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December 05, 2008

西友、他店ちらし持参値引き政策をスタート!

   12/4、突然、以下のちらしが、自宅に舞い込んだ。「地域で一番安いお店をめざします、当店表示価格より安い価格の他店のチラシ広告がございましたらお持ちください。その広告価格でご提供させていただきます。」、「西友のKY(カカクヤスク)で行こう!」キャンペーンの本命、第2弾が本格稼働しはじめたことを知らせるちらしである。1面トップに真っ赤な囲みに白字で、大きく上記の文字が浮き立っており、その下には、内容として、小さく、対象商品、方法、除外品、その他の詳細な説明がある。

   その説明を見てみると、内容については、同一都道府県内の多店舗のものに限ること。対象期間は西友のちらし期間と同じこと。商品が特定できるものであること。生鮮食品は同一産地、同一規格のものであること。販売点数制限は他店のちらしと同じことであることとなっている。方法については、ちらしを切り取らず、そのまま持ってくること。会計前にレジで確認するとのことである。除外品については、インストアベイカリー、酒、惣菜、専門店、銘店、予約、ギフトなどのカタログ掲載商品、これに加え、対象商品が特定できない、全品割引き、条件付販売、クーポン連動商品、ポイント還元後の価格、送料、予約商品、インターネット掲載ちらしである。そして、その他であるが、同業者の購入のお断り、西友ネットスーパーは対象外、事前予告なしの終了、上記以外にも状況に応じて、お断りの場合もあるとのことである。
 
   このような条件のもとに、今日から、西友の新たな価格政策が始まった。この手法は家電、地域密着の食品スーパーマーケット等では日本でも事例があるが、西友のようなナショナルチェーンで全店、しかも、GMSでははじめての試みであるといえ、年末にかけて、このタイミングで、このキャンペーンを打つとは、びっくりである。前回、西友のブログでも取り上げたが、KY(カカクヤスク)でも十分インパクトがある内容ではあると思うが、それに加え、だめ押しの、クリスマス、年末商戦への、西友の並々ならぬ決意であり、ウォルマートの強い意思であろう。ウォルマートは現在、価格に徹底的にこだわり、アメリカで独り勝ちという状況であるが、その日本版ともいえる対策が、今回の西友の「他店ちらし持参値引き政策」であるといえよう。

   この12/4のちらしであるが、Everyday Low Price商品が約40品裏面で訴求されていることに加え、表面では、12/4バナメイえび(インドネシア、タイ産など)1尾9円、国産豚肉もも切落し100g117円、ふじ・王林りんご(青森、長野など)1コ77円、S&Bとろけるカレー200g、とろけるシチュー・クリーム・ビーフ160g128円、焼きサバ押寿司1パック2割引など、日替わりが、12/4(木)から12/10(水)まで1週間入っており、さらに、冷食価格4割以上値下げ(チラシや日替わりセールをお待ちいただく必要はありません。西友・リヴィンの冷凍食品は、安さがづづく、毎日つづく、ぜひご来店の上、安さを実感してください。)との訴求もあり、とにかく、表面は徹底的な価格政策のちらしとなっているのが特徴である。

   さらに、12/4のちらしは、これとは別に、新聞紙大の大きさで冬の大総力祭のちらしが同時に入り、こちらでは、食品ではなく、衣料、住関連の価格訴求の内容となっており、今回の、「地域でいちばん安いお店をめざします。」の「他店ちらし持参値引政策」キャンペーンをうたっており、食品だけでなく、衣料、住関連も同時にスタートしたことがわかる。

   ちなみに、一般的な食品スーパーマーケットのちらし構成比は売上の30%前後であるので、他店のちらしが数店持ち込まれて、自店と重なった商品がどのくい発生するかは、統計をとってみなければわからないが、50%まではいかないと思われる。その商品を平均10%前後引いた場合は店舗全体へのインパクトが相乗積から5%程度となる。この2つの数字でインパクトは決まるが、50%で20%であれば10%、50%で5%であれば2.5%、これが、他店のちらしが50%よりも下がり、30%となれば、30%×10%で3%、30%×20%で6%、30%×5%で1.5%であるので、全体へのインパクトは数%から最大10%ぐらいの間となるのではないかと予想される。そうすると、よく、食品スーパーマーケットが実施する全品5%、全品10%と同じ、インパクトの販促手法ともいいかえることができ、どちらが、お客さまにアピールできる方法かの選択肢であるとの見方もできるといえよう。
 
   このように、西友が、クリスマス商戦、年末商戦に対し、ウォルマートの世界戦略と軌を一にする価格訴求を全面に打ち出したキャンペーン第2弾がはじまったといえる。特に今回は、これまでのKY(カカクヤスク)キャンペーンに加え、さらに、インパクトの大きい競合店を強く意識しての「他店ちらし持参値引き政策」であり、これが、どのような結果となるか、興味深いところである。ウォルマートにとっては西友の経営はまさに正念場をむかえ、今期の12月決算が真近に迫っているだけに、最後の切り札をきったともいえよう。今年、2008年12月期の西友の決算がどのような数字となるか注目である。

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