消費者物価数指数、一転下落傾向、ガソリン下がる!
2008年11月度のCPI(消費者物価指数)が12/26、総務省統計局から公表された。結果は、総合指数が前月比から一転、下落に転じ、前月比99.1%となった。ガソリン価格が下がったことが大きく、4月以降上昇に転じていたCPI(消費者物価指数)が転機を迎えたといえよう。グラフを見ても10月から11月にかけて、CPI(消費者物価指数)が急降下しており、来年は安定した、場合によっては、物価が下がる、デフレにすらなる可能性が高くなったといえよう。
総務庁統計局は、「(1) 総合指数は平成17 年を100 として101.7 となり,前月比は0.9%の下落。前年同月比は1.0%の上昇となった。(2) 生鮮食品を除く総合指数は101.6 となり、前月比は0.8%の下落。前年同月比は1.0%の上昇となった。(3) 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は99.5 となり、前月比は0.2%の下落。前年同月と同水準となった。」とコメントしている。総合指数、生鮮品を除く総合指数は、前年比は依然として、やや高めの水準にあるが、前月比が下落に転じているとしており、食料およびエネルギーを除く総合指数は前年比も同水準となり、前月比は下落になったというので、すべての段階で前月比が下落傾向になった。
総合指数が前月比0.9%の下落となった要因を寄与率から見てみると、明らかに、ガソリン価格であり、前月比-16.0%、寄与度は何と-0.45ポイントとなり、0.9%の内、ちょうど50%、0.45%と引き下げている。逆にいえば、これまで、ガソリン価格の上昇がいかにCPI(消費者物価指数)に与える影響が大きかったかがわかる。ついで、灯油であり、前月比-17.4%、寄与度-0.16ポイントとなり、この2項目がズバ抜けて大きな影響であり、これ以外は寄与度が1/10ぐらいに下がる。外国パック旅行-0.07ポイント、ほうれんそう-0.04ポイント、はくさい-0.03ポイントなどである。
ここで少し視点を変えて、前年同月比で見た場合、10大費目の状況はどうかを見てみたい。前年同月比の全体は101.0%であり、依然1.0%の上昇となっているが、特に、上昇率が高い費目は光熱水道費104.8%、生鮮食品を除く食料104.4%であり、この2つの費目が極端に高い。逆に、マイナスの費目もあり、交通・通信97.7%、保健医療99.5%、教養娯楽99.5%、生鮮食品99.9%とこの3費目は昨年よりも下がっているのが特徴である。特に、食品に関しては生鮮食品は安定しているが、生鮮食品以外が依然として物価高となっているのが特徴といえる。
そこで、食料品に関して、この11月度のより詳細な数字を見てみたい。まず、大分類であるが、前年同月比で見ると、穀類109.3%、魚介類104.3%、肉類103.3%、乳卵類106.9、野菜・海草102.3%、乾物・加工品類104.5%、果物-5.5%、油脂・調味料105.8%、菓子類107.1%、調理食品104.8%、飲料99.9%、酒102.4%という状況である。ちなみに、外食は102.1%である。
さらに、掘り下げて、120%以上、前年同月比で物価が上昇した項目を見てみると、チーズ35.1%、 スパゲッティ33.8%、マーガリン30.8%、きゅうり26.8%、チョコレート24.6%、うなぎかば焼き24.2%、ちくわ22.2%、ひじき22.1%、ビスケット21.6%、小麦粉20.7%、即席めん20.3%である。原料高の商品が大半であるが、生鮮食品のきゅうりや惣菜のうなぎかば焼きも国産品にシフトしたためか上昇している。
これについで、10%以上前年同月比で上昇している項目を見てみると、食用油19.8%、揚げかまぼこ19.7%、バナナ18.2%、食パン18.1%、キャベツ17.6%、レタス17.0、落花生16.8%、バター16.6%、わかめ15.1%、あんパン14.0%、カレーパン13.6%、さば13.5%、かまぼこ13.0%、鶏卵11.8%、干しうどん11.5%、鶏肉11.4%、酢11.4%、マヨネーズ10.8%、しょう油10.6%である。この中で、バナナはテレビでのダイエット効果の影響が大きいといえようが、やはり、全般的には、小麦関連、穀物関連等の原料高の影響が大きいことがわかる。
ちなみに、5%以上、前年同月比の数字が落ちた項目を見てみると、かぼちゃ-16.3%、かき(果物)-14.4%、オレンジ-12.2%、りんごB-10.8%、ねぎ-9.8%、トマト-9.3%、ピーマン-9.0%、混ぜごはんのもと-8.1%、えのきだけ-7.5%、ミネラルウォーター-7.4%、グレープフルーツ-6.9%、ながいも-6.6%、れんこん-6.5%、みかん-5.8%、風味調味料-5.6%、かんしょ-5.2%、レモン-5.0%、調理カレー-5.0%であり、比較的生鮮食品関連が多いのが特徴といえよう。
このように、これまで、CPI(消費者物価指数)に大きな影響を与えていたエネルギー関連、特にガソリン価格が大きく下がったことにより、全体の数字も下がりはじめ、ここ数ケ月でははじめて、CPI(消費者物価指数)が加工に転じた。今後、石油価格の下落をはじめ、資源、エネルギー関連の相場が下落しはじめているので、さらに、CPI(消費者物価指数)は下がる可能性が高くなったといえ、この11月で山を越したのではないかと思わる。ただ、食品に関しては、まだまだやや高め傾向で下げ止まりが続いているといえるが、これも、現在、小売業とメーカーの間で厳しい価格交渉を行っているところである。先日の日経新聞でも報じられたように、来春にはかなりの商品の価格の値下げ見込まれるのとのこともでもあり、ひとまず、CPI(消費者物価指数)は落ち着きを取り戻すのではないかと予想される。次回、12月は、どのような数値となるか、注意深く見守りたい。
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