年末商戦真じか、昨年度の家計調査データを見る!
いよいよ、年末商戦が2週間後となり、今年もあとわずかとなった。今年の年末は例年になく、アメリカ発の金融危機の影響がじわじわと日本の消費にも波及し始め、空前の節約志向の中での年末商戦を迎えることになりそうである。そこで、昨年の状況が参考になるかどうか、難しいところであるが、ここでは、2007年12月度の家計調査データの日別の消費額の状況をもとに、昨年はどのような項目が注目の商品であったのかを見てみたい。その際、年末特有の項目が浮かび上がるように、日別データの月間平均値と標準偏差を算出し、その乖離率の大きいものを中心に見てみたい。
まず、昨年の日別の消費動向であるが、12月度31日間の単純平均の消費額は2,643.69円であり、標準偏差は936.37円であり、その乖離率は35.5%である。ここからイメージできることは、12月度の平均消費額は2,643.69円であり、その内、プラスマイナス標準偏差936.37円、すなわち1,707.32円から3,580.06円までの間に約70%、約20日間が含まれ、乖離率が35.5%であるので、比較的、集中度が高いという傾向があるということである。実際、日々の消費動向を見ると、消費額が極端に跳ね上がるのは、年末2日間、30日、31日であり、この2日間は5,453.63円、5,791.30円と標準偏差の範囲を大きく逸脱し、2倍以上の極値の数字となり、異常値となる。前回のブログで、マックスバリュ西日本が年末へ向けて、11,000円の商品券を10%引きの10,000円で販売する企画があったが、ちょうど、この30日、31日の消費額を足すと11,244.93円であり、まさに、年末商戦に照準を合わせた、どんぴしゃりの企画といえよう。
では、年末特有の極端な乖離率を示す項目をいくつか見てみたい。12月平均とその標準偏差、そして、その乖離率で見た場合、最も極端な数字となるのはケーキである。ケーキは年間最高の消費額となるクリスマスがあるためであるが、186.3%という極端な数字となる。12月平均では47.52円であるが、標準偏差は88.52円となり、クリスマスイブは何と平均の10倍となる497.33円と極端に跳ね上がる。前日23日が163.69円、翌日の25日が95.68円であるので、24日が如何に異常値であるかがわかる。ちなみに、年末は、30日27.68円、31日36.10円であるので、平均を下回っており、さほど高い数字ではない。
次に、年末本命の項目を見てみると、ベスト5は、さしみ盛合わせ、もち、かまぼこ、かに、たこである。この5つが日本の年末商戦の花形であるといえ、それぞれ、その乖離率、12月度の標準偏差、平均消費額を見ると、さしみ盛合わせ174.1%(40.53円、23.28円)、もち144.6%(56.72円、39.23円)、かまぼこ142.8%(40.08円、28.07円)、かに134.1%(43.64円、32.54円)、たこ134.0%(7.13円、5.32円)となる。たこを除いてはほぼ、平均が20円から30円の消費額であるが、乖離率が150%前後と極端に年末の数字が高いことがわかる。実際の年末30日、31日の数字をそれぞれ見てみると、さしみ盛合わせ48.41円、237.23円、もち258.70円、110.27円、かまぼこ169.51円、88.79円、かに158.04円、181.48円、たこ32.44円、29.28円という動きであり、30日にピークがくるものと31日にピークがくるものとがあり、それぞれ特徴が明確に出ているといえよう。特に、刺身の盛り合わせは極端であり、ケーキのクリスマスイブのような年末31日の動きといえよう。
このベスト5以外で年末特有の項目を20品上げてみると以下のようになる。はじめの数字が乖離率、そして、標準偏差、平均値となる。ぶり126.9%(28.28円、22.29円)、たけのこ126.5%(4.74円、3.75円)、たい116.3%(5.52円、4.75円)、メロン108.5%(1.45円、1.34円)、魚肉練製品 103.5%(53.36円、51.55円)、干ししいたけ101.7%(4.86円、4.78円)、えび100.3%(19.03円、18.97円)、れんこん98.0%(5.43円、5.55円)、まぐろ97.2%(27.24円、28.01円)、牛肉93.2%(81.49円、87.46円)、ようかん82.7%(2.62円、3.17円)、すし(弁当)81.9%(34.44円、42.04円)、ごぼう80.8%(4.17円、5.16円)、さといも78.8%(4.27円、5.42円)、かぼちゃ78.2%(2.99円、3.82円)、生うどん・そば72.8%(11.82円、16.24円)、いちご72.4%(8.46円、11.69円)、こんぶつくだ煮71.8%(6.01円、8.36円)、なし70.9%(1.87円、2.64円)、ぶどう酒69.9%(8.68円、12.41円)となる。これらを見ているだけで、年末の売場が創造できて、楽しい。
最後に、食品以外で、乖離率の高い項目をいくつか見てみたい。ステレオセット312.8%(8.32円、2.66円)、婦人用帯250.6%(4.10 円、1.64円)、応接セット250.3%(6.40円、2.56円)、書斎・学習用机・いす204.2%(9.84円、4.82円)、ビデオカメラ193.9%(10.88円、5.61円)、電子レンジ 189.0%(12.99円、6.87円)、葬儀関係費176.9%(110.15円、62.26円)、通学用かばん162.2%( 9.51円、5.86円)、電気洗濯機156.5%(13.00円、8.31円)、カメラ127.3%(12.16円、9.56円)、切り花118.5%(53.83円、45.44円)、和服112.0%(4.99円、4.46円)、ハンドバッグ 103.5%(17.65円、17.05円)、航空運賃99.9%(17.84円、17.85円)である。
このように、昨年12月度の年末に跳ね上がる項目を家計調査データをもとに見てみた。ここで取り上げたものは、月間平均と標準偏差との乖離率が100%を優に超えるものであり、今年も同様に跳ね上がるかはどうかは保証されないが、十分に注意すべき項目といえよう。あとわずかで、今年も年末商戦をむかえることになるが、これらのデータを参考に、今期の年末商戦を何とか乗り切って欲しいと思う。
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