消費者物価指数(CPI)、2008年10月度102.6%!
総務省統計局から、2008年10月度の消費者物価指数(CPI)が公表された。概要は以下の通りであるが、わかりにくい。(1) 総合指数は平成17 年を100 として102.6 となり、前月比は0.1%の下落。前年同月比は1.7%の上昇となった。(2) 生鮮食品を除く総合指数は102.4 となり、前月比は0.2%の下落。前年同月比は1.9%の上昇となった。(3) 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は99.7 となり、前月比は0.1%の上昇。前年同月比は0.2%の上昇となった。要は、全体は102.6%であるが、その要因は生鮮以外の食品とエネルギー関連にあるということであり、原料高、資源・エネルギー高にあるとのことである。ここ最近、金融不安により、石油をはじめ、資源高が一段落しているが、残念ながら、まだ、消費者物価指数(CPI)には反映されておらず、もう、しばらく、時間がかかりそうである。
実際、この3つのグラフを見てみると、一目瞭然であり、(1)、(2)のグラフは昨年、一昨年と比べ、大きく上方に乖離しているが、(3)のグラフを見ると、昨年、一昨年とほぼ同じ推移を示しており、このグラフを見る限り、物価上昇が生鮮以外の食料品とエネルギー関連であることが鮮明である。
そこで、生鮮を除く食品の中では何が物価を特に押し上げているかを大分類で見てみると、穀物(寄与度0.19)、菓子類(0.17)、調理食品(0.14)が0.10以上の寄与度の分類である。また、0.10以下の寄与度の分類を見ると、肉類(0.09)、乳卵類(0.08)、油脂・調味料(0.06)、酒類(0.04)、そして、飲料(0.00)である。穀物、菓子、調理食品が3大物価上昇率を高めている分類であるといえる。また、消費者物価指数には、購入頻度別の数字も集計されており、これを見ると、年間購入頻度が9回以上と9回未満で大きく数字が違うことがわかる。9回以上では107.0%であるのに対し、9回未満は101.6%であるので、購入頻度が高い家計ほど物価高の影響を受けていることがわかる。
では、寄与度の高い3大分類、穀物(寄与度0.19)、菓子類(0.17)、調理食品(0.14)の中で、特にどの項目の消費者物価指数(CPI)が高いのかを見てみたい。まず、穀物であるが、穀類全体は106.4%である。その中で110%以上の項目を見てみると、小麦粉120.8%、 スパゲッティ127.7%、即席めん118.8%、食パン118.5%、カレーパン115.9%、あんパン114.4%、干しうどん110.2%となる。小麦粉関連の物価上昇が大きいといえよう。逆に、米類の状況をみると、もち米89.5%、国産米B94.9%、ブレンド米94.4%、うるち米95.0%、国産米A95.8%と下がっており、米はむしろ物価を引き下げる要因となっていることがわかる。ちなみに、もちも95.9%と下げており、今年の年末年始は米ともちが家計にとっては節約ということになろう。
次に菓子類であるが、チョコレート125.2%、ビスケット118.1%、落花生115.9%が110%以上の項目であり、ついで、ようかん109.6%、ケーキ109.1%、キャンデー108.8%、せんべい(小麦粉)(13)107.9%、カステラ107.6%、ポテトチップス107.6%、シュークリーム106.2%、まんじゅう105.3%、せんべい(うるち米粉)105.0%が105%以上の項目である。ちなみに、菓子類で100%を割ったのはゼリーの98.7%のみである。
そして、調理食品であるが、うなぎかば焼き131.9%、冷凍調理コロッケ122.9%、煮豆111.9%が110%以上の物価が上昇した項目であり、ついで、冷凍調理ハンバーグ109.5%、からあげ106.9%、調理パン106.8%、サラダ106.4%が105%以上の項目である。調理食品においても、100%を割った項目があり、混ぜごはんのもと92.1%、調理カレー97.4%、おにぎり99.0%である。
さらに、この3大分類以外で、120%以上、消費者物価指数(CPI)が上昇した項目を見てみると、チーズ152.6%、マーガリン130.2%、ちくわ129.7%、揚げかまぼこ125.2%、ひじき124.7%、食用油123.2%である。ちなみに、生鮮品を見てみると、120%以上の項目は、ほうれんそう138.0%、レモン133.5%、レタス133.5%、バナナ135.0%、はくさい132.6%、さといも128.6%、トマト122.1%、きゅうり120.2%のみであり、すべて、青果である。
一方、食品以外で消費者物価指数(CPI)を大きく押し下げている部門もあり、これが耐久消費財である。パソコン(ノート型) 30.7%、カメラ35.4%、テレビ(薄型) (LCD)43.6%、パソコン(デスクトップ型) (48)47.7%、パソコン用プリンタPC 49.6%、ビデオカメラ53.0%、DVDレコーダーDVD 54.2%、ステレオセット64.3%、携帯オーディオ機器69.4%であり、ほぼ、半値となっており、これはこれで、消費者にとってはありがたい数字ではあるが、メーカー、卸、小売業にてっては厳しい数字といえよう。
このように、2008年10月度の消費者物価指数(CPI)が公表されたが、依然として、資源、エネルギー関連の高騰、原料高の影響による物価上昇が続いているが、すでに、ひところの資源、エネルギー関連、原料高は金融不安の影響により収まりつつあり、これが実物価格に反映されてくれば、物価は下がることが予想される。生鮮関連、耐久消費財はこれまでも物価の上昇は見られず、むしろ、下げ気味、一部は大きく下げており、賢く消費をすれば、家計は抑えることも可能といえ、今後は、消費者がより節約志向、賢い消費が一層進むのではないかと予想される。来月以降も、特に、資源、エネルギー、原料関連の項目の動向を注意深く見てゆく必要があろう。
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