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December 20, 2008

日経ビジネスonlineでハローディを特集!

   クリスマスプレゼントではないと思うが、日経ビジネスのオンライン版で12/17、12/18と2日間に渡り、3回(上、中、下)に分けて、福岡県北九州市を中心に33店舗を展開する食品スーパーマーケット、ハローディの楽しい企画、まるで読者へのクリスマスプレゼントのような特集が組まれた。タイトルは「日本一視察が多いスーパー、ハローデイの“感動経営”」である。一見すると、アメリカの食品スーパーマーケットのディズニーランドといわれているスチューレナードのようなイメージを受けるが、記事を読み進むと、生鮮食品のきめ細かな商品づくりに力を入れており、また、従業員、パート、全社一丸となった経営参加の仕組みを実践している、堅実な食品スーパーマーケットであることがわかる。

   一般的に食品スーパーマーケットは無味乾燥なイメージがある。顧客は売り場で静かに商品を選び、買い物カゴにイチゴ、とまと、だいこん、ひき肉、刺身盛合せ、豆腐、牛乳、あんぱん、しょうゆ、ポテトチップスなど、10品ぐらいピックアップし、レジで精算をし、自宅に帰るというイメージである。ところが、このハローディは売り場を楽しさを演出する場としてとらえなおし、スローガンに、アミューズメント・フードホールを掲げたことが、これまでの食品スーパーマーケットのイメージを一新している。ちなみに、フードホールについて、ハローディは、「Amusement Food Holes というスペルについて、よくHallでは?というお問い合わせを頂きます。ですが、[Hall]を[Hole]にしたところが実はポイントなのです。人類は昔、穴蔵や洞窟[Hole]に食料を貯蔵したという逸話がございます。 それにちなみ、ハローデイも、「お客様に冷蔵庫代わりに使って頂きたい」という、想いを込めて名付けました。皆様と感動をわかちあえる、楽しいAmusement Food Holesになれれば何よりです!」と説明しており、ホールは穴という意味であるという。

   記事の中でも、冒頭にアミューズメント性の高い演出の数々の写真を掲載しており、これを見ると、まさに、スチューレナードを彷彿とさせるディスプレイの数々である。ただ、このわくわく感は、ディスプレイにとどまらず、商品づくりにまで、踏み込んでいることが、真骨頂であり、特に、記事(上)の後半では、見事な生鮮食品の売場が紹介されるが、圧巻である。青果のリンゴ、ブロッコリー、鮮魚の旬のブリ、ヒラメづくし、タイづくし、精肉の馬刺に加え、豆乳、ミネラルウォーターの売場づくりは見事である。

   通常の食品スーパーマーケットでは、このような、いわゆる手の込んだ、芸術的な商品づくりは敬遠され、人時生産性を重視した、ABC分析のA商品最優先の売場づくりとなるのが通常である。ハローディーはその意味で全く逆の発想で取り組んでおり、C商品、あるいは、誰も作ったことのないZ商品に徹底的にこだわった商品づくりを率先して行っているのが特徴である。しかも、これを社長自ら従業員に推奨しており、記事(中)で、2カ月に1度の社長視察、通称「社長フレンドリー」の状況が紹介されている。ここで、従業員はこの日に合わせて、創意工夫した珠玉の商品が披露される。カニ鍋セット、ワンタンしゃぶ鍋セット、寿司ツリーなど、通常では思いもつかない発想の商品が社長にプレゼンされ、同時に、顧客にも提案される。これが社をあげて、商品づくり、創意工夫をもたらすマーチャンダイジングへとつながってゆくといえる。

   問題は結果であるが、客単価が格段と向上し、食品スーパーマーケット業界では極めて高い坪効率を達成しているという。ハローディの年商は2008年3月現在、530.95億円であり、店舗数は32店舗である。したがって、1店舗当たり16.59億円である。通常の地方の食品スーパーマーケットとしては、平均値としては高い数字であり、中小型店としては、高い坪効率となる。ハロディーの過去4年間の1店舗当たりの年商を追ってみると、昨年が16.78億円、一昨年が15.07億円、その前が15.03億円であるので、昨年から、さらに売場が活性化しているといえ、まさに、これは、商品にこだわり、客単価が上昇し、坪効率を引き上げた成果がではじめた結果であるといえよう。坪効率では、現在、食品スーパーマーケット日本一といわれるオオゼキがあるが、オオゼキは客数を異常に引き上げ、坪効率をひきあげているが、このハローディは客単価を引き上げて坪効率を引き上げているといえ、対極にある食品スーパーマーケットであるといえよう。

   今回、日経ビジネスonlineでハローディを特集したが、あらためて、従業員の創意工夫を活かした究極の商品づくりへの挑戦が、顧客の支持を獲得し、結果として、客単価最大をもたらし、坪効率を高め、食品スーパーマーケットの経営を安定させるということが重要な経営戦略のひとつであることが実証されたといえよう。ただ、最近では、記事(下)で紹介しているように、2007年6月にオープンした足原店はそれまでのイメージとはまったく異なるという。広々とした店内に、無人ピアノがBGMを奏でるという店作りを行うなど新たな課題に挑戦しているという。ハローディも次のステージ入ったといえ、その結果が楽しみである。

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