今期、飲料厳しい数字、果実・野菜ジュース落ち込む!
先に公表された家計調査データ、2008年10月度のデータを見ると、大分類では飲料が最も厳しい数字となり、115.97円(97.5%)という数字であった。外食を除く、食品スーパーマーケットでとり扱っている食品のみの全体合計は1,982.81円(101.9%)であるので、この10月度は全体はプラスで推移しているので、飲料は厳しい状況であったことがわかる。ただ、この97.5%は、これまでの、飲料の数字と比べると、それでも下げ率は減っており、プラスの方向には動いているといえるが、昨対をクリアーするまでには、少し差がある。そこで、ここでは、今年の1月から、直近の10月までの約1年間の飲料の家計調査データの数字をもとに、飲料の現況を見てみたい。
まず、飲料全体の1月度からの家計調査データでの推移であるが、1月102.87円(98.0%)、2月108.72円(100.9%)、3月113.68円(96.7%)、4月121.27円(98.3%)、5月137.06円(93.4%)、6月130.93円(90.0%)、7月156.29円(108.1%)、8月150.90円(91.9%)、9月124.13円(92.5%)、そして、10月115.97円(97.5%)という状況である。この10ケ月で昨対をクリアーしたのは2回であり、2月の100.9%、7月の108.1%であり、これ以外はすべて昨対を下回り、特に、5月くらいから、7月度を除き、急激に数字が落ち込んでいるのが実態といえよう。
そこで、さらに、どの項目の落ち込みが大きいのかを細分類で見てみるが、まず、家計調査データは飲料が大きく3つに分かれている。この10月度の実際の数字をもとに見てみると、茶類31.87円(106.7%)、コーヒー・ココア23.71円(99.5%)、他の飲料60.39円(92.7%)である。そして、茶飲料は緑茶11.03円(104.6%)、紅茶2.03円(137.0%)、他の茶葉3.42円(111.6%)、茶飲料15.35円(103.9%)4つに分かれている。コーヒー・ココアはコーヒー12.45円(97.2%)、コーヒー飲料9.97円(103.0%)、ココア・ココア飲料1.32円(100.0%)の3つである。そして、他の飲料は果実・野菜ジュース20.74円(90.2%)、炭酸飲料7.23円(114.9%)、乳酸菌飲料8.45円(84.5%)、乳飲料3.74円(116.0%)、ミネラルウォーター6.45円(95.2%)、他の飲料のその他13.77円(86.6%)の6つである。
したがって、家計調査データでは、飲料は大きく3つに分かれ、そのもとで13の細目に分かれて集計されている。10月時点で見ると、最も厳しい項目が他の飲料であり、その中でも果実・野菜ジュース、乳酸菌飲料、ミネラルウォーター、他の飲料その他であることがわかる。また、他の項目では、コーヒー飲料のみ昨対を切っているだけであり、その他は昨対をクリアーしている。特に、茶飲料は好調であり、すべて昨対をクリアーしている状況である。
10月度は以上のような状況であったが、9月以前はどうであったかを見てみたい。まず、3大分類のみ見てみると、茶飲料は9月30.87円(93.3%)、8月36.74円(94.1%)、7月38.29円(106.9%)、6月35.97円(88.4%)、5月44.26円(88.6%)、4月35.33円(99.3%)、3月33.39円(98.6%)、2月32.52円(110.0%)、1月28.87円(100.1%)であり、2月、7月は高い伸び率であったが、その他は厳しい数字も見られることがわかる。コーヒー・ココアについては、9月度22.42円(95.5%)、8月度25.26円(102.8%)、7月度25.39円(98.9%)、6月度23.13円(92.0%)、5月度23.19円(101.8%)、4月度22.70円(105.9%)、3月度21.94円(102.3%)、2月度21.79円(101.8%)、1月度22.55円(103.9%)という状況であり、9月度、6月度は厳しい数字であったが、それ以外は、比較的堅調な数字であったといえよう。
そして、最も消費額の大きい他の飲料であるが、9月度70.84円(91.3%)、8月度88.87円(88.3%)、7月度92.61円(111.5%)、6月度71.80円(90.1%)、5月度69.58円(93.9%)、4月度63.23円(95.3%)、3月度58.32円(93.7%)、2月度54.41円(95.8%)、1月度51.45円(94.5%)という状況であり、7月度を除き、この10月度まで厳しい数字で推移しており、しかも、飲料全体の約50%強を占める分類であり、この部門の伸び悩みが今期の飲料が伸び悩んだ要因といえよう。
では、さらに、細目にまで踏みみると、どこがもっとも厳しかったかであるが、果実・野菜ジュースとミネラルウォーターであることがわかる。特に、果実・野菜ジュースは、他の飲料の中でも構成比が35%近い数字であり、飲料全13項目の中でも最大であり、ここが、今期伸び悩んだことが、飲料全体が伸び悩んだ要因といえよう。実際の果実・野菜ジュース数字を見てみると、9月度 24.52円(88.2%)、8月度 32.23円(87.1%)、7月度34.74円(114.6%)、6月度26.30円(90.4%)、5月度25.68円(94.3%)、4月度23.80円(93.8%)、3月度21.19円(96.2%)、2月度18.79円(90.5%)、1月度18.81円(97.3%)という状況であり、飲料全体が良かった7月度を除き、厳しい数字で推移しており、全体への構成比が大きいだけに、飲料全体への影響が大きかったといえよう。
このように、今期の飲料は家計調査データで見る限り、他の飲料が最も厳しい数字で推移しており、その中でも、果実・野菜ジュースが年間を通じて厳しい数字で推移している。飲料の中で占める割合が大きい主力部門であるだけに、全体への影響度が大きかったといえる。この傾向は、実際の各社のPOSデータでもほぼ同様な傾向が表れており、今期の飲料は厳しい状況が続くものと思われる。今後、消費環境は一層厳しさを増すものと思われ、今期はあとわずかであるが、来期の飲料については、食品スーパーマーケットとしては、再構築する必要があり、商品戦略の抜本的な見直しが、来期のマーチャンダイジングの重要なテーマとなろう。
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