家計調査データ2008年11月度、食品堅調!
2008年11月度の家計調査データが12/26、総務省統計局から公表された。消費支出は1世帯当たり284,762円であり、前年同月比実質0.5%の減少となったが、前月比(季節調整値)では、実質3.1%の増加となった。特に食料品は(外食を含む)は9ケ月ぶりの実質増加、0.5%の増加に転じた。本ブログでは、名目数値をもとに、食品スーパーマーケットの客単価と連動をはかるために、1日当たりの数字に換算して、昨年との比較を試みるが、この数字を見ると、全体は100.7%、食料(外食を含む)は103.7%、外食を除く、食品は2,019.07円、102.9%と堅調な数字となった。ちなみに、外食はここへ来て、好調であり、466.90円(107.1%)であった。
参考に外食の伸びた項目を見てみると、ハンバーガー13.03円(143.8%)、中華そば16.20円(112.8%)、日本そば・うどん15.87円(110.7%)であった。本ブログでは、家計調査データを独自に加工し、単純な消費額だけでなく、その消費額を消費世帯のみの消費額と消費世帯の割合に分けて分析し、消費額=消費世帯のみの消費額×消費世帯の割合で分析している。この分析方法で、外食をこの11月大きく牽引したハンバーグを見てみると、ハンバーガーの13.03円(143.8%)は、ハンバーガーだけを購入した世帯数のみの消費額が61.80円(128.8%)であり、その世帯数の割合は21.1%(111.6%)であったことがわかる。この数字を見る限り、ハンバーガーは約2割の家計が1ケ月に1回購入する商品であることがわかり、伸びた要因は、新規に購入した世帯が約1割、その新規世帯を含め、既存のハンバーガー購入世帯が約3割も伸びたといえ、11月にはハンバーグの商品戦略が大きく変化し、それが、消費者に受け入れられた可能性が高いことがわかる。
では、食品の方はどのような状況であったかを見てみたい。食品は穀類、魚介類、肉類、乳卵類、野菜・海草、果物、油脂・調味料、菓子類、調理食品、飲料、酒類の10大分類になっているが、この中で、この11月度最も好調であった分類は穀類245.27円(113.0%)であった。2桁の伸びであり、断トツである。特に、スパゲッティ3.83円(129.2%)、中華めん11.93円(127.0%)、即席めん4.97円(123.1%)の麺類に加え、米も107.13円(120.7%)と絶好調であった。特に、即席めんは、カップめん8.93円(103.1%)に対し、構成比も50%を超え、大きな伸び率であり、今後、食品スーパーマーケットとしても、棚割、品揃え、販促の再構築が必要なカテゴリーとなったといえよう。
穀類についで、この11月消費を牽引したのは、菓子類204.33円(107.3%)と肉類229.23円(107.2%)である。特に伸びた項目を見てみると、菓子類では、カステラ2.67円(127.0%)、ビスケット9.90円(122.2%)が絶好調であり、ついで、チョコレート菓子3.53円(119.1%)、キャンデー7.80円(118.8%)、スナック菓子11.00円(113.0%)、ケーキ20.80円(110.4%)がよく伸びている。肉類については、110%以上伸びた項目は鶏肉のみであり、38.00円(112.8%)という数字である。ついで、牛肉55.70円(107.9%)、豚肉75.17円(107.0%)という状況であり、生鮮肉の動きが良いのが特徴である。加工肉も伸びてはいるが、加工肉47.40円(103.3%)という状況であり、生鮮肉、特に鶏肉が肉類を牽引しているといえよう。ただ、生鮮肉はいずれも、消費世帯の割合はさほど増加しておらず、消費世帯のみの割り合いが増加しての消費の伸びであり、内食回帰により、肉を食べる、しかも、よりお買得な鶏肉への需要が増加しているのではないかと推測される。
これに対し、この11月度、消費が厳しかった分類を見てみると、果物98.37円(93.4%)である。ただ、この11月の果物は、いちご1.53円(176.9%)、バナナ15.67円(164.9%)、キウイフルーツ1.90円(132.6%)と、この3項目のみは抜群の伸び率であり、異常値となっている。特に、バナナはダイエットブームにも乗り、金額でも15.67円と魚介類No.1のまぐろの14.20円(83.5%)を抜き去り、断トツの数字である。バナナ15.67円(164.9%)の中身を分析すると、バナナの消費世帯のみの金額22.37円(146.6%)がバナナの消費世帯の割合70.0%(112.5%)大きく上回っての数字であり、バナナの購入頻度が恐らく大きく上昇したのではないかと推測される。果物はこの3品がダントツの伸びではあったが、この時期、最重点商品のみかん25.57円(82.6%)、りんご23.40円(85.0%)、かき12.80円(84.8%)が不振であり、全体としては厳しい消費となった。
果物以外では野菜・海藻273.10円(98.1%)、魚介類237.47円(98.5%)の2部門が100%を割った。全体的には肉類を除く、相場性の高い青果部門、鮮魚部門の生鮮食品がこの11月度は厳しかったといえよう。逆に、穀物、菓子、肉類ほどではないが、油脂・調味料も121.07円(105.6%)と健闘しており、その中でも食用油11.97円(121.3%)、マーガリン2.63円(119.7%)、ジャム3.60円(116.1%)、カレールウ4.30円(113.2%)などが好調であった。
このように、この11月の家計調査データは9ケ月ぶりに、実質の消費額が食品でプラスになるなど、外食を含め、食品全般が堅調であったのが特徴といえよう。その中でも、穀類、菓子類、肉類が消費を牽引しているのが、この11月の特徴である。次回、1月下旬には12月度の家計調査データが公表される予定であるが、この11月度を踏まえ、年末の消費状況がどのような数字になっているか興味深いところである。
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