(111.1%)が110%以上伸びており、特に、つゆ・たれは、小麦粉関連、麺の伸びが大きいからといえよう。果物では、何といってもバナナが18.23円(170.7%)と異常値であり、ついで、キウイフルーツ2.13円(124.5%)、なし13.65円(118.2%)が大きかった。穀類では、小麦粉関連の伸びが大きく、特に、スパゲッティ3.87円(134.8%)、小麦粉1.84円(118.8%)、中華めん11.16円(115.0%)の伸びが顕著である。そして、調理食品であるが、全体の伸びは堅調ではあるが、110%以上のものはなく、弁当36.61円(109.1%)、そうざい材料セット11.32円(109.0%)が110%に近い伸び率であり、内食回帰が進んでいる状況がうかがえる。
逆に、消費額が落ち込んだ部門であるが、飲料では、乳酸菌飲料8.45円(84.5%)が顕著であるが、これ以外は微妙な落ち込みであり、逆に、紅茶2.03円(137.0%)、乳飲料3.74円(116.0%)など、伸びた項目もある。魚介類では、かき2.65円(81.2%)、まぐろ14.10円(82.9%)、さば3.58円(86.7%)、さしみ盛合わせ12.81円(89.0%)などが80%台の項目である。そして、野菜・海藻であるが、80%台は、なす4.55円(86.0%)のみであるが、これ以外にねぎ8.61円(90.5%)、豆類 1.35円(91.3%)、レタス6.03円(91.7%)、だいこん漬3.32円(92.8%)、こんぶつくだ煮2.97円(92.0%)、はくさい漬1.97円(93.8%)などが、80%に近い落ち込みである。特に、漬物、佃煮関連の消費が下がっているのが特徴といえよう。
このように、2008年10月度の家計調査データが明らかになったが、ちょうど、消費者物価指数(CPI)と裏腹の関係となり、資源、エネルギー、原料関連の項目の消費が名目で伸びている状況であり、これは、価格が上昇しても、消費者は生活必需品の量は大きく落とすことなく消費をしている結果といえよう。逆に、生活必需品に遠い消費、代替がきく消費に関しては、節約している様子をうかがうこともできる。今後、急激に消費が冷え込むことが予想される経済環境になりつつあるが、ますます、この節約志向は高まるといえ、来月以降の家計調査データの動向に注目といえよう。
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