食品スーパーマーケット、年末へ向けて、家計応援!
年末商戦が迫ってきている。今年の年末は例年になく、アメリカ発のサブプライム問題の波及により、金融不安が実態経済へ波及しはじめ、消費が急激に冷え込みはじめた中での年末を迎えることになり、厳しい状況が予想される。大手は西友に見られるがごとく、徹底的な価格訴求に踏み出しており、それに呼応する形で、地元食品スーパーマーケットも様々な対応を迫られ、今年の年末は食品スーパーマーケットにとっても厳しい年末となりそうである。そこで、現在、食品スーパーマーケット各社がどのような年末に向けて、対策を打ち出しているかを代表的な食品スーパーマーケットをもとに見てみたい。
まず、平和堂であるが、12/11(木)~12/15(月)の5日間、「年末家計応援」として平和堂HOPカードポイント5倍セールを実施するという。これは、お買い物100円(税抜き)でポイント1点進呈し、1,000点たまると現金1,000円と交換するという内容であるので、事実上、年末商戦での5%還元といえる販促である。一般的にポイントは、貯めるタイミングと使うタイミングがポイントであり、今回12/11から12/15はまさに、ポイントを貯める期間であり、この貯めたポイントを年末で一気に使ってもらい、家計を応援しつつ、自店での年末の買い物を促す政策であるといえよう。これは、年末価格が店頭価格に加え、さらに5%下がる効果が期待できるので、顧客の年末の来店頻度を上がるだけでなく、金額PI値も引きあがる一石二鳥の販促といえよう。
次に、マックスバリュ西日本であるが、プリペイドカードタイプの商品券1 万1千円分を1 万円で販売する「がんばろう日本!お買物カード」の取り組みを実施するという。この企画について、マックスバリュ西日本は、「お客さまの年越し準備を応援、この度の取り組みは、世界的な金融不安に端を発する未曾有の景気後退局面を迎え、お客さまの不安が募る中、クリスマスの贈り物や年越し準備をされるお客さまの生活応援に向けて実施するものです。」とのことであり、実質、1,000円の年末給付金に近い企画といえよう。通常の金額PI値(客単価)は約2,000円であるが、年末2日間はこれが、倍以上に跳ね上がり、4,000円を優に超える。したがって、年末2日間では10,000円ぐらいとなるので、この11,000円は、年末2日間を10%引きで自店での購入を促す販促といえ、まさに年末商戦にピタリ照準があった企画といえよう。よく練られた企画である。
今回の企画は、「がんばろう日本!お買物カード」と題し、12 /13(土)、12/21(日)の2 回、それぞれ24,600 枚を用意し、全店143 店舗にて1 万円にて販売するという。また、この企画はマックスバリュ西日本だけではなく、同様な企画をマックスバリュ東海、マックバリュ中部、マックスバリュ北海道、マックスバリュ東北でも実施するとのことで、イオングループの食品スーパーマーケットの共同年末キャンペーンでもある。さらに、イオングループ全体のキャンペーンでもあるといい、イオンがグループの総力をあげて取り組む年末企画であるという。
もう、数社、この時点での年末対策を検討している食品スーパーマーケットを取り上げてみたい。ユニバースである。ユニバースは、すでに、昨年11月末より、「この価格のままでご奉仕いたします」という企画を打ってきたが、この年末に向けて、さらに一段と暮らしをめぐる環境が厳しくなってきたことを踏まえて、さらに来年、1/4まで引き続き継続実施致するとのことである。大黒天物産も物価高騰に「本気で」挑戦!と題し、ディオ、ラ・ムーでお客様の豊かな暮らしをサポートするため、月間奉仕品として100品目以上の商品を本気で更に値下げするとのことである。
さらに、原信ナルスホールディングスでも、「家計応援・緊急値下げ」第2弾を実施するとのことで、原信およびナルスで、昨年10 月より、お客様のくらしを応援するため、商品の値上げを抑制し、一定期間、企画開始時の販売価格に凍結する「価格凍結宣言」企画を行ってきたが、12 月からも第7次として約300 品目を実施しているとのことである。そして、これに加え、今回第2弾のセールを実施し、対象商品 66 品目を追加するとのことである。
最後にヤオコーであるが、ヤオコーはちょうど今回、新店が100店舗を達成したこともあり、12/1から来年1/13まで2回に分けて、「おかげさまで100店舗達成記念お年玉キャンペーン」を実施するとのことである。この期間のレシート3,000円で1口応募すると商品券他、各食品メーカーからの商品が当たるというキャンペーンである。
このように、これらの動きを見てもわかるように、食品スーパーマーケットも大手の動きに呼応するかのように、年末に照準を絞った様々な販促企画をこのタイミングで打ちだしてきており、今年の年末商戦は空前の価格競争が繰り広げられ、激しい競争が予想される。その意味で、今年は、上記に見たように、早めに年末商戦への対応が各食品スーパーマーケットで進んでいるといえよう。この厳しい消費動向の中、家計の節約志向にいかに応えられるか、食品スーパーマーケットの本領が問われる年末となろう。
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