マウキョウ、2008年9月決算、増収増益、売上伸び悩む!
マルキョウが2008年9月期の決算を公表した。売上高947.07億円(100.5%)、営業利益26.36億円(114.6%:売上対比2.78%)、経常利益27.61億円(114.0%:売上対比2.91%)、当期純利益13.56億円(155.5%:売上対比1.43%)と、売上はわずかな伸びであったが、増収増益の決算となった。今期は、南大利店の新規出店に加え、既存店の改装を17店舗(警弥郷店、川棚店、福重店、駛馬店、東油山店、高泉店、宝町店、穴生店、長与店、黒髪店、曽根店、田村店、三潴店、宗像店、大野店、川久保店、高田店)実施し、2店舗(名島店、ニュー諫早店)を閉店し、売上のアップを図ったが、残念ながら売上は、100.5%とわずかな伸びにとどまった。
マルキョウは、年商1,000億円がもうわずかなところにあるが、あと、50億円の増収へ足踏みしており、厳しい売上の伸び悩みが続いている。来期、2009年9月期の決算予想も、売上高956.00億円(100.9%)、営業利益26.50億円(100.5%:売上対比2.77%)、経常利益27.85億円(100.9%:売上対比2.91%)、当期純利益13.60億円(100.3%:売上対比1.42%)とのことであり、依然として、売上が伸び悩む状況が続くという。
今期のその要因は、マルキョウのキャッシュフローの流れが逆流となったことにあり、資金繰りが厳しい状況であったことにあるといえよう。その今期のキャッシュフローの流れであるが、営業キャッシュフローが、当期純利益が13.56億円となったにも関わらず、-24.85億円となるマイナスとなった。これは、金融機関の定休日の関係で、1ケ月分仕入債務が増加したため、55.01億円のキャッシュフローの減少が起こり、今期の会計年度時点で、キャッシュフローが逼迫したためである。そのため、これに投資キャッシュフローが-12.13億円発生したため、フリーキャッシュフローが-36.98億円となる厳しい資金繰りとなった。投資キャッシュフローの主な内訳は、定期預金への預け入れが34.12億円、有形固定資産の取得が12.18億円の支出であり、収入は25.11億円の定期預金の払い戻しであるが、差し引き、-12.13億円となった。そして、財務キャッシュフローであるが、-22.86億円となり、これは主に長期借入金の返済への20.55億円が大きく、-2.86億円となった。結果、今期はトータル、-59.84億円となり、手持ち資金を大きく取り崩すこととなり、厳しい資金繰りであったといえよう。
では、マルキョウの今期のマーチャンダイジング力と出店余力はどうかを見てみたい。まず、マーチャンダイジング力であるが、原価は79.4%(昨年79.8%)と0.4ポイント改善した。この厳しい値上げ環境の中で、原価を改善しており、結果、売上総利益は20.6%(昨年20.2%)と上昇した。また、販売費及び一般管理費も18.3%(18.4%)と0.1ポイント改善したために、結果、マーチャンダイジング力、売上総利益-販売費及び一般管理費は2.3%(昨年1.8%)と0.5ポイント改善し、マーチャンダイジング力は向上している。したがって、営業利益については、これに不動産収入等の営業収入が0.5%(昨年0.6%)のり、最終的には2.8%(昨年2.4%)と0.4ポイント上昇した。
一方、マキョウの出店余力であるが、出店にかかわる資産である土地、建物、敷金等の合計は、418.97億円であり、これは総資産575.68億円の72.7%となる。したがって、マルキョウの自己資本比率は67.3%(昨年58.7%)であるので、差し引き、出店余力は-5.4%であり、若干ではあるが、マイナスとなった。ちなみに、マルキョウは現在93店舗であるので、1店舗当たりの出店にかかわる資産は4.5億円となる。そして、マルキョウの負債の主要項目である長短借入金等の合計であるが、91.35億円であり、これは総資産の15.8%である。したがって、新規出店に関しては、若干、負債に頼るところがあるが、自己資本の範囲内でほぼ賄える財務構造である。
こう見ると、マルキョウの出店余力は-5.4%であり、財務的には出店可能な状況であり、しかも、マーチャンダイジング力も2.3%とプラスであり、本来であれば安定成長が可能な状況である。ところが、今期は、キャッシュフローが大きな持ち出しとなり、現預金を取り崩すこととなり、新規出店関連へのキャッシュを十分に回すことができない状況となり、結果、新店が1店舗にとどまったといえよう。今後、マルキョウが安定的に105%前後成長してゆくには、全体が93店舗であるので、毎年、4から5店舗は新規出店が必要となるが、現在の出店余力、マーチャンダイジング力を見る限り、けっして、無理な財務状況ではないといえよう。ただ、今期のキャッシュフローは、金融機関の営業日の問題もあり、完全に逆流となってしまったが、来期以降はキャッシュフローが順流になると予想され、安定成長をめざすことが可能となるのではと思われる。
このように、マルキョウの2008年9月期の本決算は売上こそ伸び悩んだが、増収増益の堅調な決算となり、マーチャンダイジング力はプラス、出店余力もほぼトントンであり、借入依存度もそれほど大きな数字ではなく、今後、キャッシュフローが順流となれば、安定的な新規出店が可能となり、堅実な成長が可能な財務状況といえよう。その意味で、通期予想も売上は厳しい予想をしているが、状況によっては堅調な成長も可能ではないかと思われる。マルキョウの今後の成長戦略に期待したいところである。
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